トヨタ新「ターボ トレイル クルーザー」公開! 380馬力超え「V6TT」搭載の「ハイパフォーマンス仕様」! カクカクデザインの斬新モデル米国に登場
トヨタが1985年製の「ランドクルーザー(60系)」に、現行タンドラのV6ツインターボを搭載した「ターボ トレイル クルーザー」を発表しました。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
389PSの「ターボ トレイル クルーザー」
2025年11月5日から8日まで米国ラスベガスで開催された「SEMAショー2025」において、トヨタが出展した「Turbo Trail Cruiser(ターボ トレイル クルーザー)」が注目を集めています。
このクルマは、時代を超えた魅力を持つ「ランドクルーザー (60系 前期型)」に、トヨタの最新鋭i-FORCEツインターボV6エンジンを融合させた、魔改造ともいえるモンスターマシンです。

ベースとなったランクル60は、1980年8月に55系の後継として登場した本格クロスカントリー4WDです。それまでの無骨な実用本位のイメージから、ラグジュアリーな乗用車テイストへと大きく進化しました。
今回ベースとなった前期型(1980年〜1987年)は、愛好家から親しまれる丸形2灯ヘッドライトが特徴です。直列6気筒エンジン(4.0・4.2リッターガソリンおよび4.0ディーゼル自然吸気/ターボ)とパートタイム4WDを搭載し、優れたオフロード走破性とオンロードの快適性を両立させていました。
ターボ トレイル クルーザーは、現代のトヨタの技術を、古いプラットフォームにシームレスに移植する試みです。トヨタによれば、これは「レストア」であり「ホットロッド」であり、「そのすべてがトヨタである」としています。
パワートレインには、現行「タンドラ」に搭載されているi-FORCE 3.4リッターV6ツインターボエンジンを採用。最高出力は389馬力、最大トルクは約650N・mを発揮します。これは、ランクル60が元々搭載していた直列6気筒エンジン出力のほぼ2倍です。
パワートレインの変更は、単なるパワーアップだけが目的ではなく、より静かな操作性、洗練性、排出ガスの削減、燃費の向上も実現しています。
多くのカスタムカーとは異なり、ターボ トレイル クルーザーは「工場出荷時のオリジナルに見える」という一貫したコンセプトをもって作られています。
また、すべてのコンポーネントは、1985年式ランクル60のボディやシャシーなどへの切断や、構造の変更なしにフィットするよう開発されています。
トヨタモータースポーツガレージのチームは、V6エンジンをランクル60の純正5速トランスミッションのベルハウジングに結合させるためのアダプタープレートや、オイルパンなどを再設計しました。
また、ターボエンジンの冷却用に新しい熱交換器を純正マウントで取り付け、カスタムワイヤーハーネスで運転のしやすさも担保しています。
足回りでは、約38mmの控えめなリフトアップや、35インチタイヤへの換装が行われています。
塗装はトヨタの1986年当時の純正色「シルバー 147」で仕上げられました。室内には、現代的なJBLステレオシステムがさりげなく追加され、ヴィンテージなキャビンの体験を向上させています。
この車両は、トヨタの「マルチパスウェイ(全方位)戦略」において、ガソリン車がいかに重要な役割を果たし続けるかを示すものとして、2025 SEMAショーのトヨタブースで展示されたものです。
この戦略は、従来のエンジンからハイブリッド、プラグインハイブリッド、バッテリーEV、そして水素燃料電池に至るまで、顧客がニーズに最も適したパワートレインを自由に選択できる自由を提供するという、トヨタのコミットメントを反映しています。
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このターボ トレイルクルーザーは、特別なプロジェクトのプロトタイプで公道走行不可、市販の予定はないとのことです。しかしもし、販売されるとなれば、相当なプレミアがつくと予想されます。ロマンあふれる1台です。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。
























































