クルマの「ハコ乗り」は違反じゃない? 選挙カーで物議を醸す“シートベルト未着用” 「安全には配慮を」 意外と知らない選挙の特例とは
衆院選2026が始まり、街中では選挙カーが走る光景が増えています。過去には候補者が窓から身を乗り出す「ハコ乗り」姿が物議を醸しています。シートベルト未着用は違反ではないのか、といった疑問の声も上がる中、実は選挙カーには特例が存在します。公職選挙法や道路交通法の観点からその実態を解説します。
選挙期間中の走行ルールと「公職選挙法」の壁、「ハコ乗り」とシートベルト免除の意外な関係
2026年2月8日の投開票日に向け、第51回衆議院議員総選挙がスタートしました。
選挙戦が本格化する中、SNS上では候補者が走行中の選挙カーでシートベルトを着用していない様子について、物議を醸しています。
「これは交通違反ではないのか」「危険な行為だ」といった指摘が寄せられる一方で、選挙活動における特殊なルールを巡り、インターネット上では様々な議論が交わされています。
今回は、選挙カーにまつわる交通ルールの実態について、解説していきます。
現在、全国各地で候補者が選挙カーでの巡回をおこなっていますが、実はこの車両には厳格なルールが存在します。
公職選挙法第141条では選挙運動に使用できる自動車の台数が制限されており、選挙管理委員会が発行する証明書の交付を受けなければ使用することができません。
そのため、個人の判断で自家用車に候補者名やポスターを掲示して走行させる行為は、事前の届け出がない限り法令違反となる可能性があるのです。
選挙運動ができるのは、あくまで正式に登録された「選挙カー」に限られます。

また冒頭のシートベルト未着用についてですが、結論から言えば、選挙カーに乗車する候補者や運動員には着用義務が課されていません。
道路交通法施行令第26条の3の2において、選挙運動に従事する者が選挙用車両に同乗する場合、着用義務が免除されると明記されているためです。
したがって、シートベルトをしていないこと自体は直ちに交通違反には当たりません。
しかし、窓から上半身を大きく外に出す、いわゆる「ハコ乗り」については話が別です。
道路交通法第55条では、座席以外の場所に人を乗せて走行することを原則として禁じています。
加えて、各自治体の道路交通規則でも、走行中の車両から身体を出す行為を禁止しているケースが少なくありません。
実際に警察が選挙カーのハコ乗りを取り締まる事例は少ないとされていますが、これは特定の勢力への選挙妨害と捉えられることを避けるためとも言われています。
しかし、走行中に身を乗り出す行為は、電柱などの構造物への接触や落下の危険が伴い、安全上の懸念があることは否定できません。
一部の選挙管理委員会では、こうした事故のリスクを考慮し、候補者に対して身を乗り出す行為を自粛するよう注意喚起を行っている例もあります。
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選挙という特別な期間であっても、道路を利用する以上は交通安全への配慮が不可欠です。
シートベルトの着用が法的に免除されているとはいえ、過度なアピールが事故に繋がれば本末転倒と言わざるを得ません。
各候補者には、法令遵守と安全確保を両立させた、節度ある選挙活動が求められています。













