191万円! スズキの本格四駆「ジムニー」がスゴい! 最高級より「24万円オトク」な素のグレード「XG」アナログ感がたまらない! 上級モデルとの決定的な違いとは!
軽自動車オフロードの代名詞、スズキ「ジムニー」。その最も手頃な「XG」グレードは、約192万円という価格ながら、上位グレードと比べて装備は簡素です。はたして、この最安グレードは本当に賢い選択なのでしょうか。
素のグレード「ジムニー XG」とは!
スズキは2025年11月4日、本格オフロード軽SUV「ジムニー」の一部仕様変更を実施し、発売しました。
今回の一部仕様変更では、衝突被害軽減ブレーキを最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」にアップデートされ、検知対象や作動範囲を拡大。さらに「車線逸脱抑制機能」を標準装備しました。

また、これまで上級グレードなどの装備であった「ACC(アダプティブクルーズコントロール)全車速追従機能付き」(5速MT車は全車速追従なし)や「後方誤発進抑制機能(4速AT車)」を採用。
加えて万が一のトラブル時にオペレーターとつながる「スズキコネクト」にも対応するなど、安全機能と快適装備を大幅に充実させています。
ジムニーは、本格的な軽四輪駆動車として世界的にも稀有な存在です。初代モデルは1970年4月にデビューし、軽自動車初の本格オフロード車として市場を開拓しました。
現行モデルは2018年7月に登場した4代目(JB64型)。直線基調のスクエアな3ドアボディに、伝統のラダーフレーム構造とパートタイム4WDを採用し、悪路走破性と信頼性を高めています。
2025年11月には先出の通り、最新の法規対応や先進安全装備の強化を含む一部改良が発表され、全車に先進安全装備が標準化されるなど進化を続けています。
そのエントリーグレードとなるのが、191万8400円(5速MT・4速AT同価格)で設定されている最廉価グレード「XG」です。
最上級グレードは、216万400円(5速MT・4速AT同価格)の「XC」で、その差は24万2000円という開きがあります。
では、装備面ではどのような違いがあるのでしょうか。
XGは、ビジネスユースやカスタムベースとしての需要を見込んだ、装備を厳選した「プロの道具」としての性格が強いグレードです。
パワートレインは全グレード共通で、660ccターボエンジンに5速MTまたは4速ATを組み合わせ、駆動方式もパートタイム4WDのみです。つまり、走りの基本性能にグレード間の差はありません。
しかし、上級グレードのXCと比較すると、快適装備や内外装の質感には決定的な違いがあります。
まず外観では、XGは16インチスチールホイールを採用し、XCのアルミホイールとは異なります。また、ヘッドランプはハロゲン式で、XCに採用されるLEDヘッドランプやヘッドランプウォッシャーは非装備です。
ドアミラーもXGは手動格納式(未塗装)であるのに対し、XCは電動格納式リモコン(LEDサイドターンランプ付き)となり、狭い駐車場などでの利便性に差が出ます。
内装と快適装備の差はさらに顕著で、XGのエアコンは、ダイヤル式の「マニュアルエアコン」です。XCや中間グレードのXLに装備されるフルオートエアコンとは異なり、自分で温度や風量を調整するアナログな操作感が残っています。
また、エンジン始動方式も異なります。XCやXLが「キーレスプッシュスタートシステム」を採用しているのに対し、XGは鍵穴にキーを差し込んで回す昔ながらのタイプです。
さらに、XGの後席は左右一体可倒式でヘッドレストも装備されておらず、人を乗せることはあくまで緊急用と割り切った仕様になっているなど、XGは現代の乗用車としては当たり前の装備が省かれています。
しかし、これを「不便」と捉えるか「質実剛健な魅力」と捉えるかで評価は分かれます。電子制御や快適装備が少ない分、構造がシンプルで故障のリスクが少ない点や、マニュアルエアコンの直感的な操作性を好む層も確かに存在します。
一方で、安全面では「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されており、衝突被害軽減ブレーキなどの基本性能は確保されています。
※ ※ ※
結論として、XGは「乗る人を選ぶモデル」と言え、日常の足として快適に使いたい、あるいは家族を乗せる機会があるならば、キーレスプッシュスタートやフルオートエアコン、独立後席シートが備わるXL以上のグレードを選ぶべきでしょう。
しかし、初期費用を抑えてカスタムに予算を回したい人や、あえてアナログな機械としてのジムニーを味わいたい人にとっては、XGこそが最も純粋で魅力的な選択肢となり得ます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。































































