1本7930円! ミネルバ「オールシーズン マスター」は「安かろう想像よりずっとよかろう」の超お買い得オールシーズンタイヤだ!【PR】
聞き慣れない海外メーカーのオールシーズンを名乗るタイヤで、しかも激安ときたら不安が先立つかもしれません。しかし、ミネルバの「オールシーズン マスター」を実際に走らせてみると、そうした不安をすっかり払拭してくれるタイヤでした。
昨今の「格安オールシーズンタイヤ」を侮るなかれ!
近頃の輸入タイヤ、とりわけ聞いたことがなかったようなブランドの、「安っ!」と思わず声が出ちゃうほどリーズナブルな価格で販売されているタイヤに、立て続けに驚かされています。
もともと技術力を持っているブランドだったのか、技術力が進化したのか、または輸入元が厳選しているのか、あるいは僕(嶋田智之)が知らなかっただけなのか。おそらくそのすべてなのかもしれませんが、昔だったら何も考えずにスルーしていたのに、今ではあっさり無視することなんてできないな、とすら感じています。そしてまたひとつ、「ううむ……」と唸らされるタイヤを体験してしまいました。
ミネルバのオールシーズンタイヤ「オールシーズン マスター」です。
このブランド、皆さんは御存知でしたでしょうか。恥ずかしながら、僕はタイヤのブランドとしてはまったく知りませんでした。ただし、かつて存在していた自動車メーカーに「ミネルバ」があったことは知っていました。調べてみると、タイヤブランドのミネルバもその自動車メーカーがルーツになっているようです。
「ミネルバ」は世界的な超高級車ブランドがルーツ!
知恵の女神、芸術の女神、戦いの女神としてローマ人たちに信奉された「ミネルヴァ」の名前が、自動車もしくは自動車関連の歴史に初めて登場するのは、1897年のベルギーでのことでした。自動車メーカーへと発展する以前、自転車づくりからスタートしたこのブランドの、それがルーツです。
オートバイの原形といえる、自転車のフレームにクリップオン型のエンジンをつけたまさに“モーターサイクル”と、そのエンジンキットを製造し、とりわけキットを世界中に輸出することで大きくなったミネルバは、1904年から自動車の生産に力を入れはじめます。
ミネルバがとりわけ力を入れていたのはいわゆる高級車で、世界的にも高い評価を得ていました。ロールスロイスの創業者のひとりであるチャールズ・ロールスが、創業前に英国でミネルバの販売を手掛けていた、などというところからも、当時の評価が推測できるでしょう。
初期はベルギーやノルウェー、スウェーデンの国王、かのヘンリー・フォードといった人たちが顧客となって、第1次世界大戦後には欧米の政治家や実業家、ムービースターたちが購入するようになる、そんな存在でした。ポッと出のブランドではない、ということですね。
タイヤブランド「ミネルバ」と「オールシーズン マスター」のはじまり
タイヤに関しては、1992年にコンチネンタル社がプライベートレーベルとして「ミネルバ」の名を冠したブランドのタイヤをリリースしたところから始まっています。以来、この30年の間に夏タイヤ、冬タイヤ、スポーツ系、コンフォート系、商用車用、ランフラット、そして今回のオールシーズンと、様々なタイヤを開発、販売してきました。
2023年現在では年間300万本以上のタイヤを生産し、50か国を軽く越える国々で展開している国際的なブランドへと発展しています。日本ではだいぶマイナーだったというだけのこと、欧州や北米ではよく知られた存在のようで、現地のユーザーレビューなどをチェックしてみると評価も高く、性能や品質のわりにはコストが安上がり、という声も多かったです。
オールシーズンマスターは、オートウェイで2021年から販売されているミネルバのオールシーズンタイヤです。
これがまた強烈にリーズナブルな価格で販売されていて、今回の205/60R16サイズだと送料税込で1本7,930円(※1)です。
そうなると「安かろう悪かろう」という言葉が浮かんで来るかもしれませんが、はたしてどうなのでしょうか。ということで、都内から長野の雪山までの往復600kmほどを走ってきました。
(※1)2023年2月現在の価格です。価格は時期により変動します。
ミネルバ「オールシーズン マスター」まずは見た目をチェック
東京を出発する前に、今回の旅の相棒となるトヨタ「ヴォクシー」が履いている205/60R16サイズのオールシーズン マスターを観察してみました。
パッと見、トレッドの部分がV字のシェイプを基礎として構成されていることがわかります。オールシーズンタイヤのひとつの主流、といえるでしょう。V字のブロックで雪にしっかりと噛みつくのと同時に、そうしたコンディションでもちゃんと舵を効かせるための設計です。
そのV字の溝の部分はショルダーに向かって伸びていき、何かに塞がれることなくそのまま横方向に抜けています。オープンショルダーといわれるデザインです。これはもちろん排雪性、排水性を高めるためのものになります。溝もそこそこ深いので、排出量も多そうです。
路面と接する面の中心あたりで溝が縦方向にクロスしているのは、タイヤが滑る原因となる水の膜を壊して排出させるためのものでしょう。
サイプと呼ばれる表面の細かな切れ込みの量が多く密度が濃いのは、凍結路でタイヤを密着させて摩擦力を高めるのに役立ってくれるはずです。ブロックの間隔が一定じゃなく刻まれているのはバリアブルピッチと呼ばれるやり方で、これはノイズを低減させるための設計です。
そしていうまでもなく、マッド&スノーはもとより、冬用タイヤ規制をクリアできるスノーフレークのマークも刻まれています。
「オールシーズン マスター」で高速道路を走ってみると…?
……が、タイヤはすべて黒くて丸いもの。見ただけではっきりわかることは、そう多くありません。高速道路へと向かう都内の道で最初に感じたのは、乗り心地が思いのほかいいということでした。
硬いか柔らかいかと問われたら、ほんの少し硬めという印象ではありましたが、通常の夏タイヤでもこのくらいの硬さのタイヤはいくらでもあるでしょう。またドライの一般道では、ノイズや操舵感などに気になるようなことは何ひとつありませんでした。
高速道路にすべり込んでみると、一般的な夏タイヤにまったく遜色のない安定感です。直進性も当たり前のようにいいし、レーンチェンジのときにもステアリング操作に対して自然に素直に動いてくれて、不安もなければ不満もありません。
速度域が高くなると、一般道では意識することのなかったロードノイズが耳に入ってきます。が、うるさいだとか耳障りだとか、そういうレベルではありません。
というか、これもやっぱり「このくらいのタイヤはほかにたくさんあるよな」という感じです。僕はこうしたテストのときにはオーディオをオフで走るのが常なのですが、音楽を軽く流したりラジオをかけたりすれば忘れてしまう程度、です。
速度域の高い走行での乗り心地は、やっぱり若干ながら硬めに感じられるときがあるのですが、例えばスタッドレスタイヤで感じることがある、路面と接するあたりでタイヤの表面がクニャクニャ動くようなフィーリングと較べたら段違いにスッキリしています。
200kmを越える長距離の高速移動のあいだ、巡航時はもちろん追い越しのときの一段階速いスピードでもずっとリラックスしたまま、予想していた以上に疲れ知らずでした。
ワインディング路では素直でしっかりと手応えのある操舵フィールを実感
目的の雪山に最も近いインターチェンジで高速道路を降りてしばらく走ると、ルートは次第に右へ左へとうねるようになっていきます。ドライのワインディングロード、です。
昔のオールシーズンタイヤでは、まっすぐ走ってくれないうえに曲がり方もだらしない、というような印象を持った人もおられることでしょう。が、いまどきのオールシーズンタイヤに、そうした不満を覚えるものはそれほど多くないと思います。
オールシーズン マスターも同様で、きっちりグリップして素直に曲がってくれます。ステアリングの操舵感も、何かが悪化しているような気配はなく、操作や気持ちに動きが遅れることもありません。
クルマがミニバンなので攻め込むような走り方はしませんでしたが、コーナーの曲率に対してややオーバースピードめにアプローチしてみても、少しも不安感は生じませんでした。
しっかりグリップして、重心の高い車体を綺麗にロールさせて、コーナーをクリアしてくれるのです。
[Text:島田智之 Photo:土屋勇人]