国産なのに外車!? “広島産”の「“2人乗り”スポーツカー」どんなクルマ? 超パワフルな1.4リッター「ターボ」エンジン&“6速MT”搭載! 独自デザインも素敵なアバルト「124スパイダー」とは
2020年に生産を終了したアバルト「124スパイダー」は、マツダ「ロードスター」と基本構造を共有しながらも、独自のエンジンやチューニングで“サソリの毒”を与えられた特別なモデルです。ND型ロードスターとの違いや、中古車で狙う際のポイントを紹介します。
エンジンもミッションも“別モノ”だった
2020年に生産を終了したアバルト「124スパイダー」は、マツダ「ロードスター」と兄弟関係にありながら、エンジンやトランスミッションに独自の装備を与えられた“サソリの毒”を持つ1台です。
広島でND型ロードスターと同じ工場にて生産されていたアバルト124スパイダー。その最大の違いは、搭載されるエンジンにあります。
ロードスターが最高出力131馬力(登場当初)を発生する1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載していたのに対し、アバルト124スパイダーはフィアット製の1.4リッター直列4気筒ターボエンジンを採用。最高出力は170馬力を発揮し、ターボらしい力強い加速フィーリングを実現しています。

トランスミッションも異なります。ND型ロードスターは4代目モデルですが、アバルト124スパイダーに搭載されているのは、3代目であるNC型ロードスター用のものです。
これは、トルクフルな1.4リッターターボエンジンに対応させるための選択で、2.0リッターエンジンを搭載していたNC型のミッションが採用されました。なお、NC型ロードスターの最高出力も170馬力でした。
このミッションの違いにより、フロア形状も若干変更されています。運転席に座ると、シート前方が膨らんでいると感じるのがアバルト124スパイダーの特徴で、ND型のボディにNC型のミッションを収めたことによるものです。
エクステリアは、往年のフィアット「124」をオマージュしたデザインが与えられ、ND型ロードスターとは大きく異なります。その影響で、ボディサイズは全長で145mm、全幅で5mm、アバルト124スパイダーの方が大きくなっています。
フェンダーラインも手間をかけて変更されており、兄弟車でありながらも、フィアットブランドらしさと“124らしさ”を徹底的に追求したデザインとなっています。
このボディサイズの違いが生む意外なメリットが、トランク開口部の大きさです。わずかな差ではありますが、アバルト124スパイダーの方は開口部が広く、利便性が高くなっています。
現在の中古車相場は、平均で約384万6000円。登場当時の新車価格(消費税込み)が約400万円だったことを考えると、値落ちの少ないモデルといえるでしょう。
年次改良による大きな仕様変更はないため、年式よりも個体の状態やボディカラーの好みで選ぶのがオススメです。
中古で購入する場合は、クルマ選びだけでなくショップ選びも重要です。広島生産のため他のフィアット系モデルより信頼性は高いものの、初期型はすでに10年近くが経過しています。
このクルマはマツダとアバルトの合作であるため、故障時にロードスター用パーツが使えるケースも多くあります。しかし、知識のないショップではアバルト品番で部品を発注され、高額な請求や長い納期が発生することもあります。
「ここはロードスターの部品が使える」といったノウハウを持つショップを選ぶことが、長く付き合うための最大のポイントです。
ロードスターと似て非なるからこそ味わえる面白さ。その魅力を最大限に楽しむためにも、“似て非なる”を知り尽くしたショップを見つけることが重要といえるでしょう。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。





































