日産「新型コンパクトSUV」発表! 斬新「すっきりマスク」に好相性な「エアロ仕様」もお披露目! イメージ一新の「“新型”キックス」タイ大幅改良モデル「日本導入」の可能性は?
タイで発表された日産新型「キックス」は、南米向けと共通デザインを採用した大幅改良モデルで、「e-POWER」を継承しながら、内装の質感や先進性を大幅に引き上げています。日本導入の可能性はあるのでしょうか。
2代目が登場するなか「初代が大幅改良」実施!?
2026年3月25日より4月5日までタイで開催された「バンコク国際モーターショー2026」で、日産「キックス」の大幅改良モデルが初公開されました。
外装の刷新に加え装備面も大きく進化しており、現地で実車を確認するとその変化は想像以上でした。
先に整理しておくと、初代キックス(P15型)は、2016年にブラジルでデビューを果たしたコンパクトSUVで、欧州を除くグローバルで生産・販売されています。
2020年に実施されたマイナーチェンジの際、タイ製モデルにハイブリッド「e-POWER」を新設定し、このタイミングで日本での販売(タイからの輸入モデル)が始まっています。
そして2024年には、米国で2代目(P16型)へフルモデルチェンジを果たしました。日本でもこの2代目キックスに第3世代e-POWERを搭載して、2026年夏にも導入が始まるとの噂です。
そんななか、今回の「初代キックスの刷新」は、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)にとってもちょっとした驚きでした。
![タイで発表された大幅改良版「キックス e-POWER」日本導入はある!?[画像はカスタム仕様の「MAXIMUS」/Photo:吉川賢一]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/04/20260403_NISSAN_NEW_KICKS_e-POWER_Thailand_000.jpg?v=1775203785)
今回のタイにおける大幅改良は、単なるフェイスリフトにとどまらず、商品全体をブラッシュアップして磨き直したビッグマイナーチェンジといえる内容です。
まずエクステリアで目を引くのが、フロントマスクの刷新です。
従来モデルは丸みを帯びた柔らかな表情でしたが、新型キックス(タイ仕様)ではスリムなヘッドライトと3本ラインのデイタイムランニングライトを組み合わせた、シャープで先進的な顔つきへと変化しました。
従来のVモーショングリルは姿を消し、フロントバンパー下部にグリルを配置したオーソドックスな構成へと変更されています。
加えて、新造形の17インチアルミホイールや新デザインのLEDテールランプも採用され、全体として精悍かつ洗練された印象にまとめられています。
このデザインは、日産が2025年12月に公開した南米市場向けの新型コンパクトSUV「カイト」と共通の意匠です。
このカイトも、従来型キックス(P15型)をベースとした改良モデルであり、今回の改良型キックスはそのデザイン手法を横展開したものといえます。
構造的な制約が大きい大幅改良でありながら、従来型をベースとしていることを感じさせない仕上がりで、商品としての鮮度をしっかり引き上げています。
筆者が実際に現地で実車を確認すると、面構成が整理されたことでボディ全体の見え方が引き締まり、サイズ以上に凝縮感のあるプロポーションに仕上がっていました。
単なる意匠変更ではなく、視覚的なバランスまで踏み込んだ改良と感じ、写真で受けた印象以上の効果を感じさせていました。
インテリアも大きく進化しており、針式メーターと小型ディスプレイの組み合わせだった従来モデルから、改良型では12.3インチの大型センターディスプレイをダッシュボード上段に配置し、デジタルメーターを組み合わせることで先進性を大きく高めています。
さらに、ステアリングホイールはエクストレイルやノートオーラと同世代のデザインを採用。シートやダッシュボードの素材も見直され、質感は明確に向上しています。
新設定のインテリアカラー「ムーンストーン」は、明るさと上質感を両立しており、従来の実用重視の印象から一歩踏み込んだ仕上がりとなっています。
とくに印象的だったのが、カスタム仕様の「MAXIMUS」です。
ホワイトとブラックを基調にレッドアクセントを加えたエクステリアは、ディフューザー形状の前後バンパーと相まって、NISMOモデルを想起させるスポーティな仕上がりとなっています。
専用の18インチアルミホイールやデカールも含め、単なるドレスアップにとどまらない明確なキャラクター付けがなされていました。
パワートレインは従来と同様、1.2リッターエンジンを発電専用とするe-POWERを採用しています。
スペックに大きな変更はないものの、滑らかな加速や静粛性といった特長は引き続き健在です。さらに、タイ仕様として初めて運転支援機能「プロパイロット」が搭載された点も注目されていました。
グレードは「V」「VL」「SV」の3種類が設定され、価格は83万9000バーツから92万9000バーツ、日本円では約408万~452万円となります(1バーツ=4.87円で換算:2026年3月末現在)。
なお発売記念として、Vグレードには78万9900バーツ(約384万円)の特別価格も設定されています。
気になる日本市場への展開ですが、日本向けには前述の通り2代目P16型キックスの投入計画が進められているため、今回のタイ仕様がそのまま導入される可能性は高くないと考えられます。
しかしながら、今回の改良型で示されたデザインや内装の方向性は、日本仕様にも取り入れる価値が十分にあると感じました。
商品としての完成度は確実に底上げされており、この仕様のままでも成立するのではないかと思わせる仕上がりでした。
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今回の改良型キックスは、単なる延命的な改良にとどまらず、商品力そのものを底上げする内容でした。
日本導入の可能性は限定的と見られますが、廉価モデルとして新たなP16型と併売するという方法もアリかもしれません。
またその進化の方向性は、次期型キックスにも確実に反映されるべき要素といえるでしょう。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど








































































