人気は高いが台数減…大衆車は5ナンバーから軽の時代? 排気量課税でも3ナンバーとの区分もなぜ残る?

売れているのは5ナンバー車 しかし台数は減少

 売り上げの面では、5ナンバー車、3ナンバー車でどのような違いがあるでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している、2018年1~6月における乗用車の通称名別売り上げ順位(軽自動車を除く)を見ると、1位「ノート」、2位「アクア」と、トップ10は軒並み5ナンバー車です。手頃な価格のコンパクトカーだけでなく、4位「セレナ」、6位「ヴォクシー」、7位「シエンタ」というように、5ナンバーサイズのミニバンも売れています。

 コンパクトカーは必然的に5ナンバーになるケースが多いですが、ミニバンの場合は、あえて5ナンバーにこだわって作られている車種もあります。たとえば「ステップワゴン」についてホンダの担当者は、女性ユーザーなどに「取り回しのよさ」を視覚的に実感してもらえることから、5ナンバー規格を標準としていると話していました。

ホンダ「ステップワゴン」。ノーマルモデルは5ナンバーだが、「SPADA」モデルになると全長が4700mmを超え3ナンバーに分類される(画像:ホンダ)

 一方、前出の自販連による2018年1~6月の売上ランキングを見てみると、3ナンバー車は3位に「プリウス」がラインクイン。10位以内ではこれだけですが、11位に「C-HR」、14位に「ヴェゼル」と、徐々に3ナンバー車が増え、50位まで見れば約半数に達します。

 各ナンバーの登録台数という点では、別の傾向が見られます。自動車検査登録情報協会(東京都千代田区)によると、5ナンバーの小型乗用車は2008(平成20)年3月末時点で約2471万台だったのが、2018年5月末には約2057万台に減少(営業用車含む。以下同)。一方で3ナンバーの普通乗用車は、同期間で約1676万台から約1892万台に増加しているのです。ちなみに、(5ナンバーの)軽自動車については、同期間で約1608万台から約2220万台に増え、普通乗用車、小型乗用車の台数を上回っています。

 昔は5ナンバーにこだわってクルマを作っていたものの、最近はそれほど強いわけではない――ホンダの担当者は以前このように話していました。近年は、コンパクトカーに近い車種ですら、幅が広がり3ナンバー化するケースも増えています。5ナンバーに抑えることで取り回しの良さを視覚的にアピールできるというミニバンのような例はあるものの、やはり、5ナンバーへのこだわりはメーカー、ユーザーとも希薄になっているのかもしれません。

 ちなみに、小型乗用車の分類番号には、じつは700番台(7ナンバー)も割り当てられています。全国自動車標板協議会によると、これはもともと3輪乗用車の分類番号だったのが、登録台数の減少により小型乗用車に当てられるようになったのだとか。任意の一連指定番号(大きな4桁数字)を選べる「希望ナンバー」で500番台の分類番号との組み合わせを使い切ると、700番台が使用されます。なお、4ナンバーの小型貨物車にも同様に、600番台(6ナンバー)が割り当てられています。

【了】

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