【衝撃】「EVバスの墓場」はどうなる? 元従業員も告白… トラブル・リコール多発の裏で発表されたEVモーターズ・ジャパン社長交代と程遠い国内生産の夢とは
EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)が経営体制の刷新と不具合への対応を発表したが、その内容は疑問だらけ 。引責辞任する社長の顧問残留、公表分より深刻な駆動系の重大欠陥、そして資金枯渇と技術者流出で事実上不可能となった「国内生産」の看板 。補助金と投資家向けのアピールに終始する同社の危うい実態に迫ります。
出荷時の検査強化は本当? 国産化は出来るの? 元従業員の証言とは
次に3.の新規出荷時の検査体制強化です。
リリースでは「出荷までの品質管理体制の強化」にも言及されています。
「過去の不具合を踏まえ、製造委託先および当社工場双方で実施していた PDI検査(出荷前検査)を抜本的に見直しました」とありますが、関係者に取材したところ現在、EVMJの新規受注はゼロ。
2月半ばに箱根登山バスへの2台(ウィズダム大型)が追加納車されたのを最後に納車予定はありません。
これだけ世間で不具合や不正行為が報じられている状況で新規にEVMJバスを導入しようとする会社や自治体はなかなかいないでしょう。
まるでこれからたくさんの新規出荷があるように錯覚させられますが、不思議な文言です。

そして4.の国内生産への展望です。
EVMJバスは国内製造をアピールして大阪万博で150台もの大量受注を実現し、全国各地のバス事業者に実質2年少々で300台以上のEVバスを納車してきました。
しかし実際には中国メーカーに激安コストで作らせたバスをほぼそのまま輸入し、本社工場では行先表示や料金箱などの架装にとどまっています。
また、2025年12月から80名目標で早期退職者の募集が掛けられており、技術者をふくめて多くの人材がEVMJを離れています。
日本に駐在していた中国メーカーの技術者も続々と撤退し中国へ帰国。100億円をかけて建設されたゼロ・エミッションパーク内の工場に製造のための機械も入らず、全国から返品されてきたEVバスから架装品を取り外して送り返すだけの作業が行われています。
そもそも、開発のための資金も枯渇しており、各種の公的な補助金や助成金も打ち切られつつある中での「国内生産」は完全に不可能と言える状況です。
施設の建設工事も2025年9月頃から止まっています。担当者によると再開のめどはたっていないとのこと。
ではなぜ、このタイミングでEVMJはこのようなリリースを出したのでしょうか。
EVMJの元社員の1人が事情を話してくれました。
「顧客の責任に見える表現(『運行再開は運行事業者判断』など)や 論点を散らす表現(SNS誤情報反論、事故調査中の扱い)が多く、どれも根拠に乏しく中途半端です。
国内生産をするという建前でこれまで数十億円の投資を集めて工場っぽいものまで建てているので、全くめどがたっていなくてもリリースにて書かざるを得なかったのでしょう。もちろん、補助金も関係しています。
製品も建物も技術開発も人材採用も経営立て直しも国や自治体の補助金を使っていますからこのタイミングで出したのは投資家や銀行に対して『前向きにやってますよ!』というアピールでしょうね」
※ ※ ※
まだ、日本全国各地で130台以上のEVMJバスが登録されています。
バス事業者や自治体の担当部署は利権より補助金より「人命最優先」でEVMJバスの運行を考えてほしいと切に思います。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。








































