「雪国専用」!? “謎”バージョン「寒冷地仕様車」どう違う? 知ってるようで知らない「装備差」何があるのか
「プリウス」の寒冷地仕様が4WDにオプション設定されない理由とは
続いてエンジン回りも見てみましょう。
エンジン冷却水は、通常濃度である「30%」のままではマイナス15度ぐらいで凍結し、ラジエターや配管を破損する恐れがあります。
そのため、寒冷地仕様車のエンジン冷却水には、およそマイナス35度まで凍結を防止する「50%濃度冷却水(LLC)」に変更されています。
![積雪地以外でも「寒冷地仕様」は役に立つ!?[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2025/12/20241225_Winter_SNOW_Traffic_Accident_pixta_30693546_M.jpg?v=1735103877)
なおプリウスの場合、寒冷地仕様車がオプション設定されているのは2WD車でのみで、雪国で重宝する4WD車にはなぜか設定がありません。
実は4WD車には、寒冷地仕様が最初から「標準装備」となっているのです。こうしたケースは、他社も含め多く見られます。
雪国以外のユーザーが4WDを選ぶことが少ないことから、仕様を分けずに1本化しているものと思われます。
ちなみに装備がプラスされているので、寒冷地仕様車は価格もプラス料金がかかります。
プリウスの場合、寒冷地仕様車を選択するとプラス2万900円から3万800円(価格は消費税込み)となります。
なお価格差があるのは、グレードによっては一部装備が標準装備されているためです。
クロスカントリー型四輪駆動車の人気モデル「ランドクルーザー250」についても見てみましょう。
こちらは全車が寒冷地仕様が標準装備となっています。
また、より過酷な悪路走行を想定したモデルだけに、プリウスの寒冷地仕様車には設定がない装備が用意されています。
例えば「ウォッシャー液レベルウォーニング」は、ウォッシャー液が残りわずかになった際に、マルチインフォメーションディスプレイに警告メッセージを表示するものです。
「ビスカスヒーター」は、電気式の補助ヒーターにプラスして冷却水を早く暖めます。
このほか、冬場のエンジン始動性や、電装品利用などを考慮した「大容量バッテリー」、発電流用の高い発電性能を持った「高性能オルターネーター」、冬場のエンジン始動性能を高めた「高容量スターター”などが装備されます。
冬季の悪路走行でも安心して走破できる装備といえます。
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ホンダ、マツダ、スバルの各モデルに関しては、全車が寒冷地対応(OEM車等除く)となっています。
寒冷地に居住しているドライバーにとって寒冷地仕様車は、冬季に安全で快適にクルマを利用するためにマストなものです。
ただ、温暖な地域の居住者でも、悪天候時の安全性が高まる機能も付与されています。
特にウインタースポーツを積極的に楽しむドライバーは、寒冷地仕様車を選んでおくのが良いでしょう。


















































