スズキ新「“本格四駆”SUV」が凄い! 最上級より「70万円以上オトク」かつ“200万円未満”で買える! ちいさな“カクカクボディ”×選べる2つのトランスミッション! 「ジムニー」シリーズ最安モデルって?
電動化が進む近年の自動車市場においても、スズキが展開する「ジムニーシリーズ」は変わらぬ個性で存在感を放っています。なかでもシリーズで最も安価な「ジムニー XG」とは一体どのようなモデルなのでしょうか。
最安仕様が示す「原点の価値」
近年、自動車業界では電動化や高度運転支援の話題が注目を集めています。そうした潮流の中で、あえて原点回帰ともいえる存在感を放ち続けているモデルも存在しています。

その1台として挙げられるのがスズキ「ジムニー」です。軽自動車の枠に収まりながら本格オフローダーという唯一無二の立ち位置を築き、いまや国内外で“文化”として受け止められるまでになりました。
現在ではジムニーシリーズとして、軽乗用車ボディのジムニーのほか、5ナンバー規格の「ジムニー シエラ」、5ドアの「ジムニー ノマド」がラインナップしていることも、幅広いファン層を生み出している理由のひとつです。
そんなジムニーですが、2025年10月に発表され、11月から販売が始まったジムニー及びジムニー シエラの一部仕様変更モデルは、昨今の交通環境を意識した安全装備の強化が話題となりました。
歩行者や自転車、バイクまで判別できる「デュアルセンサーブレーキサポートII」への進化、車線逸脱抑制機能の追加、さらにはアダプティブクルーズクルーズコントロールの採用など、都市部でも長距離でも運転をアシストする内容が盛り込まれています。
安全性の向上により懐の深さが増した点は、多くのユーザーにとって大きな魅力といえるでしょう。
そんなジムニーシリーズのなかでも、最も安価なエントリーモデルが「ジムニー XG」です。
しかしながら、ジムニーが長年守り抜いてきた“走りの根幹”をしっかりと継承しています。
装飾や快適装備をそぎ落とし、必要最低限にとどめた仕様こそが、このモデルの価値そのものといえます。
ボディは軽自動車サイズで、全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mm、ホイールベースは2250mmと、取り回しやすさと悪路走破性を両立した絶妙なバランスが特徴です。
外観では、16インチスチールホイールやハロゲンランプを採用し、あえて実用性に振り切った装備が目を引きます。
アルミホイールは美しい反面、オフロードで割れるリスクがありますが、スチールなら変形しても修理が容易で、まさに“道を選ばないクルマ”らしい判断といえます。
ドアミラーやアウタードアハンドルを未塗装の樹脂にしている点も傷が目立ちにくく、使い倒すユーザーにとってありがたい配慮です。
インテリアは水平基調のインパネを採用し、車体の傾きが直感的に把握しやすい設計です。
キーシリンダー式のエンジン始動やマニュアルエアコン、ウレタンステアリングなど、余計な要素を排した構成は、むしろある種の潔さすら感じさせます。
運転に必要な操作体系だけを残すことで、路面との対話に集中できる点がXGの魅力です。
パワートレインは660ccのR06A型ターボエンジンを搭載し、最高出力64PSと最大トルク96Nmを発揮。
トランスミッションは4速ATまたは5速MTから選択でき、街中での扱いやすさやオフロードでの操作性に合わせて選べます。
低速域からしっかり力が出る特性は、山道や悪路での頼もしさにつながっています。さらに、ラダーフレームと3リンクリジッドアクスルという古典的かつ頑丈な構造を採用することで、大きな対地クリアランスとねじれに強い足回りを実現。
片輪が浮いても、もう一方を地面に強く押し付ける特性は、このクラスではほぼ唯一のものです。
駆動方式はパートタイム4WDで、2H・4H・4Lをトランスファーレバーで選ぶ伝統的な方式を維持しています。
電子制御に頼らないぶん、自分の判断で走破力を引き出せる点が、多くのジムニーファンを惹きつけてやみません。
なお、一部改良後のジムニー XG の価格(消費税込み)は191万8400円で、装備を必要最低限に抑えることで “走りの本質”にこだわった仕様となっています。
一方、ジムニーシリーズで最も高価なモデルである「ジムニー ノマド FC」は265万1000円に設定されており、両者には73万円以上の価格差があります。
この価格差こそが、ユーザーが自身の用途や求める方向性に合わせて自由に選べるという、ジムニーシリーズならではの魅力といえるでしょう。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。


































































