「走行中にガタガタ…」 タイヤ交換後の“脱落事故”が北海道で相次ぎ発生! 自分でタイヤ交換をおこなうときの注意点とは?

11月に入り、冬タイヤの脱落事故が相次いでいます。自動車ユーザーの中には自分でタイヤ交換をおこなう人も少なくありませんが、一体どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

タイヤのナットは緩すぎ・締めすぎNG “規定トルク”で締め付けを!

 11月に入り、北海道や東北地方を中心に初雪が観測されています。地域によってはすでにクルマのタイヤ交換を済ませている場合があるほか、これから冬タイヤに交換しようと考えている人もいるでしょう。

危険な脱落事故を起こさないために「タイヤ交換」で注意すべきことは?(画像はイメージ、PRock/PIXTA)
危険な脱落事故を起こさないために「タイヤ交換」で注意すべきことは?(画像はイメージ、PRock/PIXTA)

 そのような中、タイヤ交換をおこなった後にタイヤが脱落する事故が相次いでおり、2025年11月7日の朝には、北海道森町の国道を走行中だった軽乗用車から左前のタイヤが脱落し、軽乗用車の車体が道路と接触する事故が発生しました。

 この事故では幸い、脱落したタイヤが周囲の人にぶつかることはありませんでしたが、車体が道路に接触して、路上に20m程度の傷ができました。

 警察によると、軽乗用車のドライバーは「走行中に振動を感じていた。親族にタイヤ交換をしてもらったばかりだった」などと話しているということです。

 なおタイヤのナットが外れていた一方で、ボルトに破損がなかったことから、警察ではタイヤ交換時の締め付けが十分でなかった可能性があるとみて、事故の詳しい状況を調べています。

 さらに11月11日の未明にも、北海道小平町の国道において走行中の普通乗用車から左後ろのタイヤが脱落する事故が起きました。この事故でもタイヤに巻き込まれた人や車両はありませんでした。

 警察によると、タイヤは事故の約1週間前にドライバーの男性が交換したばかりだったということで、男性は「走行中にクルマがガタガタ揺れて、タイヤが脱落した」と話しています。

 このようにユーザー自身でタイヤ交換をおこなった結果、何らかの不備によってタイヤが脱落してしまう事故はたびたび発生しています。では自分でタイヤ交換をおこなう場合、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

 大前提として、タイヤ交換の際はクルマが動き出さないようシフトレバーを「パーキング」に入れてサイドブレーキをかけるほか、広く平らな場所を選ぶことが大切です。

 また、タイヤ交換時は以下のような手順で作業をおこなうのが一般的です。

ーーー
1. タイヤのホイールキャップを外す
2. タイヤのホイールナットを少し緩めておく
3. ジャッキアップポイントにジャッキをかけ、タイヤが路面から少し離れるくらいまで持ち上げる
4. タイヤのホイールナットをすべて外して、タイヤを取り外す
5. 別のタイヤ(冬用タイヤなど)を取り付け、ホイールナットを付ける
6. タイヤレンチを使い、ホイールナットを仮締め(仮止め)する
7. ジャッキで車体を下ろす
8. ホイールナットを本締めする
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 上記3のジャッキアップポイントとは、車体を持ち上げる際にジャッキを当てる位置のことです。この位置以外にジャッキを当てると車体が傷付いたり、ジャッキが外れて事故につながったりするおそれがあるため注意が必要です。

 ジャッキアップポイントは車種によって異なることから、クルマの取扱説明書などで確認しておきましょう。

 そしてタイヤの脱落に関して注意したいのは、ナットの取り付け方法です。上記8にあるナットの「本締め」は、トルクレンチで規定の強さ(締め付けトルク)まで締めることが重要です。

 締め付けが緩くても、逆にきつすぎてもタイヤの脱落事故につながる危険があるため、規定のトルクでナットを締めることを意識しましょう。この締め付けトルクは車種ごとに決まっていることから、事前にチェックしておくべきといえます。なお、締める順番は対角線上にあるナットを順々に締めていくようにします。

 加えて、ホイールナットやボルトにサビ・ゴミが付着しているといった部品の不備でタイヤの脱落につながるケースもあります。タイヤを取り付ける前に、部品の状態をチェックしておくようにしましょう。

 さらに驚くべきことに、ホイールナットを逆向きに取り付けている事例もみられます。ナットを逆向きに取り付けると走行中に緩みやすいため、ナットは丸みを帯びている方を内側にして取り付けることも注意すべきポイントです。

※ ※ ※

 タイヤ交換後、走行中に異音や振動があるような場合はただちに運転を止め、クルマの状態をよく確認するほか、整備工場で点検してもらうことが肝要です。

 またタイヤ交換後は異常がなくても、ホイールナットやボルトの緩みがないかなど、クルマの定期点検をおこなうことが事故防止に効果的といえるでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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