買い得? メーカーはなぜ「特別仕様車」を設定するのか 常に販売されるモデルも
乗用車の場合、ひとつの車種に複数の「グレード」を設定することが多いです。「特別仕様車」が追加されることもあります。この「特別」なモデルは購入者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
特別仕様車にはどのようなメリットがあるのか
乗用車の場合、ひとつの車種に複数の「グレード」を設定することが多いです。エンジンや装備はグレードに応じて変わり、車種の中に用意された細かな種類と考えれば良いです。またグレードと併せて「特別仕様車」が追加されることもあります。この「特別」なモデルは購入者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
「特別な仕様」という言葉を素直に解釈すれば、普段設定のない高性能エンジンなどを搭載したクルマなどを想像してしまうでしょうが、実際にはそのような特別仕様車は少ないです。売れ筋の中級グレードに、メーカーオプションの装備、あるいは上級グレードの装備を加えて、価格の上乗せを少なく抑えた仕様が多いです。いわゆる「買い得グレード」に近い内容です。
そうなるとグレードと特別仕様車の違いは、後者が一定期間に限って販売することですが、常に売っている特別仕様車もあります。トヨタ「ヴォクシー ZS 煌」などがその代表です。
また日産セレナのX・VセレクションやハイウェイスターVセレクションは、最初は特別仕様車として用意されましたが、今はグレードのように扱われています。Vセレクションには実用装備が過不足なく備わり、プロパイロットなどもオプション装着できて価格は割安なため、セレナの売れ筋グレードになりました。
つまり特別仕様車は「特別」と銘打ちながら、実際には販売の「中心」になることが多いです。
新車販売店のセールスマンは「特別仕様車は買い得で、なおかつ値引きも普通のグレードと同様に行なえます。特に決算期は、年度内に登録して決算に良い影響を与えられるように、在庫車をまとめて仕入れることがあります。この内訳には特別仕様車が多いです。在庫車から選ぶと、オプション装備などが自分の好みに合わない場合もありますが、買い得な特別仕様車を一層割安に購入できて納期も短いです」とアピールします。