ついに「リッター25円安」が実現!? ガソリン価格が「大きく下がる」理由とは… 51年続いた「暫定税率」廃止のウラ側
ついにこの日が来ました。12月11日からガソリン補助金が「25.1円」へ増額、実質的に暫定税率廃止と同じ価格水準に突入! 51年続いた「謎の税金」廃止で、給油は年末まで待つべき? それとも今? 意外と知らない「値下げの仕組み」と、ドライバーが損しないための給油タイミングを解説します。
「暫定」なのに51年… ついに終わる「おかしな税金」
2025年12月11日、いつものようにガソリンスタンドへ向かったドライバーの中には、看板の価格を見て「あれ、ちょっと安くなった?」と気づいた人もいるかもしれません。
長らく私たちドライバーを悩ませてきたガソリン価格ですが、ついに大きな転換点を迎えました。
政府は本日からガソリン補助金を「最大レベル」まで引き上げ、事実上の「暫定税率廃止」状態を作り出しています。
年末に向けて一体なにが起きているのか、そして「本当の税金廃止」となる大晦日に向けて私たちはどう動けばいいのか。51年越しの決着となる現場の動きを解説します。
クルマ好きならずとも、「暫定税率」という言葉にはモヤモヤしていた人が多いのではないでしょうか。
もともとは1974年、道路を作るお金が足りないとして「一時的に」上乗せされたのが始まりでした。
ところが、道路整備の目的が変わっても「当分の間」という曖昧な理由で延長され続け、気づけばその期間は51年にも及びます。

この「長すぎた暫定」に、ついに終止符が打たれます。
政府決定により、ガソリンにかけられていたリッターあたり25.1円の暫定税率は、2025年12月31日をもって法的に廃止されることが決まっています。
「じゃあ、安くなるのは来年のお正月(1月1日)から」
そう思うのが普通ですが、実は「12月11日」からすでにその恩恵が始まっているのです。

■なぜ「12月11日」がXデーだったのか
実は政府は、年末の税金廃止日に価格が一気に暴落するのを防ぐため、11月から「補助金」を使ってジワジワと価格を下げてきました。
もし「1月1日に25円下がります!」と宣言してしまうと、みんな年末の給油を我慢して(買い控え)、年明け早々にガソリンスタンドに殺到してしまいます。
そうなるとお店の在庫はなくなり、配送も追いつかず、パニックになってしまう可能性があるからです。
そこで政府は、画像のようなスケジュールで「ソフトランディング」作戦を決行しました。
このように、12月11日から補助金が「25.1円」に増額されました。これは廃止される予定の暫定税率とまったく同じ金額です。
つまり、法律上の税金がなくなるのは年末ですが、お財布への影響としては、今日からすでに「税金がなくなったのと同じ価格」になっているということです。
■軽油ユーザーはちょっと注意が必要?
ここで注意したいのが、ディーゼル車に乗っているユーザーです。
ガソリン税は12月31日に廃止されますが、軽油にかかる「軽油引取税」の暫定税率(リッター17.1円)が廃止されるのは、少し遅れて「2026年4月1日」になります。
これは軽油の税金が「地方税(都道府県の収入)」であるため、自治体との調整が必要だからです。
ただし、こちらも価格面では心配無用です。軽油への補助金はすでに11月27日の時点で暫定税率分(17.1円)まで引き上げが完了しています。ディーゼル車ユーザーも、すでに「実質値下げ」の恩恵を受けている状態と言えます。

■「もっと安くなるまで待つ」は損? 給油の正解は?
さて、気になるのは「今すぐ入れるべきか、年末まで待つべきか」です。
結論から言えば、経済産業省などが呼びかけている通り「普段通りのタイミングで給油する」が正解です 。
理由はシンプルで、12月11日からの補助金増額で、すでに値下げの移行措置は完了したからです。これ以上待っても、年末にさらにガクンと25円下がるわけではありません。
むしろ、年末ギリギリまで粘ってガス欠寸前でスタンドに駆け込むと、年末年始の帰省ラッシュと重なり、思わぬ混雑に巻き込まれるリスクがあります。
また、お店によっては「高い時期に仕入れた在庫」がまだタンクに残っている場合、店頭価格が下がるまでに数日のタイムラグがあることもあります。
災害時の備えとしても推奨されている「満タン運動」のように、半分くらい減ったらこまめに給油しておくのが、賢いドライバーの選択と言えそうです。
長かった「暫定税率」の時代が終わり、ようやく適正な価格でドライブを楽しめる環境が整いつつあります。
Writer: くるまのニュース編集部
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