踏切でクルマと電車が「衝突」! 過失往来危険容疑でドライバーを書類送検 同様の事故は複数発生! 一番多い“原因”は?
2025年11月、兵庫県加古川市内の踏切で快速電車と乗用車が衝突した事故について、兵庫県警は乗用車を運転していた男性を過失往来危険罪の容疑で書類送検しました。踏切への無理な進入には注意が必要です。
無理な踏切内への進入は「交通違反」です!
2025年11月、兵庫県加古川市内にあるJR神戸線の踏切で発生した快速電車と乗用車の衝突事故について、兵庫県警は2026年1月14日、電車の運行に危険を生じさせたとして、乗用車を運転していた同市内の75歳の男性を過失往来危険罪の疑いで書類送検しました。
この事故は昨年11月20日の午後2時50分頃、男性がJR神戸線東加古川駅から加古川駅の間にある踏切において、遮断機が降りた状態にもかかわらず踏切内にクルマを進入させ、下りの快速電車と衝突したものです。
男性の反対側の踏切で並んでいたクルマのドライブレコーダーには、警報が鳴って遮断機が完全に降りた踏切に男性のクルマが進入する様子が記録されていました。
さらに男性の後方に並んでいた別のクルマのドライブレコーダーには、衝突の直前に男性のクルマのブレーキランプが点灯する状況が撮影されており、男性のブレーキが間に合わなかったものとみられています。
事故の衝撃によりクルマは踏切の西方約40m先に飛ばされ、運転していた男性は胸部や骨盤骨折などの重傷を負いました。なお快速電車に乗っていた約300人にケガはありませんでしたが、上下線61本が運休になったことで約2万6000人の移動に影響しました。
警察の調べに対し男性は、「覚えていません」と容疑を否認しています。また、今回の書類送検に関して警察は、検察に起訴・不起訴の判断を委ねる「相当処分」という意見を付したということです。
このニュースに対してインターネット上では「事故で重症になっているのに、覚えていませんはヤバイな」「高齢者ドライバーだし事故当時の記憶が無いとなると、認知症の恐れもありますよね。免許更新の際の認知機能検査は75歳以上が対象だけど、もう少し引き下げた方が良いかもしれませんね」などの声が寄せられています。

実は上記のように踏切内でクルマと電車が衝突する事故はたびたび発生しており、各ドライバーが注意する意識を持つことが重要です。
内閣府が公表している「令和7年交通安全白書」によると、2024年中は踏切事故218件のうち、自動車との衝突・接触事故が88件発生し、全体の40.4%を占めました。
このような踏切事故の原因はさまざま考えられますが、過去のデータを踏まえると、電車が通過する直前に踏切に進入する「直前横断」によるものが多いとみられます。これは警報機が鳴り遮断機が降りているにもかかわらず無理に踏切内に進入する行為であり、大変危険です。
道路交通法第33条第2項では、踏切の遮断機が閉じようとしているときや閉じている間、警報機が鳴っている間は踏切に入ることを禁止しており、このルールを破れば「遮断踏切立入り」という交通違反に該当します。警報機が鳴り始めたり遮断機が動き始めたときは、絶対に踏切内に入らないようにしましょう。
そしてクルマのエンストや落輪など、何らかの原因で踏切内に「停滞」してしまったことにより事故が起きる場合もあります。
中には踏切の向こう側の道路が渋滞し、前方のクルマが詰まっているのに踏切内に進入したことで、身動きが取れなくなってしまう事例もみられます。踏切の先の状態をよく見て、渡りきれることを確認してから通行することを心がけましょう。
また踏切内で対向車とすれ違う際に落輪が起きる可能性もあるため、すれ違い時はより慎重な運転が求められます。
万が一踏切内でクルマが動かせなくなってしまった場合は、踏切のそばに設置されている「非常ボタン」を押し、必ず踏切の外に避難したうえで鉄道会社に連絡するようにしましょう。
※ ※ ※
踏切においては安全確認をせずノーブレーキで進入するクルマも散見されますが、踏切の前では必ず一時停止をしなければなりません。
自動車教習所では踏切手前でクルマの窓を開け、自分の目と耳で安全確認をすることが推奨されており、事故防止のためにはすべてのドライバーがこのような基本に立ち返ることが大切といえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。




























