なぜ? 「突然ETCが使えない!」 首都高も警告する「2030年問題」って? 愛車は大丈夫? さらに「挿しっぱなし」が招く最悪の結末とは
高速道路の利用に欠かせないETCですが、将来的に一部の車載器が使えなくなることをご存知でしょうか。首都高などでは「セキュリティ規格の変更」に関する注意喚起を行っています。また、車載器だけでなくETCカードの扱いにも注意が必要です。多くの人がやりがちな「カードの挿しっぱなし」には、思わぬ落とし穴が潜んでいるのです。今回はETCにまつわる「将来の期限」と「日々のリスク」について解説します。
「2030年頃まで」に一部ETCが使用不可に? なぜ? 見分け方は?
いまや高速道路を利用するクルマの約9割以上が搭載しているといわれるETCですが、将来的に現在使用している車載器が使えなくなる可能性があるとして、以前から話題となっています。
最近では首都高もSNSで注意を呼びかけていますが、具体的にはどのようなコトが起こるのでしょうか。

首都高の道路交通情報公式X(旧Twitter)アカウント(@shutoko_traffic)は、「現在お使いの一部のETC車載器は、最長で2030年頃までに使えなくなります」という内容を投稿しています。
なぜ、今まで使えていたものが使えなくなるのでしょうか。その理由は「セキュリティ規格の変更」にあります。
ETCシステムでは、クレジットカード情報などの重要な決済データを扱っているため、将来的な情報の安全性を確保するために規格を一新する必要があるのです。
今回の投稿では、「旧セキュリティ」に対応した古い車載器は、遅くとも2030年頃までには使用不可になると警告しています。
自分の愛車は大丈夫なのか、不安に思う人もいるでしょう。同投稿では見分け方として、「車載器管理番号」の確認を推奨しています。
車載器本体やセットアップ証明書に記載された19桁の数字を確認し、一番左の数字が「1」なら新セキュリティ対応、「0」なら旧規格の可能性があるため、早めの確認が必要です。
この「旧セキュリティ」に対応した車載器は将来的に使用できなくなるとされており、自身の車載器が新規格に対応しているかどうかの確認が呼びかけられています。
2030年といえばまだ先の話に感じるかもしれませんが、中古車を購入した場合や、長年同じクルマに乗り続けている場合には、一度車載器の規格を確認しておいたほうがよいでしょう。
車載器自体の規格変更は将来の話ですが、日常的な「ETCカード」の取り扱いにおいても、今すぐ見直すべき習慣があります。
それは、ETCカードを車載器に常時挿入したままにすることです。
いちいち抜き差しするのが面倒という理由で入れっぱなしにしているドライバーも少なくありませんが、これには「熱」による破損リスクが伴います。
熱で変形したりICチップが破損したりしたカードでは、料金所での通信エラーを引き起こしかねません。ゲートが開かずに急停車すれば、追突事故やバーの破損といったトラブルに直結するため、クルマから離れる際はカードを抜く習慣をつけることが推奨されます。
また熱による物理的な破損以上に恐ろしいのが、防犯上のリスクです。
外から見える位置に車載器が設置されている場合、カードが挿入されていることは一目瞭然です。
これが「防犯意識が低い」とみなされ、車上荒らしの標的になるリスクが高まります 。
さらに深刻なのは、万が一盗難被害に遭い、カードを不正利用された場合の補償についてです。
多くのカード会社の規約では、車内にカードを放置していた場合に起きた盗難や紛失について「会員に重大な過失がある」とみなす条項が含まれています。
つまり、管理不十分としてカードの補償制度が適用されず、不正利用された金額が全額自己負担になってしまう恐れがあるのです。
数万円程度の被害で済めばまだしも、高額な請求が発生した場合のダメージは計り知れません。
ユーザーの中には「抜き差しを繰り返すと端子が摩耗するのでは」「家に忘れるほうが心配」といった声もあり、運用の手間に悩む人もいるようです。
しかし、破損や盗難による金銭的リスクを考慮すれば、やはりこまめな管理が最善の策といえます。
愛車の車載器が「2030年以降も使えるか」のチェックとともに、日々のカード管理のあり方も、この機会に見直してみても良いかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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