路面が「黒光り」してたら要注意!? 週末にかけ広範囲で冷え込み予想 「うっかりスピン」防ぐ走行術と意外な「違反」とは
2025年12月12日から週末にかけては全国的に厳しい冷え込みとなり、広範囲で雪や凍結の恐れがあります。特に注意したいのが、濡れているように見えて実は凍っている「ブラックアイスバーン」です。知らずに走ればスピンの危険があるだけでなく、ノーマルタイヤでの走行は交通違反になることも。冬道に潜むリスクと正しい対処法を解説します。
12日から週末は全国的に冷え込み強まる 雪国以外も「凍結」リスクあり
2025年12月12日から週末にかけて、日本列島は冬将軍の到来を感じさせる厳しい寒さに見舞われる予報です。
北海道や東北地方、日本海側を中心に雪や風雪が予想されるほか、関東や関西などの太平洋側でも気温がひと桁台、あるいは氷点下近くまで下がる地域があると見込まれています。
こうした「急な冷え込み」の際にドライバーを悩ませるのが、路面の凍結です。特に一見濡れているだけに見える路面が、実は氷の膜だったというケースも少なくありません。
今回は、本格的な冬の到来を前に、過去の事例や教習所のノウハウを参考に、冬道に潜む「見えない危険」とその回避術、そして意外と知られていない「交通違反」について解説します。
天気予報によると、12月12日から週末にかけては北海道や東北地方などで雪や風雪が強まる見込みです。
札幌などでは最高気温でも氷点下となる「真冬日」が予想されています。
一方で、東京や大阪など太平洋側の都市部でも油断はできません。晴れや曇りの予報であっても、最低気温が0度から5度前後まで冷え込む地域があります。
実は、路面の凍結リスクが高まるのは「雪の日」だけではありません。たとえ雪が降っていなくても、雨で濡れた路面が夜間の冷え込みによって凍りつくことがあるのです。
「自分は雪の降らない地域に住んでいるから大丈夫」という油断こそが、もっとも危険なドライバー心理といえるかもしれません。

■アスファルトの罠「ブラックアイスバーン」を見抜けるか
冬のドライブにおいて、ドライバーを恐怖に陥れる現象の一つに「アイスバーン(路面凍結)」があります。
通常、積雪した道路などは白くなるため、視覚的に「滑りそうだ」と警戒することができます。
しかし、最も厄介なのは、路面が黒く濡れているように見えるのに、実は表面が薄い氷で覆われている「ブラックアイスバーン」と呼ばれる現象です。
見た目は、アスファルトが雨で濡れて「黒光り」しているように見え、通常のアイスバーンのように白くなっていないのが特徴です。
発生条件は、昼間に雪がない状態でも雨が降り、その後に夜間から明け方にかけて急激に冷え込んだ時に発生しやすくなります。
危険な場所として、地熱が伝わりにくい「橋の上」や「陸橋」、風通しの良い場所、トンネルの出入り口などが挙げられます。
例えば夜間、ヘッドライトに照らされた路面がキラキラと光っていたら、それはただの水溜まりではなく、氷の膜かもしれません。
この状態は摩擦係数が極端に低く、ノーマルタイヤはもちろん、スタッドレスタイヤであっても油断すればスリップやスピンを引き起こす可能性があります。
■プロも恐れる「スピン」の恐怖 どうすれば防げる?
ひとたびタイヤがグリップ力を失うと、クルマはドライバーの意図しない挙動を示し、最悪の場合はスピン(回転)してしまいます。
スピンは、タイヤと路面の間に水が入り込むことでグリップ力が失われることが主な原因です。
特に、発進時や停止時、カーブなどで「強い入力」を与えてしまうと、タイヤが空転・ロックして制御不能に陥ります。
では、具体的にどのような運転操作を心がければよいのでしょうか。過去の取材で自動車教習所の担当者が語ったポイントをまとめました。
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●アクセル操作
そっと踏み込むことが大切です。「急」な加速はタイヤの空転を招き、発進時のスリップにつながります。滑りそうになったら一度ペダルから足を離し、次は弱めに踏み直します。
●ブレーキ操作
いつもの「6分目」の感覚を意識し、早めに優しく踏みます。急ブレーキはタイヤロックやスピンの直接的な原因になります。
AT車の場合は、フットブレーキだけに頼らず、2速やローギアを活用してエンジンブレーキで減速するのが効果的です。
●ハンドル操作
急ハンドルは厳禁です。滑ることを前提に、ゆったりとした操作を心がけましょう。
●車間距離
路面が滑りやすいため、思うように止まれないことを想定し、通常の2倍以上の距離を保つことで安心感が生まれます。
もし走行中に「滑った!」と感じた場合は、焦ってブレーキやハンドルを大きく操作するのは逆効果です。
一度ペダルから足を離し、タイヤのグリップが戻るのを待ってから、改めてゆっくりと操作を行うことが、スピン回避の鍵となります。
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■「知らなかった」では済まされない! ノーマルタイヤの代償
最後に、忘れてはならないのが法的なルールです。
雪道や凍結路面をノーマルタイヤ(夏用タイヤ)で走行することは、道路交通法違反となる可能性があります。
各都道府県の公安委員会が定める規則により、積雪・凍結時の滑り止め措置(スタッドレスタイヤやチェーンの装着)が義務付けられているからです(沖縄県を除く)。
これに違反した場合の反則金は、普通車で6000円、大型車で7000円の反則金が科されます。
事故時の責任としては、ノーマルタイヤでの雪道走行が原因で事故を起こした場合、5万円以下の罰金や、死傷事故の場合は過失運転致死傷罪に問われる可能性もあります。
「近所へ買い物に行くだけだから」「少しの雪だから」といった軽い気持ちが、思わぬ事故や違反につながります。
12月12日のような冷え込みが予想される日は、路面状況を慎重に見極めることが重要です。
まだ冬用タイヤへの交換が済んでいない場合は、無理にクルマを出さず、公共交通機関を利用するなど、安全を最優先にした判断を心がけましょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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