スズキ新「軽ワゴン」発売! 最上級より「約40万円オトク」で「リッター25キロ超え」が魅力! デザイン刷新した“上質顔”×ボルドー内装を採用! まさかのMTもある「ワゴンR」最安モデルとは?
日本の軽自動車市場において、スズキ「ワゴンR」は軽ハイトワゴンというジャンルを確立したパイオニア的存在です。1993年の初代登場以来、広い室内空間と実用性を兼ね備えた「ワゴンR」ですが、最安グレード「ZL(2WD)」はどのようなクルマなのでしょうか。
燃費性能・価格・装備のバランスが光る最安モデル
1993年、初代「ワゴンR」はセミボンネットの軽ワゴンスタイルとして登場しました。取り回しの良いコンパクトな車体でありながら、大人4人が快適に乗車できる優れた居住性を実現したクルマです。
その後、ワゴンRは2017年に現行モデルとなる6代目へフルモデルチェンジを実施。直近の2025年12月15日には一部仕様変更を発表・発売し、さらなる進化を遂げました。
なかでも、最も安価なエントリーモデルは、軽自動車に求められる実用性と経済性を徹底的に追求したグレードです。果たして、どのような特徴を備えているのでしょうか。

2025年12月15日に発表された一部仕様変更では、安全装備の進化が大きなポイントとなりました。
今回の改良の中心となるのが、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全グレードで標準採用することです。従来システムから検知範囲が拡大され、技術的にも大きな進化を遂げています。
デュアルセンサーブレーキサポートIIは、高性能な単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた方式へと進化し、交差点内での右左折時における対向車も検知対象に追加されました。
右左折時に起こりやすい衝突事故の回避や被害軽減を支援することで、実際の運転環境における安全性を高めています。
さらに、システムが作動する自車速度域も拡張され、歩行者や自転車に対して約5~80km/hという幅広い速度域で機能します。
加えて、車線逸脱抑制機能や4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイが、全グレードに標準装備され、運転支援機能が充実しました。
この一部仕様変更により、ベーシックモデルであっても最先端の予防安全技術の恩恵を受けることが可能となり、スズキの安全性に対する高い意識がうかがえます。
さらに、ボディカラーのラインナップも刷新されました。新色として「ベルベットダークレッドパール」と「ルーセントベージュパールメタリック」が追加され、全8色展開となっています。
くわえて外観デザインを従来の「カスタムZ」と共通化することで、上質感を演出しています。
そんな進化を果たしたワゴンRのなかで最も安価なエントリーモデルとしてラインナップしているのが、「ZL(2WD)」グレードです。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1650mm、ホイールベースは2460mmと他のグレードと変わりません。
エクステリアでは、フロントグリルにガンメタリック塗装を採用し、フロントバンパーは上級グレードと同様にエアロ形状とされています。
一方で、サイドおよびリアはエアロ形状になっていません。また、リアバンパーガーニッシュやサイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、LEDフォグランプ、サイドターンランプ付きドアミラーなどは装備されず、足元には14インチのフルホイールキャップを装着するなど、シンプルな仕様となっているのが特徴です。
なおボディカラーではエントリーモデルでも、今回追加された新色が選択できるようになっています。
インテリアにおいては、ステアリングホイールはウレタン製を採用し、インパネカラーパネルにはボルドーを配色。
フロントドアアームレストやインサイドドアハンドルはブラックで統一され、メッキ加飾は施されていません。
また、シートリフター、チルトステアリング、ステアリングヒーターなどといった快適・調整機能は装備されず、アダプティブクルーズコントロールやアイドリングストップも非装着となっています。
「走る・曲がる・止まる」という基本性能と、「乗員の安全確保」という本質的な価値を徹底的に磨き上げたモデルと言えるでしょう。
搭載されるパワートレインは、排気量660ccのR06D型エンジンで、最高出力49PS、最大トルク58Nmを発揮します。
トランスミッションは、無段変速機(CVT)と5速マニュアル(5MT)の2種類が設定されています。
WLTCモード燃費は、CVT車が24.2km/L(2030年度燃費基準80%達成)、5MT車が25.1km/L(同85%達成)となっており、なかでも5MT車は、ワゴンRの全グレードの中で最も優れた燃費性能を誇るモデルの1つとなっています。
これらの特徴をもつ「ワゴンR ZL(2WD)」の販売価格(消費税込み)は、CVT車・5MT車ともに145万7500円で、最上級モデル「HYBRID ZX(4WD)」(185万6800円)と比べると、約40万円の差があります。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。










































