トヨタの「小さな“2人乗り”FRスポーツカー」!? 全長約4mボディに“170馬力”の「直4」&“6速MT”搭載! 丸目デザイン&迫力エアロもイイ「SF-R“コンバーチブル”」とは
2015年に登場しながらも市販に至らなかったトヨタのスポーツコンセプト「S-FR」。その「続き」を独自の解釈で具現化した、驚きのオープンモデルが存在します。学生の手によって蘇り、モリゾウも認めたカスタムカーとは、どのようなモデルなのでしょうか。
トヨタ会長も認めた! 驚きの完成度とは
2026年2月13日から15日にかけて、インテックス大阪(大阪市住之江区)で西日本最大級のカスタムカーの祭典「大阪オートメッセ2026」が開催されました。
会場では今年も多くのカスタムカーが披露されましたが、これまでの各地の祭典を振り返ると、学生たちの情熱が詰まった忘れられないモデルが数多く存在しました。
今回はその中から、トヨタが2015年の第44回東京モーターショーで発表したコンパクトスポーツ「S-FR」を、オープン仕様として蘇らせた1台に再注目します。
この意欲作「S-FR コンバーチブル」を制作したのは、埼玉自動車大学校のカスタムボディ科の学生たちです。
同校は1945年に創立された歴史を持ち、毎年オートサロンに向けて独創的なカスタムカーを製作してきました。数々の受賞歴を誇る実力校としても、その名は広く知られています。

今回のプロジェクトは、市販化が熱望されながらも“幻”となったS-FRに対し、「トヨタが作らないなら自分たちで作ろう」という学生たちの熱い思いからスタートしました。
さらに、単なる再現に留まらず、S-FRの「続き」をイメージしたオープン仕様として具現化。2015年の発表から時を経ても色褪せないその魅力を、若き感性で現代に蘇らせたのです。
ベース車両には、マツダ「ロードスター(NC型)」が選ばれました。S-FRの持ち味である「コンパクトなFRスポーツ」というパッケージングに最も近く、作業ボリュームも考慮しての採用だといいます。
10名の学生により、夏休み明けから約3か月という極めてタイトなスケジュールの中、このS-FR コンバーチブルは完成へと漕ぎ着けられました。
制作期間中は、10名の学生が班ごとに分かれて効率的に作業を進めましたが、いっぽうの設計変更が他方にも影響するなど、全体のバランス調整に苦労したといいます。
セクション間での微修正が他のパーツのフィッティングに波及するため、粘り強いすり合わせが不可欠な現場だったようです。
エクステリアの最大の見どころは、S-FRの象徴である大型グリルを再現したフロントマスクです。
バンパーなどは学生が木の板でベースを作成した後、FRPを貼り込んでハンドメイドで造形。実車が存在しないため、手作業でパーツを作り上げていく工程で微調整を重ねたといいます。
フロントフェイスを印象づけるヘッドライトには、3代目となるBMW「ミニ クーパー」用を流用しました。2014年に登場した初期モデルの灯体に、マイナーチェンジ後モデルのポジションランプを組み合わせた独自仕様とするなど、既存のパーツを巧みに活用しています。
リアまわりにはダイハツ「キャスト スポーツ」のテールランプを流用し、大型のリアウイングも装備しました。ボディカラーは美しいホワイトパールでオールペイントされ、細部に至るまで妥協のない質感が追求されました。
また、4人乗りのS-FRに対してS-FRコンバーチブルは2人乗りとなっています。
インテリアは、BRIDEのバケットシートや、MOMOのステアリングを採用し、足回りはBLITZの車高調と、WORKのホイールでスポーツ仕様に仕立てられています。低い車高と相まって本格的なライトウェイトスポーツの雰囲気を漂わせており、見る者を高揚させる仕上がりです。
全長約4mという小型サイズを実現したS-FR コンバーチブルのパワートレインとトランスミッションは、ベース車であるNC型ロードスターのものを使用し、6速MTを搭載していました。
最高出力170ps・最大トルク189N・mを発揮する2リッター直列4気筒エンジンは、軽量なボディを軽快に走らせるには十分なスペック。操る楽しさを予感させる構成となっています。
この一台には、特別なエピソードも刻まれました。
初披露となったイベントの会期中、モリゾウことトヨタ自動車の豊田章男会長がブースを直接訪問したのです。会長はその完成度の高さに心を打たれたのか、なんとフロントウィンドウに直筆のサインを残しました。学生たちの熱意が、メーカーのトップに認められた瞬間でした。
会場では、あまりの完成度の高さに足を止める人が続出したほか、SNSなどでは「このままトヨタから発売してほしい」「学生のレベルを超えている」といった絶賛の声が今もなお寄せられています。
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若き才能たちが情熱とチームワークで具現化したこの一台は、単なるカスタムカーの枠を超え、クルマを楽しむことの本質を私たちに改めて示してくれました。
先日開催された「大阪オートメッセ2026」も大盛況となりましたが、こうした学生たちの手による力作は、いつの時代もクルマ好きの心を熱くさせてくれます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。




















































