333万円も安い! トヨタの「“最安”ランドクルーザー」が魅力的! 9年ぶり復活の「実用特化モデル」は超シンプル仕様がイイ! 昭和レトロデザインの手頃な「70 AX」 どんなクルマ?

「ランクル」の愛称でお馴染みのトヨタ「ランドクルーザー」。数あるランクルシリーズの中でも、最安モデルはどのようなクルマなのでしょうか。

タフな走りが魅力のランクルシリーズ! 最安モデル「70」の魅力

 70年以上の歴史を刻んできたトヨタ「ランドクルーザー」シリーズ。名前の由来は、「ランド(land)」=「陸」、「クルーザー(cruiser)」を合わせた「陸の巡洋艦」です。

 1951年8月に登場したランドクルーザーは、ネーミング通り「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」をコンセプトに開発されました。

 今回は、ランクルシリーズのなかで最も安価に購入できる「70 AX」をご紹介します。

一番安いトヨタ「ランドクルーザー」とは?
一番安いトヨタ「ランドクルーザー」とは?

 トヨタのランドクルーザーシリーズには現在、豪華な旗艦モデルの「ランドクルーザー300」、中核モデルの「ランドクルーザー250」、そして「ランドクルーザー70」の3つがラインナップされています。

 そのなかでも「ランドクルーザー70(以下、ランクル70)」は、高い走破性と実用性で高い人気を誇ります。

 ランクル70は1984年に発売されました。強靭なフレームと高い走行性能、そしてシンプルな構造が特長で、スタック状態からも容易に脱出できるタフな走りが魅力です。

 2004年8月に日本では一旦生産終了となりましたが、シンプルさや質実剛健なつくりを変えずに進化を重ね、世界各地でランドクルーザーシリーズの“ヘビーデューティー”モデル、いわば「究極の実用モデル」として生産が続けられていました。

 2007年には豪州で大幅マイナーチェンジモデルが登場。1984年のデビューから30年が経過した2014年、この大幅マイナーチェンジモデルが台数限定で日本にも導入され、すぐに完売します。

 そして、2023年8月、ランドクルーザー250の登場とともに、再び大きな改良が施され、日本国内への導入もアナウンス。11月29日に国内での販売が再開され、「再再販」を遂げたのです。

 現行モデルでは、70の基本性能はそのままに、内外装のデザインのリフレッシュだけでなく、パワートレインや操縦安定性、安全装備などがパワーアップされ、“ランクル”ファンやオフローダーファンから多くの注目を集めました。

 ボディサイズは全長4890mm×全幅1870mm×全高1920mm、ホイールベース2730mm。

 現在販売されているランクルシリーズでは、最もコンパクトなサイズです。

 エクステリアは、直線ラインを用いた初期モデルの角ばった雰囲気を継承しつつ、アルミ製サイドステップ(ブラック)やバンパー埋め込み式リアコンビネーションランプなどの近代的な機能を装備。

 ボディカラーは3色用意され、「ベージュ」「スーパーホワイトII」「アティチュードブラック」のラインナップです。

 その中でもベージュは1980年代のランドクルーザーをイメージさせるブランドカラーとして注目されました。

 インテリアはシンプルな設計で統一され、指針式のアナログメーターやサブゲージ、マニュアルエアコンは実用性を優先。

 シンプルな運転席ながら、本革巻きステアリングホイールに木目調を採用し、上質な雰囲気を演出しています。

 また、6:4分割可倒式リアシートが採用され、シーンにあわせて室内空間を活用可能。

「観音開き式」のバックドアは、左右非対称のドアで左側だけを開けて荷物を積載することもできます。

 安全面では、旧モデルながらもトヨタの先進技術を結集した予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備。

 衝突回避を支援する「プリクラッシュセーフティ」や、標識の見逃しを防ぐ「ロードサインアシスト」など、安心して運転できる機能が充実しています。

 パワーユニットには、2.8リッター直噴ターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力204ps、最大トルク500Nmを発揮。

 パワフルなだけでなく燃費性能も重視したパワーユニットは、10.1km/L(WLTCモード)の数値をマークしています。

 そして、過酷な路面状況にも対応できる電動デフロックや、ランクルならではの駆動力と制動力制御システムを採用。

 コンセプト通りの、どんな路面にも追従できるタフな走行性能を叶えています。

 さらには、サスペンションの改良や6速オートマチックトランスミッションの採用など、高い次元での悪路走破性を叶えています。

 また、ランドクルーザーの堅牢性を支えるラダーフレームも引き続き採用している点にも注目です。

 堅牢で耐久性のあるラダーフレームは、悪路の走破性はもちろん、一般道での乗り心地も考慮されています。

 そんなランドクルーザー 70に用意されたグレードは「AX」のみ。販売価格は(消費税込)は480万円です。

 ランドクルーザー250のエントリーモデル「GX」の販売価格は520万円、そして、シリーズ最上級となるランドクルーザー300「GR SPORT(ディーゼル)」の販売価格は813万6700円。333万円もの差があります。

 他モデルやグレードと比較するとランドクルーザー70 AXはとてもコスパの良い車種といえるでしょう。

 ランクルならではの高い走破性と伝統のデザイン、そして再販によりパワーアップした基本性能は、オフローダーファンにとって大注目の一台といえるのではないでしょうか。

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Writer: TARA

トヨタ自動車のある愛知県在住。学生時代にクルマやバイクに魅了される。大手オイルメーカーに就職し、自らもモータースポーツに参戦開始。その後は鈴鹿サーキットで勤務しつつ、カートレースやバイクレースを経験。エンジンやサスペンション、タイヤや空力などの本格的な知識を得る。現在はプライベートでさまざまなクルマやバイクに触れながら、兼業ライターとして執筆活動に勤しむ。現在の愛車はトヨタ ヴォクシー/ホンダ N-BOX。

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