トヨタ新型「RAV4」初公開!独自進化で“物理ボタン”廃止! 巨大画面&ガソリン車継続の現地仕様、中国市場に投入へ
トヨタは中国で6代目となる新型「RAV4」を発表。注目は独自の「現地化」。内装はトレンドに合わせ物理ボタンを廃止し、15.6インチ巨大画面を採用。さらに日本や北米で廃止された純ガソリン車も設定するなど、徹底して市場ニーズを反映した仕様となっています。
中国向けトヨタ「RAV4」発表 日本と異なる内装で現地の声反映
世界的にヒットを記録しているトヨタのSUV「RAV4」。
2025年5月には6代目となる新型モデルがワールドプレミアされ、今回、中国でも発表されました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。

1994年に誕生したRAV4は5ナンバーサイズの小型クロスオーバーSUVとして、バブル経済崩壊後のアウトドアブーム真っ只中に投入されました。
その後、主に北米市場を重視した販売戦略を取り、徐々にボディを大型化、2013年に発売された4代目モデルは海外専売車種になるなど世界戦略SUVとしてのポジションを確立。
2018年に登場した5代目モデルでは新プラットフォーム「GA-K」を採用し、ボディとエンジン、内外を大幅に刷新しました。
主要市場である米国市場では2024年に47万5193台を販売、ピックアップトラックを除くモデルでは販売台数において長年首位を独占しています。
前述のとおり2025年5月には6代目にフルモデルチェンジすることがアナウンスされましたが、パワートレインは純ガソリンモデルを廃止、ストロングハイブリッド(HEV)かプラグインハイブリッド(PHEV)のみとなって話題を呼びました。
RAV4の人気は中国でも高く、毎月2万台前後を販売しています。
トヨタは中国にて第一汽車との「一汽トヨタ」、広州汽車との「広汽トヨタ」の2つの合弁会社が存在。RAV4は前者、そして後者では姉妹車「ワイルドランダー」を製造・販売しています。
広汽トヨタのワイルドランダーは月間1万台前後を売り上げており、RAV4と合算すると中国でテスラ モデルYに次いで人気なSUV車種となります。
そんな中、2025年11月21日からスタートする広州モーターショー2025を前に、先行して中国向け新型RAV4が発表されました。
発表されたRAV4は、基本的には日本で2025年度内に発売を予定している6代目モデルとなります。
ワールドプレミアではエクステリアデザインの異なる3種類のモデル「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」が用意されることが明かされましたが、中国向けRAV4は「ADVENTURE」に準拠しています。
ただ、広州モーターショー2025で発表を控えているRAV4の姉妹車「ワイルドランダー」ではRAV4の「CORE」モデルをベースとしているのが事前に判明しており、中国ではそれぞれ別車種として展開される形となります。
また、中国向けRAV4は「ADVENTURE」に準拠しているものの、ワールドプレミアで展示された個体に設定されているルーフレールが装備されておらず、ルーフはすっきりとした印象を感じさせます。
ホイールは18インチアルミホイールを2種類、20インチアルミホイールを1種類の合計3種類から選択可能で、20インチホイールのデザインは「CORE」と同一デザインになります。
ボディサイズは全長4620 mm x 全幅1855 mm x 全高1680 mm、ホイールベース2690 mmとなり、この点に関してもワールドプレミア時のスペックと同一です。
パワートレインはA25A-FXS型2.5リッター直列4気筒エンジン(一汽トヨタではA25Fと呼称)搭載の「2.5リッターHEV」、M20A-FXS型2.0リッター直列4気筒エンジン(一汽トヨタではM20Hと呼称)搭載の「2.0リッターHEV」、そしてM20A-FKS型2.0リッター直列4気筒エンジン(一汽トヨタではM20Dと呼称)搭載の「2.0リッター純ガソリン」の3種類を用意します。
新型RAV4は日本や北米ではHEVもしくはPHEVのみのラインナップとなったのに対し、中国では依然として純ガソリンモデルが残されている形となります。
インテリアも基本的にはワールドプレミア時と同じであるものの、ディスプレイ周りに違いが見られます。
ワールドプレミアではセンターディスプレイに太めのベゼルを設け、下部にメディア音量調整用ダイヤルやエアコン操作用ボタンを配置していましたが、中国仕様ではより大きめの15.6インチディスプレイへ変更、下部のボタン類を撤廃したすっきりとしたデザインです。
中国では物理ボタンを排して各種操作をディスプレイ内で行なえるようにするのがトレンドであり、新しいRAV4もその声を反映させた形です。
一方、インストルメントパネルのディスプレイはワールドプレミアより小さめになっています。
他にも、ディスプレイの機能性を向上させるクアルコム製Snapdragon 8155Pチップセットの採用や、256色のアンビエントライト機能、2方向に開閉可能なセンターコンソールボックスといった装備をアピールしています。
新型RAV4は2025年11月21日より開幕する広州モーターショー2025にて価格を発表し、販売開始する予定です。
トヨタは新型RAV4をお披露目した同じ場所で、今後も純ガソリン車やHEV、BEVに加えてPHEVやEREV(発電用エンジンを備えたEV)も中国向けに開発して市場に投入すると表明しました。
パワートレインの選択肢が多様化している中国市場においても、トヨタならではの「全方位戦略」で中国の新興ブランドとは異なる柔軟なラインナップを展開する形です。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。


























































