「走行中に異音」 “冬タイヤ脱落”事故相次ぐ! 「氷がぶつかった音」と思い走行を続けるケースも! 脱落を防ぐために注意すべきことは?
北海道で冬タイヤの脱落事故が相次いでいます。共通するのは、走行中に「異音」を感じながらも「氷がぶつかった音」と思い込み、走行を続けたケースが多い点です。脱落は命に関わる重大事故に繋がる恐れがあります。事故を防ぐための予兆の捉え方や、警察が推奨する「増し締め」の重要性とタイミングを解説します。
警察はタイヤ交換後の「増し締め」を推奨! そのタイミングは?
北海道において、走行中の車両からのタイヤ脱落事故が相次いで発生しています。北海道警では事故防止のため、異音が発生した際の運転中止やタイヤ交換後の「増し締め」などを呼びかけています。
2026年1月21日の午後5時すぎ、札幌市厚別区の市道において、30代の女性が運転する軽乗用車から左前のタイヤが脱落する事故が発生しました。
警察によると、女性がクルマを運転中に異音がして車体が傾いたことから、クルマを停車して確認したところ、左前のタイヤが脱落していたということです。脱落したタイヤはそのまま歩道の雪山にぶつかって止まり、タイヤ脱落によるケガ人はいませんでした。
運転手の女性は「昨年の11月くらいに自分でタイヤ交換をした。タイヤが外れる前にガタガタと音がしていたが、氷がぶつかった音だと思っていた」などと話しています。
同様の事故は北海道内で相次いでおり、2026年1月17日の早朝には旭川市内の市道において、50代の女性が軽乗用車をバックさせた際、左前タイヤが脱落する事故が発生しました。外れたタイヤはその場で止まったため、ケガ人は出ませんでした。
女性によると、このクルマは昨年10月に自身でタイヤ交換をしたうえ、12月には車検に通っていたということです。また走行中に前輪から音がしていたものの、女性は「氷がついていると思い、気にしていなかった」と話しています。
そして2026年1月14日の午前10時50分頃にも北広島市の市道において、走行中の普通乗用車から左前タイヤが脱落する事故が起きています。クルマを運転していた女性は当初、タイヤが外れたことに気づかず、100mほど走行していました。
このクルマのタイヤに関しては昨年11月頃、業者に依頼して冬タイヤに交換していたということです。女性はタイヤが外れる前の状況について「カタカタという異音がした」と説明しています。

このようにクルマの異音はトラブルを知らせる重要なサインですが、雪国での走行では、車体に氷が付着することによって発生する音だと勘違いしてしまうケースがあります。
北海道警はタイヤの脱落事故防止に関して、「運転中にタイヤ周辺から異音がする場合は、運転を継続することなく、安全な場所で停止しましょう。停止後は、ナットの緩みがないか等確認し、原因がわからない場合は、自動車のディーラー等に連絡しましょう」と注意喚起しています。
加えて北海道警は、タイヤ交換後の「増し締め」を推奨しています。増し締めとは、タイヤ交換後やホイール脱着後に、走行による振動や熱で緩んだ可能性のあるホイールナットを、規定トルクで再び締め直す作業のことをいいます。
北海道警は増し締めのタイミングについて、タイヤ交換後、50km~100km走行後を目安としたうえで、「タイヤ交換をご自身で実施した場合でも、お店で実施した場合でも増し締めをしましょう」と呼びかけています。
業者でタイヤ交換をしたからといって「絶対に安全」というわけではないため、ドライバー自身がタイヤの状況のほか、クルマに異常がないか日常的に点検をするべきでしょう。
なお、クルマの規定トルク(ホイールナット締め付けトルク)は車種によって異なります。クルマの取扱説明書で確認のうえ、増し締めをおこなうことが大切です。
そのほか個人でタイヤ交換をおこなった際に、ホイールナットを間違った向きで取り付けてしまう事例も散見されます。ホイールナットの向きが間違っているとホイールが傷付くおそれがあるほか、最悪の場合タイヤが脱落する可能性もあります。
ナットの丸みを帯びている側を内側にしての取り付けが正しい方法であるため、ドライバー自身でタイヤ交換をおこなう際は、その点にも気をつけましょう。
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2023年11月には、札幌市西区の道路において、運転中の不正改造車から左前タイヤが脱落し歩道を歩いていた女児を直撃、女児が意識不明の重体となる痛ましい事故も発生しています。
タイヤ脱落は状況によって重大な事態を招くおそれがあり、各ドライバーが点検の重要性を認識したうえで、事故防止対策を講じていくことが必要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。


















