初代BMW「ミニ」の特徴はトヨタ「ヴィッツ」より“重い”こと!? 話題のAIが謎回答! “ゴーカートフィーリング”を現代的に磨き上げた「R50」のヒミツとは

生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」に2002年からBMWグループが開発・販売を行う「MINI(ミニ)」の初代モデルについて聞いてみたら、どんな答えが返ってくるのか…モータージャーナリストの萩原秀輝さんがその結果に対して、リアルな視点でコメント。果たしてAIの選定力は信用できるのか、それとも…。

なぜ“コンパクトなのに重い”のか?

 BMWが手がけた初代「MINI(R50型)」は、当時のトヨタ初代「ヴィッツ」よりも200kgも重かったのです。さっそくチャットGPTに質問してみると、的を射た回答がある一方で、思わずツッコミたくなる部分も見えてきました。

Bセグメントとしては重かったが、そのぶん剛性と操縦性を重視した設計が光る初代「MINI(R50型)」
Bセグメントとしては重かったが、そのぶん剛性と操縦性を重視した設計が光る初代「MINI(R50型)」

 生成AIの定番になっているチャットGPTに質問をして、回答にツッコミを入れるというイヤラシイ企画。回答の即応ぶりは、人間ワザでは不可能で内容も真っ当。でも、オヤッと思うことが少なくありません。

 さて、今回はBMWにと同様に皆さんの関心が高いMINIのトリビアをテーマにしましょう。クラシックminiではなく、BMWが手がけるようになってからのMINIについてです。クルマ界では最激戦区となるBセグメントのハッチバック市場にいきなり参入するだけに、ハンパな取り組みでは返り討ちにあってしまいます。

 さっそく、チャットGPTに質問をしてみましょう。ここは簡潔に“BMWが手がけた初代のミニ(R50)は当時の同セグメントの日本車、例えばヴィッツと比べて何が違ったのでしょうか”に対して、いつもの通り数秒で回答が。主な違いとして、5つに整理されています。まとめると、MINI=デザイン・走り・ブランド体験、ヴィッツ=合理性・実用性となっています。

 その通りですよね。特にブランドについては、販売ネットワークを含めゼロスタートで立ち上げたわけですから。でも、この連載で紹介するまでもない内容でトリビアにもなっていません。そこで、直球のツッコミとして“理解に範囲なので、もっとトリビアになるような違いはありませんか”と質問してみました。

 すると“では「マニアがニヤッとする」ようなトリビア的な違いをいくつか挙げますね”と7つの回答が。6つ目までは、トリビアとしては物足りないかなと思っていたら7つ目に自分の確信をついてきたからチャットGPTには驚いてしまいます。

 ズバリ“車両重量”と。ただ“ヴィッツ:最小クラスで800kg台〜 MINI:1200kg前後と同クラスでかなり重い”と回答。おやおやチャットGPTさん、1200kgを超えるR50なんてありませんよ。

 いずれにしろ、性能を合わせると2001年に日本市場に導入されたMINIのクーパーは1140kgで2000年式ヴィッツのRS(1.5リッター仕様)は940kg。つまり、200kgも重かったのです。

 エンジンはどちらも直列4気筒、MINIは1.6リッターのSOHCでヴィッツが1.5リッターのDOHC。ボディは、MINIの方が幅は広くヴィッツの方が背は高いものの大差はありませんでした。

 続いて“7.車両重量で、なぜそんなに差がついたのでしょうか”と質問。回答の主な理由は5つあり1.では剛性と安全性を最優先、としています。具体的には“MINIは「小さいけれどもBMWらしい走り」を目指したので、ボディ剛性を徹底的に高めました”と的を射ています。

 ここでトリビアにしたいのは、まさにボディ剛性なんです。ヴィッツに限らず日本車のBセグメントは、当時も今もプレミアムであることを目指していていません。最優先されているのは、合理性と実用性です。

 MINIは、市場に初参入しただけではなくプレミアムとして位置付けを確立するために一切の妥協をしていません。デビュー直後にイギリスにあるオックスフォード工場を取材しましたが、ボディの組み立てで骨格の重要箇所に隔壁まで入れていたのです。重量が増すことも、工数が多くなることでコストが高くなることも承知の上です。

 その結果として、現在も続いているMINIならではのシャープな操縦性「ゴーカートフィーリング」を実現。ボディ剛性が極めて高いためにネジレが生じず、ステアリング操作に対してフロントにリアが即応。フロントがスパッと向きを変えるのと同時に、リアがグッと踏ん張る。安心感という裏付け付きで、コーナーを駆け抜けることが楽しくなる操縦性が獲得できました。

 当時、Bセグメントのハッチバックにもシャープな応答性を特徴にしているモデルが他にもありました。でも、多くはステアリングのギア比をクイックにするとかフロントに対してリアの安定性を抑えることで曲がっているような気分にさせている例が少なくありません。

 MINIは、感覚ではなく理屈で曲がっています。その理屈を遡ってみると、ヴィッツよりも200kg重いことで獲得したボディ剛性の高さにいきついたわけです。

【画像】超カッコイイ! これが初代BMW「ミニ」です!(35枚)

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Writer: 萩原秀輝

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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