車の「左寄せ左折」どれくらい寄ったほうがいい? 自転車・バイクから「怖い」の声も 教習所でも習う「左折の方法」正しいやり方は?
自動車教習所では交差点を左折する際、できるだけ左側に寄って曲がるように指導されます。では、一体どのくらい「左寄せ」するのがベストなのでしょうか。
実は左折時の「左寄せ」は道交法に規定アリ! 上手く寄せるポイントは?
自動車教習所では、踏切を通過する際の窓開けや目視確認の徹底など、安全のための運転方法を指導されます。特に、クルマで交差点を左折する際の「左寄せ」を厳しく指導している教習所も少なくありません。
しかし、この左寄せをめぐってはクルマのドライバーから「どのくらい左に寄せれば良いのか分からない」との疑問が寄せられているほか、自転車・バイクユーザーから「クルマの左寄せが怖い」という声も上がっています。

実際のところ、2025年2月に東京海上ダイレクト損害保険がクルマユーザーと自転車ユーザーの計500人を対象におこなった「クルマと自転車の交通ルールを巡る対立意識調査」では、自転車ユーザーの約8割がクルマの幅寄せ左折(ビタ寄せ運転)を危険・迷惑と感じていることが明らかになっています。
その一方で、クルマが幅寄せ左折をする理由は「自転車を巻き込まないようにする」ためであり、自転車側の配慮が不足していると感じる人は、クルマユーザー全体の約8割にのぼりました。
このように左折時の左寄せに関しては様々な意見がありますが、一体どの程度左寄せをするのがベストなのでしょうか。
そもそも左折時の左寄せに関しては、道路交通法第34条第1項で次のように規定されています。
「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」
つまり左折時の左寄せは道路交通法で明確に定められており、クルマ側の義務といえます。
この規定はクルマが事前に左寄せをすることにより、後続車両や歩行者などに左折することを知らせ、左折時に自転車やバイクなどを巻き込まないようにするためのルールです。
もし仮に道路の左側に寄らずに左折すると「交差点右左折方法違反」に該当し、検挙されれば違反点数1点、普通車で反則金4000円が科されます。
どのタイミングで左寄せをおこなうかは、その時の状況によって変わるため、一概には言えないものの、一般的にはウィンカーを出すタイミングである「交差点の手前の側端から30m手前の地点」で左寄せを始めるべきといえるでしょう。
また上記条文では「できる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って」とありますが、どれくらい左寄せをすべきかは道路の状況によって変わります。
その目安となるのが「車道外側線」と「路側帯」の白線です。まず車道外側線とは車道の左端に引かれた区画線のことであり、車道と路肩の境界を示しています。
歩道のある道路においては歩道の横に車道外側線が引かれるケースが多く、歩道と車道外側線の間は「車道扱い」となります。そのため、歩道と車道外側線の間の部分に入って左寄せしてから左折することが可能です。
その一方で、路側帯は歩行者が通行するためのスペースであり、歩道のない道路の端に引かれた白線によって車道と区分されています。
上記の車道外側線と混同されやすいですが、路側帯は歩行者用のスペースであるため、車両は原則として路側帯の中を通行してはいけません。
これらをふまえると、基本的には車道外側線のある道路では白線の内側に入ってできるだけ左寄せする、路側帯のある道路(歩道がない道路)では白線の内側に入らないように左寄せすべきといえるでしょう。
ただし歩道の縁石にこすってしまうほど左寄せする必要はなく、道路の状況や形状に応じて可能な範囲で左寄せをおこなうことが大切です。
また左折時、クルマの左側に自転車やバイクが入り込んでいる場合は無理に幅寄せをせず、それらが通過するのを待ってから安全に左折をしましょう。
※ ※ ※
左折時の左寄せは自転車やバイクの巻き込みを防止するための交通ルールです。
巻き込み事故が起こらないようにするには、クルマ側が左寄せや巻き込み確認を習慣付けるほか、自転車・バイク側もすり抜けをしないよう心がけるなど、お互いを思いやる運転が必要といえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。
























