クルマの「丸いシール」なぜ無くなった? リアガラスに貼られた「車庫証明ステッカー」廃止から1年…! かつての“役割”と消滅した理由とは

街を走る真新しいクルマに目をやると、リアガラスにあるはずの「丸いステッカー」が貼られていないことに気がつくかもしれません。

クルマの「丸いシール」なぜ無くなった?

 2026年も4月を迎え、新生活に向けて購入された真新しいクルマが街を走り始める季節となりました。

 ピカピカの新車が目の前を通り過ぎる時、ふとリアガラスに目をやると、そこにあるはずの「丸いステッカー」が貼られていないことに気がつくかもしれません。

 長年、日本の自動車のリアガラスの端っこに鎮座していた「保管場所標章」、いわゆる「車庫証明ステッカー」です。

クルマの「丸いシール」なぜ無くなった?
クルマの「丸いシール」なぜ無くなった?

 実はこのステッカー、ちょうど1年前の2025年3月をもって交付が廃止され、現在新しく登録されるクルマには貼られていないのです。

 クルマ好きの間では愛車のデザインを損ねると不評を買うこともあったこのステッカーですが、そもそもどのような役割を担い、なぜ姿を消すことになったのでしょうか。

 自動車を所有する際は、道路を車庫代わりに使う「青空駐車」を防ぐため、自動車の保管場所の確保等に関する法律(通称:車庫法)によって、自宅から2キロメートル以内に駐車場を確保することが義務付けられています。

 そのため警察署で「車庫証明」の申請を行い、無事に審査を通ると交付されていたのが、この丸い保管場所標章でした。

 法律上は、クルマの後面ガラスなどの見やすい位置に貼り付けることが義務とされており、警察官がパトロール中に「このクルマは正規の駐車場を確保しているか」を視覚的に一目で確認するための重要なアイテムとして機能していたのです。

 しかし、このステッカーには以前から不満の声が寄せられていました。

 実際にネット上では「せっかくカッコいいクルマを買ったのに、あのステッカーを貼るだけで生活感が出て萎える」「日光で劣化して端からボロボロに剥がれてきたから見栄えが悪い」「窓枠の熱線の上に貼ると、いざ剥がそうとした時に熱線まで断線しそうで怖い…」といった、デザイン性や実用面でのクレームがあったのです。

 また、「法律で貼るよう決められているのに、違反しても現実的には罰則や反則金が無い状態だから貼っていないドライバーがいる」という声も少なくなく、制度そのものが形骸化しつつあるという指摘もありました。

 そんななか、ついに警察庁がデジタル化の推進へと舵を切りました。

 警察のシステム整備が飛躍的に進み、現場の警察官がスマートフォン型の情報端末などを使って、クルマのナンバープレートから瞬時に車庫の登録状況をオンラインで照会できる仕組みが整ったのです。

 これにより、わざわざ目視でステッカーを確認する必要性が薄れました。

 さらに、ステッカーの製造や管理にかかる行政のコスト削減、そして何より、交付の際にドライバーが負担していた500円ほどの標章交付手数料をなくして国民の負担軽減するため、2025年3月をもって長きにわたる保管場所標章の歴史に幕が下ろされたのです。

 このような廃止のニュースに対し、当時のSNSやネットの反響は大きく、「愛車のリアガラスがスッキリして本当に嬉しい!」「納車の時にディーラーにお願いして貼らないでもらっていた手間が省ける」「たかが500円とはいえ無駄な出費がなくなるのは大歓迎」と、クルマ好きを中心に歓喜の声が上がったのです。

 一方で、「ステッカーがなくなっただけで、車庫証明の手続き自体は今まで通り警察署に行かなきゃいけないじゃん…」「オンライン申請をもっと使いやすくして完全に警察署へ行かなくて済むようにしてほしい!」と、手続き全体のさらなる簡略化やペーパーレス化を望む声も見られます。

 ステッカーの廃止から1年が経過した2026年の現在、街を行き交う新しいクルマたちのリアビューは、驚くほどスッキリとしており、本来の美しいデザインを取り戻しました。

 ただし注意しなければならないのは、なくなったのはあくまでステッカーだけであり、クルマを購入・名義変更する際の車庫証明の取得義務自体はこれまで通り存在しているということです。

 駐車場を確保せずにクルマを登録する車庫飛ばしは犯罪行為であり、厳しく罰せられます。

 あの丸いステッカーを見る機会はこれから徐々に減っていきますが、クルマを正しく保管し、道路環境を守るというドライバーの責任は、時代が変わっても決して変わることはありません。

【画像】これは貼らなきゃ罰金! これが新しい「車検ステッカー」です!(27枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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