トヨタの「6速MT“高性能”FRセダン」が魅力的! 超パワフルな321馬力「V6のNAエンジン」に“走り特化型強化ボディ”採用! 今も人気の「マークX」に設定された「GRMN」とは
今でも根強いファンを持つトヨタのミドルサイズセダン「マークX」ですが、実は「6速MT」を搭載する特別モデルが存在しました。
「FR+V6エンジン+MT」という黄金の組み合わせ
高級感と居住性を備えつつ、魅力的な存在感を放つミドルサイズセダンの中でも、トヨタの「マークX」は優れた動力性能で知られ、生産が終了した現在でも多くのファンを持つモデルです。
そんなマークXには、実は「6速MT仕様」という幻のモデルが存在していました。この特別なクルマは、いったいどのような特徴を持っていたのでしょうか。
マークXの歴史は、トヨタの中核セダンである「マークII」に端を発します。
マークIIは、トヨタの旗艦高級車「クラウン」とベーシックモデル「コロナ」の間に位置づけられるモデルとして、1968年に誕生しました。
以降、トヨタのラインナップにおける主力車種として長い歴史を刻み、販売チャネルの異なる姉妹車「チェイサー」「クレスタ(ヴェロッサ)」とともに、セダン市場を支え続けてきました。

1980年代に登場した5代目(70系)および6代目(80系)は、贅沢な作りと高い品質を誇り、バブル経済の追い風もあって大ヒットを記録。いわゆる「ハイソカー」の代表格として広く支持されました。
また、この世代からは高出力ツインターボエンジンを搭載する「GT」グレードが設定され、後に「ツアラー」と名称を変えつつ、ミドルサイズながらスポーツカー並の動力性をもつスポーツセダンとしての個性を確立。
7代目(90系)や8代目(100系)のツアラーグレードは、今なお熱烈な支持を得ています。
そして2004年、マークXが登場しました。
「X」の名が示す通り、マークIIシリーズの10代目に当たりますが、FRセダンとしての本質を見つめ直し、古いデザインやパッケージングを刷新。若々しいスタイリングと向上した安全性を備えていました。
2009年には2代目が発表され、スポーティな特性がさらに洗練されるとともに、デザインも精悍でダイナミックなものへと一新。3.5リッターのV型6気筒DOHCエンジンや6速ATを搭載し、「本格FRセダン」としての個性を強調しました。
その後、2度の大幅なマイナーチェンジを実施し、デザインを更新するだけでなく、先進運転支援システム「トヨタセーフティセンス」の導入やレーダークルーズコントロールの装備など、先進・安全装備の充実も図られています。
一方で、セダン人気の低迷やSUV需要の高まりを背景に、2代目の後期には徐々に人気が陰り始めます。2019年12月、トヨタはマークXの生産終了を発表し、51年の歴史に幕を下ろしました。
このようなマークXですが、スポーティさを追求した2代目では、様々な特別仕様車や限定車が展開されました。
その中でも、2015年6月に登場した「マークX GRMN」は、TOYOTA GAZOO Racingが開発した100台限定のモデルで、専用の内外装に加え、足回りの強化や徹底した軽量化が図られています。
そして、このマークX GRMNの最大の特徴は、通常モデルにはない6速MTを採用していたことです。
マークIIでは歴代モデルすべてにMT車が設定されていましたが、2004年にマークXへと改名されてからはMT車の設定がなく、マークII最後のMT搭載モデルである「iR-V」グレード(JZX110型)から約10年ぶりの復活となりました。
さらに、MT搭載に合わせて、サイドブレーキが足踏み式から手引き式に変更され、ペダルレイアウトも3ペダル操作に適したものへと修正されています。
321馬力を発揮するV型6気筒自然吸気エンジン「2GR-FSE」と組み合わされ、優れたハンドリング性能を楽しめるセッティングとなっていました。
このほか、専用サスペンションやボディ剛性強化、専用トルセンLSDの採用、CFRPルーフの装備、アグレッシブな前後エアロパーツなどを特徴としています。内装も専用メーターやウルトラスエード、専用シートを採用し、特別感を演出していました。
当時の価格(消費税込)は540万円。ベースとなった「350S」より170万円高い設定でしたが、そのクオリティを考えればバーゲンプライスと言えるほどでした。
さらに2019年、2度目のマイナーチェンジを受けたマークXをベースに、再びマークX GRMNが設定されました。「FRセダンのマニュアル車」を求める強い声に応える形で、さらなるチューニングが施され、生産台数も350台に増加しています。
パワートレインは、エンジンの出力特性を専用チューニングで最適化し、MTとの相性を向上。リアデフのギア比も変更され、操作系のチューニングも実施されました。
また、2015年モデルでも補強用ブレースやドアスタビライザーの追加によるボディ剛性向上が図られていましたが、2019年モデルでは、トヨタの元町工場でボディに252か所ものスポット溶接を追加。さらなる剛性アップが実現されています。
このほか、専用4本出しマフラーや19インチのBBS製鍛造アルミホイール、専用のカーボン&ピアノブラック加飾パネルを装備し、特別感と走りの楽しさを表現していました。
当時の価格(消費税込)は513万円。ベースモデルの「350RDS」より130万円ほど高い設定でしたが、すぐに完売となりました。
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現在では非常に貴重な「FRセダンのMT車」という特性を持つマークX GRMNですが、大手中古車サイトでは約600万円から700万円程度で販売されており、すでにプレミアがついているようです。今後さらに価値が上昇する可能性も考えられます。
ちなみに、日本のモータースポーツの聖地として名高い国際サーキット 富士スピードウェイ(静岡県小山町)にある実践型安全運転講習施設「トヨタ交通安全センター モビリタ」では、試験車両として不定期に2019年モデルのマークX GRMNを貸し出しています。
運が良ければ、マークX GRMNを使用して低ミュー路での横滑り体験や運転技能の向上、安全講習を受けることができるかもしれません。マニュアルトランスミッション搭載のFRセダンを体験できる貴重な機会といえるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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