新車47万円! スズキ「“超レトロ”軽自動車」実車登場! めちゃシンプル目指した「低コストボディ」に注目! 実用的な「“2スト”エンジン」搭載した「アルト」イベント展示へ!
2025年4月20日に開催される「第35回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」では、会場内の企画展示ゾーンにて、スズキ初代「アルト」が展示される予定です。
スズキ「“超レトロ”軽自動車」実車登場!
2025年4月20日は、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)にて「第35回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」が開催されます。
この会場では企画展示「日本のクルマ文化の発展」も行われ、スズキ初代「アルト」が展示される予定です。

アルトは、スズキが販売している伝統的な軽自動車です。
初代モデルは、同じくスズキが販売していた軽自動車「フロンテ」の商用車版姉妹車として1979年に登場し、軽ボンネットバンブームの火付け役として大ヒット。
以後は1993年に「ワゴンR」が登場するまで、スズキを代表する軽自動車の座を担ってきました。
初代アルトのボディサイズは、全長3195mm×全幅1395mm×全高1335-1350mmで、ホイールベースは2150mm。
1979年当時の日本では、軽乗用車には15%を上回る高税率の物品税が課されている一方、商用車は非課税という背景がありました。
スズキでは上記の税制を逆手に取り、合法的に節税できるよう「実質的に“前席2人乗り軽乗用車”として機能する軽商用車(軽ボンネットバン)」という商品設定を企画。
そのターゲットは主に、買い物や子どもの送り迎えにクルマを使う主婦層です。
当時の市場リサーチによって「軽自動車の基本乗車人数は1人か2人」というデータを得ていたため、「荷台スペースを後部座席のスペースと同等以上にする必要がある」という商用車ならではの規制によって後部座席が極端に狭くなったとしても、大きな問題は無かったのです。
また、当時の一般的な軽自動車の新車価格は60万円以上で、これに先述した物品税が課されている状況でした。
そしてスズキの調査では、中古車市場では40万円から50万円程度の個体が売れていると判明し、アルトは新車価格45万円を目標に開発をスタート。
とにかくコストを抑えることを優先して、一体成形されたシンプルな造形の樹脂製ダッシュボードやインストルメントパネル、ヘッドレスト一体型のフロントシート、助手席側ドアの鍵穴の省略など、非常に簡素な内外装が完成します。
その結果、目標金額はオーバーしてしまったものの、上記の施策によって新車価格47万円という驚異の低価格を実現。
当初の月販目標台数だった5000台を大きく超える1万8000台を記録して、増産のために工場の増築が緊急で行われるほどの大人気モデルとなりました。
パワートレインは、550ccの水冷直列3気筒2ストロークエンジンを搭載。最高出力28馬力/5500rpm・最大トルク51Nm/3000rpmを発揮します。
またボディカラーは、「フランソワホワイト」「アップルレッド」「クリスタルシルバーメタリック」の全3色から選択可能でした。
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徹底した市場リサーチで需要を見極め、狙い通りの開発によって成功を収めた初代アルト。
長い期間にわたってスズキを支え続けたこの立役者は、先述のように今回のイベント会場にも展示され、撮影が可能となっています。
スズキファンならずとも、ぜひ足を運んで歴史的モデルの実車を目にしてみてはいかがでしょうか。
デザインも良かった。