約303万円! “6速MTのみ”の新型「コンパクトカー」登場! “軽”並みのボディに「65馬力」エンジン搭載! 日本導入はどうなる!? 18年ぶり全面改良のフィアット「500ハイブリッド」伊国モデルとは
ステランティスは2025年11月21日、イタリア・トリノでフィアットのコンパクトカー新型「500ハイブリッド」を世界初公開しました。18年ぶりの刷新で中身はどう進化したのか。そして、気になる価格はどの程度に設定されたのでしょうか。
新生チンクは「約300万円」を実現
ステランティスは2025年11月21日、イタリア・トリノでフィアットのコンパクトカー新型「500 Hybrid(500ハイブリッド)」を世界初公開しました。
今回は、18年ぶりの進化の内容と、価格についてを紹介します。

日本でもコンパクト輸入車の代名詞として長年愛されてきたフィアット「500」。惜しまれつつ日本向け生産を終了したガソリンモデルですが、ついにそのDNAを受け継ぐ新世代モデルの500ハイブリッドがイタリアで登場しました。
18年ぶりの全面刷新における最大のトピックは、中身が電気自動車「500e」と共通の最新アーキテクチャに刷新された点です。
デビューから17年が経過し、設計の古さが否めなかった従来型に対し、新型は静粛性やボディ剛性、乗り心地といったクルマとしての基礎が、現代の基準へと一気に引き上げられています。
ボディサイズは全長3631mm×全幅1684mm×全高1532mm、ホイールベースは2322mm。全長3.6メートル強というサイズは先代モデルの美点を維持しており、日本の狭い路地や駐車場でもストレスなく扱える取り回しの良さは健在です。
そして特筆すべきは、車両重量の軽さです。ハッチバックのベースグレード(POP)では、車両重量がわずか1055kg。最も重いカブリオレの上級モデルでも1102kgに留まり、安全装備やボディ剛性が強化された現代のクルマとしては驚異的ともいえる1トン強の軽さを実現しています。
このように中身は最新鋭、サイズは使いやすいまま進化した新型ですが、フィアットは「庶民の足」としての役割も忘れてはいませんでした。生産国であるイタリア現地で発表された価格設定が、非常に戦略的でリーズナブルだったのです。
欧州仕様のラインナップには、ベーシックな「POP(ポップ)」に加え、上級の「ICON(アイコン)」「LA PRIMA(ラ・プリマ)」、そして特別仕様車「TORINO(トリノ)」などが設定されています。
中でもベースグレードとなるPOPの現地定価は1万9900ユーロ(約356万円)ですが、現地ではローン利用などを条件としたプロモーション価格として、なんと1万6950ユーロ(約303万円)からの受注が開始されています。
また、専用の加飾や装備を充実させた発売記念モデルのTORINOであっても、定価2万900ユーロ(約374万円)に対し、同様の条件で1万8950ユーロ(約339万円)」というプライスタグが付けられました。
ちなみに、日本で販売されていた従来型ガソリンモデルの最終価格(消費税込)は、エントリーの「1.2 CULT」が259万円、「1.2 DOLCEVITA」が309万円でした。
イタリアとはいえ約303万円からスタートするというのは、実質的な値上げを感じさせない驚異的なコストパフォーマンスと言えるでしょう。
パワートレインは1リッター直列3気筒ガソリンエンジンに12Vマイルドハイブリッドを組み合わせた最新仕様で、最高出力65ps/6000rpm・最大トルク92Nm/4000rpmを発生します。
スペックは軽自動車並みとも言える控えめなものですが、ここで活きてくるのが前述の軽量ボディと、トランスミッションの組み合わせです。
新型500ハイブリッドは、エントリーから最上級グレードに至るまで、すべてのモデルで6速MTを採用。BEV版の500eが2ペダルのみであったのに対し、こちらは3ペダルを駆使して、エンジンのパワーを余すところなく引き出すドライビングが可能となります。
公表されたパフォーマンスデータによると、0-100km/h加速はハッチバックで16.2秒、カブリオレの一部グレードで17.3秒。最高速度は150km/hから155km/hとされています。
決して速いクルマではありませんが、限られたパワーをMTで引き出し、軽量な車体をコントロールして街中をきびきびと走らせる楽しさは、数値以上のものがあるでしょう。
また、燃費性能も優秀で、WLTP複合モード燃費は5.2〜5.3L/100km(約18.9~19.2km/L)をマーク。
足まわりは、フロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームという、このクラスの定石とも言える堅実な構成を採用。タイヤサイズはグレードにより15インチ(185/65R15)から17インチ(205/45R17)まで設定されます。
ボディタイプはハッチバックに加え、観音開き式サブドアを備えた「3+1」、開放的な「カブリオレ」の3種類を用意。
ラゲッジスペースは通常時185リットル、リアシートを倒せば最大550リットルまで拡大可能で、日常の買い物や小旅行には十分な実用性を確保しています。
生産は初代500の聖地であるイタリア・トリノのミラフィオリ工場で行われ、右ハンドル仕様についても2026年第2四半期からの生産開始がアナウンスされています。
日本への導入時期や価格は現時点で未定ですが、もしこの現地価格に近い水準で日本に上陸すれば、手軽に乗れるオシャレで楽しい輸入車として、再び大ヒットとなるポテンシャルを秘めています。
最新の安全性と快適性、そして変わらぬ愛らしさを兼ね備えた新型500ハイブリッド。日本の公道を走る日が待ち遠しい一台です。
Writer: くるまのニュース編集部
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