増加する高齢運転者の事故 2017年自主返納数は約42万件 「身体能力の低下を感じ」

自主返納のきっかけは「加齢」がトップ

運転免許証返納件数の推移(出典:警察庁ウェブサイト)

 運転免許証の自主返納制度が施行されてから約10年。自主返納制度の制定背景や現在の状況などを警察庁に伺いました。

――自主返納のそもそもの制定背景や返納者状況をお教えください。

 高齢運転者のなかには、加齢にともなう身体能力の低下などを自覚し、自ら安全と道路交通に与える影響を考慮して、運転免許証の更新日を待たずに返納したいと要望の声がありました。運転免許証の自主返納制度は、運転免許を受けた者の申請により免許の効力を失わせるための手続きが定められていなかったことをふまえ、1997年の道路交通法改正により導入し、1998年4月より施行されています。

――自主返納制度の認知状況についてお教えください。

 2017年11月、内閣府大臣官房政府広報室より、『運転免許の自主返納制度などに関する世論調査』が実施されました。この結果が2018年1月に公表され、世論調査では「制度の内容も含め知っている」と回答した人が73.0%、「内容はよく知らないが、聞いたことはある」と回答した人は、20.2%で、両者を合計すると「知っている」人は93.2%となり、回答者の9割以上が制度を認知していることが判明しています。

――自主返納をするきっかけなどどのような理由が多いのでしょうか。

 前途の世論調査によると『どのようなときに運転免許証を返納しようと思うか(複数回答)』という質問に対し、「自分の身体能力の低下等を感じたとき」と回答した人は全体の64.3%です。続いて「家族等から運転をやめるよう勧められたとき」、「交通違反や交通事故を起こしたとき」、「公共交通機関が充実し、必要がないと感じたとき」という順に回答がありました。

――自主返納により得られる特典はありますか?

 運転免許証の自主返納者に対しては、各自治体においてさまざまな支援を行なっています。「交通手段に関する支援」の場合、主にバスやタクシーなどの割引や回数券を配布。「物品贈呈に関する支援」では、交通安全グッズ、買い物ポイントカードなどの贈呈があり、「割引に関する支援」は購入商品の割引や施設利用料に関する割引などが実施されています。

 各自治体により特典内容が異なるため、気になる方は「高齢運転者支援サイト」をご覧ください。

※ ※ ※ ※

 運転免許証の自主返納制度は関係機関による認知活動により、高齢運転者に広がりをみせています。今後、高齢運転者の自主返納をさらに広めるには、免許返納後の交通手段をどう解決するかが課題といえます。とくに過疎化が進んでいる地方では高齢化も合わせて進んでいるので、高齢運転者の割合も多いですが、過疎化により公共交通機関の整備も進められないというジレンマに陥っているのが実情です。

【了】

出典:警察庁ウェブサイトの画像を加工して作成
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/return_DL.html

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