走りの日産が復活! 新型スカイラインのハイパフォーマンスグレード「400R」を松田秀士が徹底評価【PR】
しばらく影を潜めていたスカイラインのハイパフォーマンスグレードですが、2019年9月17日にモデルチェンジを施したスカイラインに、新たに「400R」がラインナップされ話題となりました。最高出力405馬力を誇るスカイライン400Rを、レーシングドライバーの松田秀士が徹底評価します。
新型スカイラインにラインナップされた「400R」とHEVモデルの違いとは
2019年9月17日に登場した新型スカイライン。矢沢永吉氏の「どうよ!」のCMで登場したハンズオフ機能が搭載されたHEVモデルが注目されていますが、じつはクルマ好きの話題をさらっているのがハイパフォーマンスグレードの「400R」です。
新型スカイラインにラインナップされたプロパイロット2.0を搭載したHEV(ハイブリッド)モデルは新世代の未来志向セダン。将来の自動運転に繋がる機能を先取りしていて、世界中の自動車メーカーが注目する先進技術なのです。
高速道路でステアリングから手を離しても、クルマがドライバーの運転をアシストして走行を続ける。GPSと精度の高い地図データを活用して自車位置を測定し走るその機能は、日産ならではの素晴らしい技術です。
クルマがドライバーをアシストして疲労を低減することで、今までよりも行動半径が広がり遠くまで旅をする楽しみが満喫できるでしょう。これは転地効果といって、行ったことのない知らない土地で温泉に入ったりすることで健康になれる、という受動的健康効果です。
いっぽうで、400Rはドライバー自身がクルマをコントロールすることで刺激を受けて活性する。つまり、ピュアにドライバーオリエンテッドなモデルなのです。
HEVモデルと同じプラットフォームを採用し、新世代のハンドリングシステムであるDAS(ダイレクトアダプティブステアリング)に専用チューンを施しています。
さらに、米国でも実績のある新開発V型6気筒3リッターエンジンを400R専用にチューニング。ツインターボによってその性能を極限にまで引き出し、その出力は歴代スカイラインとして最高値となる405馬力を発生しているのです。
ただものではない存在感を放つ「400R」
まずはそのスポーティーなエクステリアを眺めてみましょう。丸目4灯になったテールランプはスカイラインの代名詞であり、個人的にはリヤサイドから眺める7:3のリヤビューが大好きです。
400Rのエクステリアはその実力性能からするとかなり控えめです。しかし、見る者が見ればコイツはただ者ではないと思わせるアクセントが随所に散りばめられています。
昔からよく「羊の皮を被った狼」という表現がありますが、400Rからはまさにそんな印象を受けます。でも羊の皮だけでは現代のスポーツモデルとはいえないでしょう。押さえるべきところはしっかりと押さえる必要があるからです。
まずそのことをイメージさせるのがリヤトランクリッドにさりげなくあしらわれた400Rのグレードバッジ。次にガンメタ塗装が施された19インチアルミホイールがシルエットを引き締めています。
ホイールスポークの間からはレッドに塗装されたアルミ製のブレーキキャリパーが覗き、ブレーキディスクも大径化されていることが見てとれます。
次にインテリア。ドライバーズシートに納まると機能性にターゲットしていることが直感できます。フロントウィンドウからサイドガラスに至る視界がとてもクリアなのです。
視界の良さはドライビングをする上でとても重要。コーナリング中もコーナーのイン&アウトをしっかり見渡すことができるようになっています。 ドライビングポジションも十分なストロークのあるチルト&テレスコピック機能によって、体格を選ばないベストなポジションが作れます。
しかもレザーシートの造りはヒップ及びボディーサイドにキルティングステッチが配されたリッチなもの。スポーティーなホールド性を持たせながらも、ずっと座っていたくなるコンフォート性も備えています。
ダッシュパネルやメーター盤は視認性が良く、各スイッチ類の配置と操作性はデザインだけに傾倒しない実用性が高いものとなっています。
専用チューニングのV6 3リッターツインターボエンジンは405馬力を発生
400R最大の魅力は、いうまでもなくスカイライン史上最強(スカイラインGT-R含む)の最高出力を誇る心臓部。新世代「VR型エンジン」となる、400R専用チューニングの3リッターV型6気筒ツインターボエンジン「VR30DDTT」です。
400Rに搭載されたエンジンのベースとなったエンジンは、すでに米国のインフィニティーシリーズに先行採用されていて、このVR30DDTTエンジンはワーズオートワールド誌が主催する「10ベストエンジン2017」にノミネートされたほど実績のあるエンジンです。
400Rではそのエンジンに専用のメーカーチューニングが施されています。まず片バンク3気筒に1つずつ計2基のツインターボを搭載。小径タービン化することで低速域のレスポンスを確保し、2基がけとすることで高速域でもしっかりとパワーを引き出すことを狙っています。
その過給圧は14.7psiと非常に高く、これによって最高出力405馬力/6400rpm、最大トルク475Nm/1600-5200rpmという強力なパワーを引き出すことに成功しています。
過給圧が高いと気になるのがタービンによって圧縮された吸入空気の温度。高ければ空気密度が減少し、さらにノッキングのやデトネーションを引き起こす切っ掛けにもなります。
そこで400Rは、通常用いられる空冷式ではなく水冷式のインタークーラーを各タービンごとに1基づつ採用、それもいち早くシリンダー内部に注入できるようエンジン上部に配置しているのです。
また、このタービンは過給圧コントロールにレスポンスに優れる過電流式の回転センサーを採用していて、タービンの回転限界域まで使い切れる走りに徹した設計なのです。
もう1つ、可変バルブをコントロールするデバイスを一般的な油圧式ではなく、日産の技術が光る新開発の電動式としています。低回転から高回転域まで最適なバルブタイミングを遅れなくトレースすることでレスポンスがさらに向上し、また正確なバルブコントロールが燃費向上にも貢献します。
さらに付け加えると、エキゾーストマニホールドと一体型のシリンダーヘッドを採用していて、軽量化と静粛性、そして低排出ガス化にも貢献しています。