燃料代高騰の今こそディーゼル!? マツダ「CX-60」で燃費テストを実施!約750km走ってみた結果は?【PR】
復路は120㎞/h区間の新東名ルート!ここでのCX-60の燃費は…?
さて、復路のハイライトは新東名高速道路の120km/h区間。超高速巡行時の燃費が気になるところです。
何を隠そう速度と燃費は密接な関係にあり、速度が上がれば上がるほど空気抵抗が増えるので燃費は悪化。ちなみに空気抵抗は速度の2乗に比例するので、速度が1.5倍(80km/hから120km/h)になれば空気抵抗は2.25倍となり、それだけ燃費が落ちるというわけ。だから120km/h区間はどうしても燃費悪化が避けられません。
結論から言えば、新東名高速道路御殿場ジャンクションまでの120km/h区間燃費は19.0km/L。残念ながら20km/Lには届きませんでしたが、とはいえ145kmほどを120km/h巡行してのこの燃費は、ガソリン車や一般的なハイブリッドカーではとても出せない水準。超高速領域でのアドバンテージがあらためてわかりました。
ただ、新東名高速道路の御殿場ジャンクションは標高が高く、ここへ向かってくる燃費は平たん路より悪化する傾向にあります。もし平たん路だけの120km/h区間で計測していたらさらに良好な燃費となったでしょう。
それを証明するかのように、出発してから御殿場まで(688km)の平均燃費は24.6km/Lでしたが、御殿場から山を下って東名高速道路の東京料金所へ到着した時(出発から753km)の燃費は24.9km/Lとわずかながら向上。この24.9km/Lが、東京から名古屋まで120km/h区間も含めてエコランせずに実際に走った往復の燃費(車載燃費計での数値)です。ここまでくると25km/L台に乗せられなかったのは悔しいですが、この高速巡行燃費は驚きの水準と言っていいでしょう。
東京に戻った際のトリップメーターは前回給油時から769kmで、燃料計はまだ半分。給油量はちょうど28.0L(取材時に軽油は155円/L、東京~名古屋を往復した燃料費はわずか4340円!)でした。
ディーゼル車で給油時に泡が多く出ることから完全な満タン計測にはなっていませんが、いずれにせよ、東京から名古屋を往復して750km以上走り、まだガソリンタンク残量がおよそ半分あるのは、にわかには信じられないレベルです。クルマに詳しい編集担当が狐(きつね)につままれたような表情だったのは、ここだけの内緒にしておきましょう。
メーター表示上はまだ550kmの航続距離があるので、高速巡行ならワンタンク(58L)で1300km以上走れる実力が頼もしいですね。
ロングドライブが多い人ほどディーゼル車の恩恵を受ける結果に!
ちなみに出発地である東京都西部の稲城市からセントレア空港まで鉄道で移動すると、ひとりあたり片道約1万2000円。今回は2人で往復したので約4万8000円かかることになります。
しかし、CX-60での移動は、東京駅を出発/到着で考えると有料道路代(ETC利用)は往路の中央道ルートが9740円。復路の新東名→東名経由で8150円。そこに軽油(給油時は155円/L)を28L入れてわずか4340円。合計2万2230円でした。
すなわち、1人移動であっても金額的には割安で、かつ2人での移動なら鉄道利用の約半額。燃料高騰の時代でもお財布にやさしいパワートレインということがよくわかりますよね。
そんなディーゼルは、ロングドライブが多い人ほどメリットを実感できることでしょう。ただ、そうでなくても、燃費の良さに加えて、給油ごとにガソリン車に対して燃料代が安いことを実感できるのはアドバンテージです。
また、燃費がいいのでガソリンスタンドに行く頻度が通常のガソリン車よりも少ないので、手間が省けるのもメリットと言っていいでしょう。このメリットは、ガソリンスタンドに行くのが面倒な人ほど、ありがたみを実感できるのではないでしょうか。
燃費がいいうえに運転が疲れない! 夢のような車がここにはあった
ところで、今回のドライブで改めて感じたことがあります。それは運転が疲れないこと。
よく「大排気量のクルマは高速道路を長く走っても疲れにくい」と言われますが、大排気量ディーゼルで太いトルクを発生するCX-60もまさにそうでした。巡行時の音は静かだし、トルク(ガソリンエンジンだと排気量5.0L級)があるので中央道の上り坂でも粘り強くシフトダウンせずに悠々と巡行するのが印象的でした。
燃費がいいうえに燃料の軽油は単価が安いから経済的。そのうえ走りにもゆとりがある。CX-60はそんな大排気量ディーセルのアドバンテージをしっかり堪能できるクルマです。750km以上走ったドライブで、あらためて実感しました。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。