クルマの“内窓の曇り”「まだ洗剤で拭いてるの?」 汚れを悪化させる「間違った掃除」がヤバい!「普通の水」を使わずスッキリさせる“プロ直伝の正しい方法”とは!
車内でタバコを吸わないのに、気がついたら内窓が薄白く汚れていたりします。特に冬場は外気温との差が大きいので内窓から曇りやすく、視認性にも影響するのですが、手軽にできる正しい清掃方法とはどのようなものなのでしょうか。
クルマの“内窓の曇り”「まだ洗剤で拭いてるの?」
クルマの中でタバコを吸ったわけでもないのに、内窓がうっすらと白く汚れてしまうことがあります。
とくに冬場はヒーターの使用で外気との温度差が大きくなり、内側が曇りやすい状況も増え、内側が曇れば視認性も悪化するなど、運転へ大きく影響を及ぼすものです。
内窓の曇りは、さまざまな要因による汚れが原因なのですが、どうすればスッキリきれいに落とせるのでしょうか。

内窓の汚れの原因は、フロントウインドウの内側に空気中の汚れが付着し、水蒸気が加わることで曇りが発生することにあります。
そしてクルマの場合、その内側に付着する汚れにはさまざまな要因が絡んでいます。
空気中の水分は、外気との温度差が大きくなると窓ガラスで結露し、曇りとなります。
特に密閉された冬の車内では、人の呼吸や汗に含まれる水分だけでなく、塩分や油分までもがガラスに付着します。
これらが蓄積することで、単なる水滴ではないベタついた「油膜」を形成し、窓が白く汚れる原因になるのです。
また、ダッシュボードなどの内装に使われる塩化ビニールには、柔軟剤である「可塑剤(かそざい)」が含まれており、常にガス状の微粒子を放出しています。
これが直射日光やヒーターの熱で加速され、内窓に付着して汚れの膜を作り、この膜が空気中の水分を抱き込むことで、しつこい曇りが発生する原因となります。
では、走行中に内窓に曇りが発生した場合はどう対処すべきなのでしょうか。カークリーナーショップの副店長N氏は、応急処置として「デフロスター」を活用してほしいと言います。
「エアコンに『ウインドウ+3本の矢印』マークのあるボタンがデフロスタースイッチです。これは外気温との差が大きい冬はもちろん、梅雨など湿気の多い時期にも活用できます。
これはエアコンの送風を内窓に強制的に行うモードで、エアコンの除湿機能を活用し曇りを取る仕組みです」
またこのデフロスターを稼働させる場合は、エアコンを「外気導入モード」に、さらに窓を1~2cm開けて車内の空気の逃げ道を作ると、より早く車内の湿度を下げることが可能です。
曇りを発生させないために、清掃時の注意点はあるのでしょうか。
「内窓の曇りの原因である『油膜』を作らないためにも、内窓には洗剤などは普段から使用しないほうがいいです。
強力な汚れを除去するのに洗剤などは有効ですが、これが逆に油膜の原因にもなりかねません。シンプルに水だけで仕上げるほうがスッキリしますよ」(カークリーナーショップ 副店長N氏)
ただし、水とタオルを使うにしても、そのやり方を間違えるとクリアな視界は得られにくいそうです。
「窓用のクリーナーや曇り止めなども数多く販売されていますが、実際は水と数枚のタオルがあれば十分。むしろ洗剤などの拭き残しは新たな汚れの原因になります。
それより、重要なのは早さで、濡らしたタオルで付着させた水分をいかに手早く拭き上げるかがポイントです」(カークリーナーショップ 副店長N氏)
N副店長いわく、可能であれば、普通の水道水ではなく、不純物を除去した「純水」を使用できればさらにいいとのこと。あまり馴染みのない純水ですが、ホームセンターなどで「工業用精製水」として販売されています。
「1枚目のタオルは、汚れを浮かせるために水分を多めに残して絞り、内窓を拭きます。水分が乾く前に、2枚目のタオルで素早く拭き上げましょう。
最後に、完全に乾いた3枚目のタオルで仕上げ拭きをすれば完成です。不純物が固着する前に、スピード感を持って作業するのがきれいに仕上げるコツです」(カークリーナーショップ 副店長N氏)
※ ※ ※
内窓をきれいに保つためには、この清掃方法をこまめに続けることが重要です。費用もほとんどかかりませんし、寒い冬でも手軽に作業できます。
内窓をきれいに保ち、冬のドライブでもクリアで安全な視界を維持しましょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。















