買い得? メーカーはなぜ「特別仕様車」を設定するのか 常に販売されるモデルも
売れ行きにより登場時期が変わる?
特別仕様車のメリットは、このようにオトクな買い方ができることですが、注意点もあります。新型車が発売されて、好調に売れている時は、特別仕様車は基本的に設定されません。例えば国内販売ナンバーワンとなるホンダ「N-BOX」は、発売から約1年を経過しますが、2018年8月下旬時点では既存のグレードのみを売っています(発売から3年以上を経過したN-BOXスラッシュには特別仕様車があります)。
メーカーの開発者は「特別仕様車も、新車開発のスケジュールには組み込まれています。しかし売れ行きが予想外に鈍くなったり、あるいは何かの賞をいただいたような場合、特別仕様車を前倒しで用意することがあります」と説明します。
例えばトヨタC-HRは、2016年12月の発売時点では、LEDヘッドランプが上級グレードのみのオプション設定でした。ベーシックなグレードでは装着できず、上級グレードのオプション価格も15万1200円と高額です。
そこで2017年11月に、LEDエディションを発売しました。ベーシックなグレードにもLEDヘッドランプが装着され、しかも特別仕様車の価格アップはわずか2万4000円です。オプション価格の15万1200円に比べて大幅に安く、ドアハンドルもメッキに上級化されました。
C-HRは堅調に売れていましたが、このクルマに安価なハロゲンヘッドランプは似合いません。販売店からも「LEDヘッドランプの設定が悪く、売りにくいです」という意見が聞かれました。こういった経緯で、C-HRは販売が堅調なのに特別仕様車を用意したのです。