スズキの超本格「“後輪駆動”スポーツカー」に反響殺到!「これ公道走行できるの!?」「欲しくてたまらん」と驚きの声! ロングノーズに爆速「隼エンジン」搭載! 車重わずか“550kg”の「隼プロトタイプ」がスゴイ!
かつてスズキスポーツが提案したライトウェイトスポーツカー「隼プロトタイプ」とは一体どのようなクルマだったのか、その概要と反響を振り返ります。
スズキの超本格「“2人乗り”FRスポーツカー」に反響殺到!
2026年1月9日から11日まで、幕張メッセ(千葉県千葉市)では、日本最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2026」開催されます。
例年、自動車メーカーやカスタムパーツメーカーから、最新のカスタムカーなどが登場し注目を集めますが、同時に、過去に登場した先見的なコンセプトカーも、クルマの歴史を物語る上での重要な指標となります。
本記事では、かつてスズキのモータースポーツ部門だったスズキスポーツ(現:モンスタースポーツ)が2002年の「東京オートサロン」で発表し、多くの自動車ファンの記憶に残った「隼プロトタイプ」について振り返ります。

この隼プロトタイプは、市販化を視野に入れて開発された、公道走行可能なライトウェイトスポーツカーのコンセプトモデルです。
そのベースとなったのは、JAF公認のスピード競技である「全日本ジムカーナ選手権」の主力車両として活躍し、2006年までワンメイクレースも行われたレーシングカー「フォーミュラ・スズキ隼」。
同車をレースで見たファンから「こんなクルマで公道を走りたい」という熱烈な要望が寄せられたため、それに応える形でスズキスポーツが開発に着手したといいます。
そして開発にあたってはスズキ本社から公道走行のノウハウを享受しつつ、ベース車の走行性能とデザインを最大限に活かすことが目標とされました。
そんな隼プロトタイプ最大の技術的特徴は、その極端な軽量化にあります。
一般的なライトウェイトスポーツカーが車重1000kg前後であるのに対し、隼プロトタイプはそのほぼ半分にあたる「550kg」という驚異的な軽さを実現。
これにより、搭載するエンジンが小排気量であっても、怒涛の加速性能とシャープなハンドリングを引き出すことが可能になりました。
シャシーと車体はスズキの純正部品を巧みに組み合わせることで、フルオリジナル設計でありながら、低コストかつ高い独創性を持つクルマに仕上がっています。
ボディサイズは全長3790mm×全幅1760mm×全高1100mmと、超ワイド&ローのスポーティなディメンションを採用。
エクステリアには、乗り降りのしやすさを考慮したガルウィングドアを採用し、ボディ素材はカーボンファイバーを使用したFRP製です。
スタイリングは、スズキスポーツ工場内のムービングベルト式風洞施設でテストが繰り返され、空力特性に優れたボディ形状に仕上げられています。
特に、平らな床からテール部分にかけて滑らかに上るボディラインは、空力性能を磨き上げた結果の形状です。
パワーユニットには、「世界最速のバイク」を記録したスズキの輸出用バイク「GSX1300R 隼」用の1.3リッター水冷4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載。
最高出力175馬力/9800rpm・最大トルク138Nm/7000rpmという高出力を発揮し、後輪を駆動して軽快な走りを披露します。
フレームはスズキの協力のもと衝突試験シミュレーションと解析が行われ、公道走行に必要な安全性もしっかりと確保されていました。
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残念ながら、この隼プロトタイプが市販化されることはありませんでした。
しかし出展から約23年が経過した現在も、SNSなどインターネット上では「これ…公道走行できるの!?」「こういうクルマを200万円くらいで出せば需要あると思う」「そのまま販売されんか?」「今も欲しくてたまらん!」「お蔵入りになっちゃったのが残念すぎる」といった、市販化を望む声が絶えません。
通常のコンセプトカーにとどまらず、公道走行可能な市販モデルを想定して開発されただけに、隼プロトタイプは長い年月が経過した今も多くのユーザーの記憶に残り、その挑戦的な姿勢と熱意はスズキの遊び心の象徴として輝き続けているのです。
Writer: パワーボム
関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。




























