今なぜ「ドライブイン」が再注目される!? トラックドライバー御用達の食堂「人気の秘密」とは? 昭和レトロな「ドライブイン」を巡る ~「与倉ドライブイン」編(千葉県)~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残す街道沿いの「ドライブイン」は、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回は千葉県の街道沿いにあるトラックドライバー御用達の人気店「与倉ドライブイン」を訪れてみました。
「ドライブイン」は胃袋だけでなく、心も“満タン”にしてくれる
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。

北総の小江戸こと「佐原(さわら)」を走る、国道51号線沿いにある「与倉ドライブイン」は、トラック野郎の聖地とも言える“昭和のドライブイン”。
各種メディアにもたびたび取り上げられ、「それぞれの孤独のグルメ(第9話)」(テレビ東京系)や、乃木坂46の遠藤さくらさんが主演を務める「トラックガール 2」(フジテレビ系)などにも登場しています。
この日は、筆者(のぐちまさひろ)が「今日の夜ゴハンは各自でよろしく!(by妻)」と宣告されていたゴルフ帰りに、ちょっと回り道して立ち寄ってみました。
広大な駐車スペースは、大型トラックでも余裕しゃくしゃく。そして、「ドライバーのオアシス」&「働く人のお食事処」というキャッチコピーと、5つ並んだ小さな三角屋根が、ドライブイン好きのハートを鷲掴みします。
自動ではない引き戸から暖簾をくぐり、店内に足を踏み入れると、思いのほか明るくクリーンな空間に包まれます。冬の夕暮れすぎや夜に訪れた際には、“明順応”の時間が必要かもしれません。
実は15年ほど前に店内を改装したそうで、正面のボードには「50周年の歴史(創業は1971年)」が、色褪せているけど色褪せない写真とともに掲示されています。
店内はテーブル席をメインに、長居したくなる小上がり席も用意されています。メニューは実に多彩で、定食系や麺類はもちろん、単品の「おつまみ」も魅力的。常連さん以外は即断即決するのは困難で、メニューとの“にらめっこ”がしばらく続くと思われます。
腹ペコだった筆者は、“それぞれの孤独のグルメ”でトラックドライバーに扮した黒木華さんに倣って、「豚肉とキムチと卵の炒め定食(1050円)」をチョイス。
そして、オーダー後もメニューを眺め続けていたら、思わず「納豆オムレツ(420円)」を追加してしまいました。
厨房から聞こえていた中華鍋を振るう音が消え、しばしの静寂後、ボリューム満点のお盆が到着。2種類のメニューが、井之頭五郎さんが言うところの“卵祭り”を開催していました。
よくある「豚キムチ」ですが、ここに卵が加わるとコクと味わい深さが増して、ご飯がさらに進みます。
一方の納豆オムレツは、納豆のつぶつぶ感と、とろりと流れ出てくる卵のハーモニーが格別です。
とはいえ、アラフィフの筆者にとっては、明らかにオーバースペック。
「食べる前はいくらでも食べられる気がするのに、食べ始めると思ったよりも食べられない……」。
魅力的なメニューを前にして、これまでに何度も経験している失態を繰り返してしまいました。
トラックドライバーや働く人はもちろん、地元のファミリーや老夫婦も訪れていた「与倉ドライブイン」は、胃袋だけでなく、心も“満タン”にしてくれる雰囲気に満ちあふれていました。
※ ※ ※
■与倉ドライブイン
所在地/千葉県香取市与倉831-1
営業時間/11:00~19:30
定休日/日曜・祝日
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.1」。


























