ダイハツ初の女性主導開発 新型「ミラ トコット」は女性目線によるクルマ

女性にとって重要なハンドル感覚

 実際に、乗り込んでハンドルを握った感想は、華奢イメージでした。女性では、太めのハンドルが好きな人もいますが、私としてはこれぐらいのほうがしっかり掴めて好印象。アソビが少し大きいかなとは思いますが、ふわふわした感じではなく、これは敢えて狙ったそうです。

女性目線で考えられたハンドル

 ハンドルの感触について、操安を担当したダイハツの大井戸智美さんは次のように答えてくれました。

「女性の運転の仕方をリサーチしたところ、駐車が苦手な人が多く、何度もハンドルを切り返すということがわかりました。それに対応するには操作系が軽いことが必要です。そこが一番のこだわりでした。

 それと運転時の不安感を無くすことが重要。そのためには街乗りでは乗り心地がソフトで安全性が高いことが求められます。それと乗り込みをしやすいようにしたり、天井の圧迫感を取り払ったり、車両感覚がわかりやすいように窓ガラスを工夫したり。ハンドルも軽いだけではなく、真ん中がふわふわさせないように、しっかり重さも加えました」といいます。

 今回、新型「ミラ トコット」を試乗させていただいたのは、「G“SA III”」というグレードです。私としては、足回りはこのままで、ハンドリングだけもう少しシャープなほうがいいかなと思います。腕力の弱い女性だからこそ、とっさにハンドルを切った時にしっかりクルマがアシストしてくれたほうが安心です。

 運転席に座ったとき、助手席側のサイドミラー脇から外が見えるので、死角は少ないです。ただ、シートの背もたれの角度が私には少し微妙なので、もう少し角度調整が細かくできると嬉しい印象です。

 今回の試乗で、気になった部分は、走行中の音です。遮音材が少ないのか、荒れた路面だとかなり風切り音や地面からのノイズが聞こえ、車内での会話も聞き取りにくくなるのが気になりました。

 せっかく女性主導で開発したのですから、おしゃべりが好きな女子たちが全席で会話が楽しめるクルマにして欲しかったと思います。

【了】

ダイハツ「ミラ トコット」と吉田由美さんを画像で見る(32枚)

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