「絶妙なサイズ」がもう買えない!? “ディーゼル専用車”として誕生した異端児、マツダ「CX-3」が国内向け生産終了! 都会派“コンパクトSUV” 11年の歴史
マツダは、コンパクトSUV「CX-3」の日本国内向け車両の生産を、2026年2月末をもって終了すると発表しました。新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」とデザインテーマ「魂動」を全面採用した第5弾モデルとして、2014年に登場してから約11年。同車の特徴と歴史を振り返ります。
魂動デザインの体現とクリーンディーゼルへの挑戦
マツダは2026年2月5日、コンパクトSUV「CX-3」の日本国内向け車両の生産を、同月末に終了すると発表しました。
CX-3のWEBサイトには、「注文数が上限に達し次第、受注締切となります」「詳細は販売店スタッフまでお問い合わせください」と記載されています。
2014年の鮮烈なデビューから約11年、都市型クロスオーバーの先駆者として独自の地位を築いてきた一台が、ついにその歴史に幕を閉じます。

CX-3は、2014年の「ロサンゼルス オートショー」で世界初公開されました。当時、マツダが進めていた新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」とデザインテーマ「魂動(こどう)」を全面採用した第5弾モデルとして、大きな期待を背負っての登場でした。
開発にあたって、その土台となるプラットフォームには、同社のコンパクトカーである「デミオ」(現「マツダ2」)のものをベースに採用しています。
しかし、単なる派生モデルに留まらず、大径タイヤの装着に合わせた足回りの再設計や、SUVらしい力強いプロポーションを構築したことで、デミオとは一線を画す上質なパーソナルカーとしての骨格を手に入れました。
2025年2月の発売当初、国内市場において「クリーンディーゼルエンジン専用車」としてスタートを切った点も大きな衝撃でした。1.5リッターの「SKYACTIV-D 1.5」を搭載し、コンパクトな車体からは想像できない力強いトルクと優れた燃費性能を両立させました。
デザイン面においても、SUVらしい力強さを持ちながら、都会の景色に溶け込むエレガントなプロポーションを実現しました。ロングノーズ&スモールキャビンの洗練されたバランスが目を引きます。
ボディサイズは全長4275mm×全幅1765mm×全高1550mm、ホイールベースは2570mm。全幅を抑え、全高を多くの立体駐車場に対応する高さに設定したパッケージングは、都市部での扱いやすさを重視するユーザーから熱烈な支持を集めました。
●絶え間ない刷新とガソリンモデルの導入による深化
デビュー後のCX-3は、マツダの「常に最新の技術を顧客に届ける」という方針のもと、幾度となく商品改良を重ねてきました。
2017年には、ユーザーの選択肢を広げるために2.0リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」を追加設定。これにより、ディーゼルの力強さだけでなく、ガソリン車特有の軽快な走りも楽しめるようになりました。
さらに2018年の大幅改良では、エンジンの排気量アップや静粛性の向上、電動パーキングブレーキの採用など、目に見えない部分まで徹底したブラッシュアップが図られました。
2020年には、より身近な選択肢として1.5リッターガソリンモデルを投入。時代とともに変化するニーズに柔軟に応え続け、単なるエントリーモデルではない「上質さ」を極めていきました。
●次世代へのバトンタッチと生産終了の決断
しかし、自動車業界を巡る環境は急速に変化しました。マツダのラインナップには、より新しく広い室内空間を持つ「CX-30」や、大型プラットフォームを採用した新世代SUV群が登場し、CX-3の立ち位置は徐々に変化を余儀なくされました。
また、最新の安全基準やサイバーセキュリティ法規への対応、そして電動化へのシフトという大きな波が押し寄せるなか、長きにわたって現役を続けたプラットフォームも、ついにその役割を終える時が来ました。
国内生産の終了は、マツダが掲げる次世代の小型SUV戦略や、資源の最適化を見据えた前向きな決断といえるでしょう。
CX-3が駆け抜けた11年は、日本の路上に「美しく、意のままに操れるコンパクトSUV」という新しい価値を定着させた時間でした。そのスタイリッシュな外観と、細部までこだわり抜かれた上質なインテリアは、今なお色褪せることはありません。
近いうちに最後の一台が送り出され、CX-3の国内モデルとしての歩みは止まります。しかし、この車が示した「サイズに妥協しない質感」と「運転する楽しさ」というDNAは、今後登場するであろう次世代のモデルへと確実に引き継がれていくはずです。
Writer: くるまのニュース編集部
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