今なぜ「ドライブイン」が再注目される!? 街道沿い人気店のウリは「ジャンボ」なメニュー? 昭和レトロな「ドライブイン」を巡る ~「見晴しドライブイン」編(神奈川県)~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残す街道沿いの「ドライブイン」は、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回は神奈川県の相模湖を見晴らす、その名も「見晴しドライブイン」を訪れてみました。
「ジャンボ野菜ラーメン」がやさしく沁みわたる
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増した街道沿いのドライブインですが、現在ではその役割を「道の駅」や高速道のサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少しているといわれています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、いまも多くのファンから根強く支持されているのです。

中央道「相模湖IC」から約5分の位置、国道20号線「甲州街道」沿いにある「見晴しドライブイン」は、黄色の屋根と味わい深いフォントが印象的な、これぞ“昭和のドライブイン”という風情。
眼下に広がっているはずの相模湖は、見晴らすというよりも、ちらりと覗き見るという表現の方が実情に近い感じです。
この日は3連休・最終日のランチタイムに立ち寄ってみたのですが、約10台分の駐車スペースはほぼ満車。地元の「相模」ナンバーを中心に、「多摩」「横浜」「足立」、そして筆者(のぐちまさひろ)の「習志野」といった首都圏近郊ナンバーが並びます。
店内に足を踏み入れると、そこには“THE昭和”な風景が広がっています。
全体的にはレトロで雑然とした雰囲気ながら、不思議と清潔感もあり、まさに田舎のおばあちゃん家のような居心地の良さを感じるのが嬉しいところです。
厨房は女将さんが取り仕切り、配膳や会計は娘さん(?)の2人体制でフル稼働。クルマ&バイクの数と合わないのですが、お客さんは筆者を含めて8人で、4人掛けのテーブルを1人もしくは2人でゆったり使っている感じでした。
着席から約3分後。ようやくオーダーの順番が回ってきました。
今回は「もつ煮込み」や「野菜炒め」といった定食メニューにも惹かれつつ、看板メニューと言える「ジャンボ野菜ラーメン(800円)」をオーダーしてみました。周りを見渡しても、ほとんどの人が「ジャンボ野菜」狙いのようでした。
そういえば“ジャンボ”って言い回しにも、どこか昭和っぽい懐かしさが漂います。
待つこと10分ほど。「ジャンボ野菜ラーメン」が豪快に着丼。
ジャンボという名のとおり、洗面ボウルのような器にラーメンがたっぷりと盛られています。ちなみに添えられているレンゲは、筆者史上最大のサイズでした。
スープは醤油が効いたあっさり系で、秋風で冷えた身体にやさしく染みわたっていきます。
また、やわらかモッチリな麺と、程よく焦げ目がついたシャキシャキ野菜のハーモニーがたまりません。
普通に考えればボリューム満点で苦しくなりそうなのですが、やさしい味わいや昭和のゆったりとした空気感も手伝って、ペロリと完食しました。
会計時には、手慣れた様子でサービスの缶コーヒーを手渡してくれます。ちなみに筆者の前に会計を済ませた老夫婦には、缶のお茶をサービスしていたので、人を見てどちらを渡すか判断しているのかもしれません。
独創的かつ1000円オーバーも当たり前になっている昨今のラーメン事情ですが、「ジャンボ野菜ラーメン」のシンプルな味わいは、「こういうのでいいんだよな(by井之頭五郎)」と思わせる満足度なのでした。
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■見晴らしドライブイン
所在地/神奈川県相模原市緑区与瀬1562
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.1」。

























