新生「日産GT-R(R35)」はスカイラインとは別の道へ スーパーマシンへの歩み

世界に誇る「GT-R」ブランド。「スカイライン」と別の道を歩み始めたこのモデルはどのような経緯で誕生し、これからどんな進化をするのでしょうか。

スカイラインの名が付いていない「GT-R」

 2007年12月、新生「GT-R(R35)」の販売が開始されます。開発発表から7年、モーターショーで公開してから6年の月日が流れての登場です。この新生「GT-R(6代目)」からは『スカイラインのいちグレード』ではなく、独立した「GT-R」という車種名になりました。

GT-Rのアイデンティティでもある丸型テールランプ

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 新生「GT-R(6代目)」は、初代「スカイラインGT-R」から数えると6代目という言い方もできます。車両形式も「R35」となっているほか、外見の丸型テールランプが何よりの「スカイライン」から継続したモデルであることを主張しています。

 一方で、これまでの「スカイラインGT-R」の伝統である直列6気筒エンジン、マニュアルトランスミッションを廃止しました。新しいV型6気筒3.8リッターエンジンに2基のターボでハイパワー化したVR38DETT型エンジンを搭載、6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を介して4つのタイヤを駆動します。4WDの駆動方式は、3代目「GT-R(BNR32)」から続く後輪を駆動しながら電子制御で前輪の駆動力を可変するタイプです。

 新生「GT-R(6代目)」の6速DCTは、運転操作だけ見ればオートマチック車と同じで、アクセルとプレーキ操作のみで走行ができます。

 デュアルクラッチの名前のとおり、クラッチとギアが2組あり、ギアの段数に合わせて交互に使うため、変速時の駆動力の途切れが少なくなり、途切れない加速を実現します。以前からあるトルクコンバーター方式のオートマチックトランスミッションと違ってエンジンとタイヤの直結感も高く、スポーツ走行に向いています。

 世界的なスポーツカーやスーパーカー傾向でもありますが、もはや千分の1秒単位で速く走るためにはマニュアルトランスミッションでは対応ができず、DCTなどクラッチと変速操作を機械に任せることが主流です。

 オートマチック車は、以前ならクラッチ操作ができない人向けのマイナスイメージで語られることがありましたが、人が操作できないほどの早い変速操作を行なうためには、機械に操作を助けてもらうことが不可欠という時代になっています。

 新生「GT-R(6代目)」も楽しく走るクルマというよりも速く走るためのマシンという車種の性格からすれば、より速く走るために、6速DCTの搭載は必然だったといえます。

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