ヤマハ斬新「ちいさな“2人乗りスポーツカー”」がカッコイイ! 全長4m“めちゃ軽量ボディ”×「豪華内装」採用! “バイク風の専用デザイン”がユニークで運転楽しそうな「スポーツライドコンセプト」とは?

ヤマハ発動機が「もしヤマハがスポーツカーを創ったら」という発想から生み出した「スポーツライドコンセプト」は、二輪の技術と思想を四輪に注ぎ込んだ意欲作です。軽量・高剛性構造や独創的なデザインで話題を集めたこのクルマは、なぜ市販化に至らなかったのでしょうか。その挑戦と挫折の軌跡を振り返ります。

ヤマハが本気で描いた「四輪の夢」

 ヤマハ発動機が「もしヤマハがスポーツカーを創ったら」というテーマのもとに開発した「スポーツライドコンセプト」は、2015年10月に開催された「第44回東京モーターショー」で世界初公開された2シーターのスポーツカーです。

 二輪車メーカーとして培ってきた知見を四輪に注ぎ込んだこのコンセプトカーは、ヤマハらしい発想による「LIVE & RIDE感」を盛り込んだデザインコンセプトモデルとなっています。

 スポーツライドコンセプトは、2013年第43回東京モーターショーで発表された「MOTIV(モティフ)」のスポーツタイプとして位置づけられています。

 開発には、F1マシンの設計で知られるゴードン・マレー・デザイン社が関わり、軽量かつ高剛性をうたう「iStream(アイストリーム)」構造を採用しました。

 これは、鋼管パイプとコンポジットパネルを接着によって組み合わせる基本骨格の考え方で、車両重量を約750kgという軽さに抑えるとともに、前後重量配分の最適化とダイレクト感のあるドライビングフィールを実現しています。

レザー張りの豪華内装も魅力!
レザー張りの豪華内装も魅力!

 ボディサイズは全長3900mm×全幅1720mm×全高1170mmと、非常にコンパクトなプロポーションです。

 外装デザインには「エレメンタリズム」の思想が貫かれています。これは、各部品が完成された造形を持ちながらも、全体として調和するという考え方で、ヤマハのモーターサイクルが持つ「個と全」の融合した美を表現するものです。

 キャビン周りは、モーターサイクルのタンクとカウルのように、独立したキャビンと前後カウルが一体感のあるシルエットを形成しています。

 ヤマハのフラッグシップバイク「YZF-R1」を彷彿とさせるLEDヘッドライトや、センターアップレイアウトとする特許技術のナノ膜処理が施されたマフラーを搭載しています。

 インテリアにも軽量かつ高剛性なフレーム構造を取り入れ、人が触れる部分を革張りとした独自のインパネ構造を採用しています。

 スキン(外板)がストレスを受けないフレーム構造を前提に、ルーフ、左右ドア、フロアには透過素材を採用し、大地を駆ける臨場感を演出しています。

 また、シンメトリックな視界もモーターサイクルの走りを支える重要な要素として取り入れられ、左右対称のデザインと構造でドライバーズシート周りがまとめられています。

 特筆すべき点として、ヤマハ楽器から着想を得たカーリーメイプルのトップケースが挙げられます。

 ギターに用いられるサンバースト塗装を施したうえでスピーカーを内蔵し、同じルーツを持つヤマハブランドならではの遊び心が感じられます。

 スポーツライドコンセプトは、2015年に「日本カーデザイン大賞2015-2016」のコンセプトカー部門で「ゴールデンマーカートロフィー」を受賞しました。

 当時、自動車がやや「面白みに欠ける存在」になりつつあると言われていた中で、市場に刺激を与える存在になるのではないかと期待されていました。

 しかし2018年12月11日、当時のヤマハ発動機社長であった日高祥博氏(高は「はしごだか)は、新たな中期経営計画の発表会において、四輪車開発の凍結を明らかにしました。

「普通乗用車の領域に我々が事業として進んでいくことは、いったんフリーズ(凍結)する」と語り、2013年の四輪車事業参入表明から約5年を経て、研究の終了を宣言しています。

 凍結の理由は大きく分けて2つあったとされています。第1の理由は技術的な課題で、日高氏は「量産時の技術的な課題の解決が難しいとの結論に至った」と述べています。

 iStream構造は軽量と高剛性を両立する魅力的な手法ですが、少量生産では成立しても、量産ラインにおける品質の安定性や生産効率の確保が難しいことが大きな壁となりました。

 第2の理由は事業性の問題で、「どの地域でどのような車両を提供するかという問いに対してシミュレーションを重ねてきたが、投資額が大きく、回収は非常に難しいだろうという結論に至った」と日高氏は説明しています。

 ヤマハによる市販化は実現しなかったものの、スポーツライドコンセプトが採用したiStream構造の技術は、その後も進化を続けています。

 ゴードン・マレー・オートモーティブ社は、iStream技術を発展させた「iStream Superlight」を開発し、これを「T.50」と「T.33」に採用しています。

 二輪メーカーが四輪スポーツカーに挑戦したという事実そのものが、ヤマハの挑戦的な姿勢を象徴していると言えるでしょう。

 量産化の壁を越えられなかったのは残念ではありますが、スポーツライドコンセプトが示した新たな方向性は、大きな話題を呼びました。

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Writer: 紫苑玲

栃木県在住。新車、軽貨物、車の中古買取相場、テック、金相場などのジャンルで記事を執筆するフリーランスライター。ドライブが趣味。SUVとスポーツカーの2台を使い分け中。自宅前が登山道のため、緊張感がある車生活を送っている。

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