増加する高齢運転者の事故 2017年自主返納数は約42万件 「身体能力の低下を感じ」

最近、高齢運転者による事故が連日のようにニュースで取り上げられています。「ペダル踏み間違い」や「高速道路の逆走」など老化による身体能力の低下が要因といわれ、「運転免許証の自主返納制度」にも注目が集まっています。

高齢運転者における免許返納事情

 ニュースなどで取り上げられる機会が多い「高齢運転者」の交通事故。「アクセルとブレーキペダルの踏み間違い」や「高速道路の逆走」など65歳以上の高齢者による事故は増加傾向にあります。

返納制度した際に交付される運転経歴証明書(出典:警察庁ウェブサイト)

 国や警察庁などの関係行政機関は、高齢運転者による事故を減らす試みとして『運転免許証の自主返納制度』を以前から設け、制度の認知や自主返納への理解を深める活動を行なっています。

 運転免許証の自主返納制度とは、有効期限の残っている運転免許証を自主的に返納するものです。高齢運転者による事故増加を受け、1998年の道路交通法改正により制度化されました。

 返納場所は、最寄りの警察署や住所地を管轄する運転免許試験場です。返納手続きをしたその日から運転はできなくなり、代わりに申請日前5年間の自動車などの運転経歴を証明する『運転経歴証明書』の交付を受けることができ、証明書を提示することで「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」の加盟店などさまざまな場所で特典を受けることができます。

 また、自主返納の手続きをしたあとに、新たに運転免許証を取得する場合は、通常の取得方法と同様となります。自主返納者の再取得には優遇措置などないようです。ほかにも、運転免許の停止・取消しの行政処分中や停止・取消処分の基準などに該当する人は、自主返納することはできません。

 2017年の自主返納件数は全体で42万3800件あり、そのうち65歳以上は40万4817件だったそうです。

 制度が施行された1998年から2011年までは、年間10万件に届かない状況でしたが、運転経歴証明書交付後の経過年月にかかわらず本人確認書類として使用可能になってからは、毎年自主返納件数は増加しています。なお、2017年の運転経歴証明書の交付件数は、全体で36万6696件でした。

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