スズキ「ワゴンR」まもなく全面刷新? スライドドア&ハイブリッド搭載も!? ファンが熱望する「MT継続」はどうなる? 「定番ハイトワゴン」ファンが求める新型モデル像とは!
世界で1000万台も売れているスズキ「ワゴンR」に、全面刷新の噂が出ています。スライドドアが採用されるのか、そして貴重なMT(マニュアル)車は残るのか、ファンはどのようなモデルを望んでいるのでしょうか。
スズキ「ワゴンR」まもなく全面刷新?
2025年6月、スズキ「ワゴンR」が世界累計販売1000万台を達成しました。
現行モデルが登場してから8年が経過したこともあり、フルモデルチェンジの噂も聞こえてきます。

1993年に登場したワゴンRは「軽トールワゴン」の先駆者です。当時の主流だった、居住性に欠けるハッチバックと快適性に劣るワンボックス、双方の弱点を克服。
フロントエンジンを維持したまま車高を上げ、二重フロアを採用することで、広い室内空間と乗り心地の両立を実現しました。
さらに豊富な収納やフラットなシートアレンジなど、道具としての使い勝手も徹底追求。その実用本位なスタイルがバブル崩壊後の時勢に合致し、瞬く間にヒットしました。
そしてワゴンRの成功により、軽自動車界に「トールワゴン」という新ジャンルが定着したのです。
それから30年以上が過ぎ、現在は2017年に登場した6代目モデルが販売されています。
キャラクターの違いにより、標準モデルと2種類のカスタムモデル(スティングレー/カスタムZ)をラインナップしていましたが、2025年12月15日に実施された一部仕様変更では、外観デザインをカスタムZベースに集約しつつ、立体的なフロントグリルへと一新されました。
グレード構成は、新設定の自然吸気モデル「ZL(5速MT/CVT)」と、マイルドハイブリッド搭載の「HYBRID ZX(CVT)」が用意されています。
ボディカラーに上質な2色の新色が追加されたほか、安全面では最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」を導入し、車線逸脱抑制機能やカラーディスプレイ、ステアリングヒーターなどの快適装備も標準化されました。
加えて、ボディへの減衰接着剤の採用により静粛性と乗り心地も向上するなど、細かな改善によってさらに魅力を増しています。
最新の販売実績を見ると、ワゴンRの根強い人気がよくわかります。全国軽自動車協会連合会による新車ランキング(2025年1月から11月)において、ワゴンRは6位にランクイン。
現在の軽自動車市場は、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」といった「スーパーハイトワゴン」が主流であり、ほかにもダイハツ「ムーヴ」やスズキ「ハスラー」などの人気車種がひしめいています。
そうした厳しい環境のなか、また、ワゴンRはいわゆるモデル末期といわれる時期にありますが、それでも依然としてトップ10圏内を維持しているのは、「定番の一台」として、多くのユーザーから使い勝手の良さや信頼性を評価されているからだといえるでしょう。
そんなワゴンRですが、次期モデルに向けては「スライドドアを採用して復権を!」といった声がSNSを中心にあがっています。
一方で、ライバルのムーヴがスライドドアを採用したことから「あえてヒンジ式ドアのままで差別化を」という意見も存在しているようす。
さらに、ストロングハイブリッドの採用については、おおむね肯定的に受け止められていますが、「価格が全体的に上がりそう」という心配の声も聞かれます。
スズキの販売店スタッフに話を聞いたところ、「スライドドアへの需要は高いのですが、現状のヒンジ式ドアは故障の心配が少ないという利点もあります」との意見もあり、ユーザーの声を大切にするスズキがどう判断するのか興味深いところです。
また、ワゴンRのオーナーからはMT車の継続を望む声も多く、「MTがあったから」という理由であえてワゴンRを選んだオーナーもいるほどです。
「軽トールワゴンにMT?」と感じる方もいるかもしれませんが、低速ギアでの力強い加速を求める層や、AT車の操作に不慣れな高齢者からの需要は根強くあります。
何より、こうした少数派の声を大切にするスズキの企業姿勢は多くのファンに支持されており、今後もMTという選択肢が継続されることを願う声は少なくありません。
実際、先日の改良でMT車が存続したことは大きな反響を呼びました。
こうした反応を見ると、ワゴンRにおけるMTの存在は、一定のユーザーにとって不可欠な選択肢であるといえそうです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。



































