ダイハツの「“6人乗り”コンパクトミニバン」! クーペボディ&1.5リッター「直4」採用! 大開口も実現な便利モデル「DNマルチシックス」とは

ダイハツがかつて公開した「DNマルチシックス」は、扱いやすいボディに3列シートを備えた画期的なモデルでした。市販化を望む声も多かったこのクルマは、どのような特徴を持っていたのでしょうか。

打倒シエンタ!? ダイハツの「観音開き」ミニバン

 2017年の第45回東京モーターショーで、ダイハツブースの主役として非常に注目を集めた「DNマルチシックス(DN MULTISIX)」というコンセプトカーがありました。

 同年8月の「ガイキンド インドネシア インターナショナル オートショー 2017」で世界初公開され、日本では東京モーターショーで披露。

 ダイハツは「余裕の室内空間とスタイリッシュさを両立したプレミアム6シーター」を掲げ、MPVが主流の市場動向を踏まえつつ、都市部での使い勝手にも配慮した新提案として打ち出しました。

ダイハツのコンパクトミニバン!
ダイハツのコンパクトミニバン!

 エクステリアは、従来の箱型ミニバンとは一線を画すSUVライクな力強いスタイリングが特徴です。シャープなLEDヘッドライトと大開口グリル、後方へ緩やかに傾斜するルーフラインで、クーペ的シルエットを表現しました。

 最大の見せ場は、Bピラー(前後ドア間の柱)を廃した観音開きドア(センターピラーレス)の採用です。

 ドアを全開にすると広大な開口部が現れ、コンパクトな全長でも圧倒的な乗降性と開放感を実現。チャイルドシートの着脱や3列目へのアクセス性にも配慮した発想は、多目的利用を想定した“プレミアムMPV”の方向性を強く印象づけました。

 インテリアはホワイト基調で、2列目間を抜けられるウォークスルーを設定。3列目までスムーズに移動できるレイアウトとし、家族や仲間との移動を快適にする思想が随所に見られます。

 インパネは物理スイッチを最小限に抑え、運転席からコンソールにかけて大型ワイドモニターをレイアウト。ナビや車両情報を一体表示する先進的なUIの方向性が示されました。

 パワートレインは1.5リッター直列4気筒ガソリン+CVT、駆動方式はFFを想定。量産化を前提とした具体的数値は示されませんでしたが、当時の文脈ではダイハツの次世代思想「DNGA」への展開も期待されていました。

 ターゲットは、日常の扱いやすさと多人数の快適性を両立したいユーザー層でした。
 SUV風デザインと3列ミニバンの積載性を掛け合わせた“クロスオーバーMPV”の提案は、当時の来場者から「国産コンパクトミニバンの有力候補になり得る」と受け止められ、市販化を望む声が数多く寄せられました。

 しかし、DNマルチシックス自体が日本国内で市販されることはありませんでした。ただ、その思想とパッケージングは、のちにインドネシアのダイハツ「セニア」や「テリオス」、トヨタ「アバンザ」など、DNGA採用の3列シートMPVに反映され、海外で結実する流れとなります。

 SNSなどでは「このサイズ感と観音開きが欲しい」「現行の丸みより、DNマルチシックスのシャープな顔つきが好み」といった評価の声が散見されます。

 国内ラインナップでは「ブーンルミナス」終了以降、小型3列シート車の空白が続いていることもあり、DNマルチシックスのような“スタイリッシュなコンパクト3列”の復活を望む期待は、いまだ根強いと言えるでしょう。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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