ダイハツの斬新「“4人乗り”4WD軽トラ」に大注目! オシャレグリーンに旧車風「“丸目”ライト顔」×シンプルデザイン採用! 実用性バッチリで普段使いOKな「バスケット」コンセプトとは
ダイハツが2009年に提案した「basket(バスケット)」という軽トラックのコンセプトは、16年前のモーターショーで発表されたものですが、今なお鮮烈な印象を残すモデルです。どのようなクルマなのでしょうか。
スローライフ×親しみやすいトラック型軽コンセプトの提案
軽トラックといえば、現在では一般ユーザーからも趣味の道具として人気を博していますが、2009年当時はまだ農業や配送業などでの使用が主流でした。
そんな時期にダイハツが先駆けて提案したコンセプトカーが、第41回東京モーターショー2009で初お披露目された「basket(バスケット)」です。
このコンセプトカーは「オープン4シーターと広々デッキで、家庭菜園等のほのぼの生活を満喫できるスローライフビークル」として紹介されました。
ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1550mmで、ホイールベースは2490mmとなっています。
エクステリアは自然を感じさせるグリーンカラーを採用し、クラシカルな丸型ヘッドライトと直線的なグリルでシンプルな装いとなっています。ボディサイドも3本のビードを通しただけのシンプルなデザインで、親しみやすい印象を与えています。
ボディ構造は本格的な軽トラックに採用されるラダーフレームではなく、軽乗用車をベースにしていると見られ、あくまでお洒落な軽自動車の雰囲気を持っています。
しかし最大の特徴は、ルーフがAピラーとBピラーだけを残してオープン構造になっていること。さらにリア部分はトラックのような荷台を備えており、非常に独創的なモデルとなっています。
テールゲートは軽トラックのアオリのような開閉が可能で、デッキ部分は内装材を張らず外板そのままの仕上げとすることで、多少汚れたものでも気にせず積載できる実用性を確保しています。

インテリアの特徴はルーフのないオープン構造による開放感です。パステルグリーンの外板色と麻の素材感を組み合わせた仕立てにより、自然な風合いを実現し、のんびりとした暮らしを連想させる雰囲気となっています。
乗車定員は4名で、リアシートも装備されています。シートを倒すとスルーローディングで荷台とつながるため、荷物を満載した軽トラックとしても使用できる点は、アウトドアレジャーや地方生活においても便利に思えます。
パワートレインなどの詳細は当時公開されませんでしたが、駆動方式は4WDとされており、当時の乗用コンパクトモデルをベースにしていたと考えられます。現実的な設計思想が見られたコンセプトカーでした。
公開当時、大いに期待が寄せられたバスケットですが、残念ながら市販化には至っていません。
しかし現在では、軽トラックの用途が商用だけでなく一般ユーザーの趣味にも広がっていることを考えると、今この時代に登場すれば、アウトドアレジャーや地方移住、田舎暮らしといった新しいライフスタイルを楽しむ人々から支持を得られるかもしれません。
シンプルながらも機能的で親しみやすいデザインは、軽自動車の新たな可能性を示していたと言えるでしょう。
Writer: 伊勢崎剛志
自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。





















































