全長4m以下で“6人”乗り!? ホンダの斬新「めちゃ小さい”ミニバン”」! 便利すぎる「“観音開き”スライドドア」採用の「W.O.W」とは
2005年の東京モーターショーで、ホンダはコンパクトミニバン「フリード」を思わせるミニバンのコンセプトカー「W.O.W」を発表しました。しかも開発テーマは愛犬とのモビリティライフでした。どのようなクルマだったのでしょうか。
全長4m以下で“6人”乗り!?
家族のような存在として、多くの人に愛されるペット。2024年の統計では、日本で飼われている犬は約680万頭、猫は約915万頭にのぼります。
なかでも、一緒に散歩やお出かけがしやすい犬はクルマとの相性も高く、近年ではペット業界や自動車業界が愛犬とのドライブグッズを販売しているほか、愛犬と乗る視点からクルマ選びをする人も増えています。
自動車メーカーでは、特にホンダが愛犬とのカーライフを支える活動を2001年から続けており、2005年からは「Honda Dog」を始動。愛犬家からの要望に応えたホンダ車向けの純正アクセサリーの開発。専用サイトでは、愛犬とのお出かけ情報やサービスエリア・パーキングエリア情報、愛犬家目線で見たホンダ車の紹介などを発信しています。
そのHonda Dogは、2005年10月に開催された「第39回東京モーターショー」に愛犬と一緒の新しいモビリティライフを提案するコンセプトカーの「W.O.W(ワウ)」を参考出品しました。
全長3980mm×全幅1720mm×全高1680mmのコンパクトなミニバン型ボディは、2680mmという長いホイールベースと、ホンダが得意とする低床化技術により広い室内空間を確保。
通常は前後2列の4人乗りですが、リアシートをスライドすると床下に収納されたエクストラシートが出現。3列6人乗りを可能としたほか、エクストラシートのシートバックと座面のパッドを起こすことで、中型犬まで乗せられるセンタークレートを作る「4人乗り+ワンモード」を生み出すことができました。

ドアにも大きな特徴がありました。リアスライドドアのミニバンは珍しくありませんが、ワウではフロントドアもスライド式で、どちらも電動式とされていました。
センターピラーは残りましたが、広い開口部によって子供からお年寄りまでラクに乗り降りができる優れたアクセス性を備えていました。
リアにも一工夫があり、跳ね上げ式のハッチゲートではなく、7:3で分割する観音開き式のテールゲートを設置。センターウォークスルーが可能なリアシートと、ルーフのセンターのみ高さを増した凸断面構造により、リアから乗り込んでも運転席・助手席へと容易に移動ができるようになっていました。
インテリアのテーマは「テラスデッキ」とされ、ウッドフロアの採用などにより自然基調のナチュラルで心地よい雰囲気に仕立てられています。
一方でダッシュボードをはじめとしてインテリア全体に異素材を組み合わせることで先進感も表現。愛犬と快適に過ごせる空間を徹底的に追求していました。
また、助手席前のリッドを開けると、フロントとサイドをメッシュ加工して通気性を確保した小型犬用のインパネクレートを装備。愛犬も安心して移動を楽しめる、と謳われていました。
ワウは完成度の高いコンセプトカーでしたが、そのままのコンセプトやデザインを実現したモデルでの市販化には至りませんでした。
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しかしワウ発表後の2008年5月、ホンダはコンパクトミニバンの「フリード」を発売しました。
車体の大きさに違いはあれど、スタイリッシュなワンモーションフォルムのエクステリアやコンパクトボディで実現した3列シート、そして低床化技術などにワウの面影が感じられます。
フリードよりも短い全長4m以下のミニバンとして、ワウは今なお訴求力を持っているのではないでしょうか。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。





























































