機械式駐車場で愛車が「ボコボコ」になって出てきた… 一体何が起こった? 入庫時“うっかり”注意不足が原因のことも 気づかずに起こる「最悪の悲劇」 どうすればいいのか
「クルマがボコボコ…」 実際にやってしまったらどうする
では、もしサイズオーバーやドアが開いてしまっており、クルマがボコボコになって出てきてしまったら、どうすればいいのでしょうか。
まずは110番で警察に事故処理を依頼することが先決です。次に駐車場の管理会社に連絡し、対応を依頼します。
機械式駐車場の多くには、非常時の連絡先が書かれています。
自身のクルマの破損が最小限で、駐車場の機械設備に損害が出ていなさそうな場合でも、他の格納車両を傷つけたり、機械に何かしらのトラブルを生じさせている恐れがありますので、絶対に連絡を入れましょう。
特に自車に破損があった場合、パーツが散乱している可能性があります。そのままの状態にすると、他の格納車両にパーツが落下したり、機械設備を故障させる可能性があるので、早急な対応が必要です。
入出庫操作の最中に大きな音がした場合も、車両の接触が考えられるので、すぐに非常停止ボタンで操作を停め、管理会社に連絡しましょう。

なお、加入している自動車保険の内容によっては、自身のクルマや破損させた駐車場施設に保険がおりることもあります。
駐車場に損害を与えた場合は「対物賠償責任保険」の補償対象で、自分のクルマがへこんだり傷がついたりした場合には「車両保険」で補償されます。
車両保険は、多くの保険会社で「一般補償型」と「エコノミー型(限定補償型)」の2種類が用意されていますが、「自損事故」を補償するのは一般補償型のみとなることに注意が必要です。
自動車保険は「等級制度」を導入しており、事故で保険を使うと翌年度以降の等級が下がり、保険料が割高となる仕組みになっています。
対物賠償責任保険と車両保険のいずれかまたは両方を使用した場合、通常は「3等級ダウン事故」としてカウントされ、翌年度以降の3年間は保険料が高くなります。
もし駐車場に損害がなく、自車を直すだけで済む場合、傷が小さければ、修理費を自腹で払ったほうが、その後3年間アップする保険料の差額より安くなることもあります。
加入している保険会社や保険代理店に相談し、翌年度以降の保険料の概算額を試算してくれることもありますので確認してみるといいでしょう。
また、保険会社に連絡を入れたとしても、修理費の金額によって保険を使わないという選択も可能ですので、警察や管理会社への連絡が終わったら、ひとまず相談するとよさそうです。
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近年は全高が高いSUVが増えていますが、設計の古い一部の機械式立体駐車場では、全高が155cm以下に限定されていることがあります。
クルマを新しく買い替えたり、レンタカーや代車、知人から借りたクルマなど、普段乗らない車両に乗る際は、必ず駐車場に停められるかどうかをチェックしたほうが良いでしょう。
Writer: 伊勢崎剛志
自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。

































