国交省が「26台の重量オーバー車」に“行政指導” 超・悪質「ルールガン無視の特殊車両」を“強制排除”! 「高速降りなさい!」命令も? 危険すぎる「規格外車両」 合同取締で一斉検挙

国土交通省 関東地方整備局は大型車に対する「首都圏大規模同時合同取締」で計26台に行政指導を実施しました。

道路破壊する「規格外車両」は逃しません

 国土交通省 関東地方整備局は2025年11月7日、大型車に対する「首都圏大規模同時合同取締」を実施したと発表しました。

 20のエリアで計26台に行政指導を実施したといいます。一体何があったのでしょうか。

重量のある車両の例(画像:PIXTA/イメージです。今回の事案とは無関係です)
重量のある車両の例(画像:PIXTA/イメージです。今回の事案とは無関係です)

 合同取締を行った理由は、「重量超過車両の走行による道路へのダメージや重大事故を削減して、道路ネットワークの長寿命化及び持続的な物流の実現を目指すため」だといいます。

 道路は高度経済成長期に集中して事業化が進み、多くで半世紀以上が経過しました。国土交通省によると、2035年には橋りょうの約65%が建設後50年を経過すると明らかにしています。

 経年劣化も著しく、舗装が傷んだり、トンネル壁の崩落など、目に見える部分の劣化だけでなく、高架基礎部の劣化など、内部構造にも非常に危険な腐食などが発生しています。

 道路を安全・安心して通るために、限りある財源のなかで適切に維持管理し、いかに道路の寿命を延ばしていくかが喫緊の課題だといいます。

 実は道路を通行する車両については、道路法第47条および車両制限令において、通行できるクルマの大きさや重量の上限(一般的制限値)を定めています。

 具体的には長さ12mまで×幅2.5mまで×高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)まで、総重量は20t(高速自動車国道または指定道路は25t)まで、軸重10tまで、最小回転半径12mまでです。

 これを超えた車両は原則通行できませんが、大型資材の運搬や超大型クレーン車の移動などでどうしても超えてしまう場合があります。

 その時は「特殊車両(特車)」として、走行機会毎に運行経路や道路管理者の許可、車両の詳細を記した説明書などの書類を集め、「特殊車両通行許可」を受ければ、例外として特別に通行することができます。

 しかし、なかにはこうした正しい手続きを行わずに重量オーバー車の特車を通行させるドライバーや事業者が後を絶ちません。

 重量オーバーは道路構造物を急速に劣化させる元凶であり、例えば軸重を基準最大値の10tから2倍超過した状態(20t)で通れば、道路橋に対する疲労は軸重10t車の「4096台」走行に相当するという、途方もない大ダメージを与えます。

 さらに、重量オーバー車はブレーキも効かず、カーブも曲がりづらくなり、スリップ事故や横転・転覆の重大事故に至る可能性もあります。

 事故に至れば超大型の積荷が散乱し、長時間の通行止めを余儀なくされます。周りのクルマにこれらの積荷が当たれば、命に関わることは避けられません。

 こうしたことから、国土交通省では2016年に「大型車通行適正化に向けた関東地域連絡協議会」を設置して、関係各機関とともに重量オーバー車の取締を実施しています。

 今回実施された大規模同時合同取締は、2025年11月6日に実施しました。

 関東地方整備局、東京都、埼玉県、首都高速、NEXCO東日本、NEXCO中日本と合同で、首都圏の1都8県で大型車を徹底的に調べました。

 全93台を調べたところ、道路法に違反する重量オーバー車が26台、道路運送車両法に違反する不正改造の大型車が1台見つかり、その場で「措置命令」が4台、「指導警告」が22台、「整備命令」が1台に発令されました。

 道路法における措置命令とは、れっきとした行政処分のひとつです。主に4パターンがあり、命令されたことを守れば、再びクルマを動かして良いことになります。

 その4パターンというのは、「指定した場所ですぐに高速を降りなさい」「安全な場所へ移動し、通行できる重量まで荷物を減らしなさい」「安全な場所に移動し、特車通行許可が降りるまで待ちなさい」「指定した時間や通行方法を記すので、それを守って通行しなさい」というものです。

 ちなみに措置命令を繰り返し受けると、事業者名の公表のみならず、NEXCOからは「大口・多頻度割引制度」の停止や特車通行許可の「却下」、さらに今後通行許可が下りなくなったり(要するに出禁)、刑事告発されると会社と運転手それぞれに「100万円以下の罰金」が科される可能性もあります。

 国土交通省は「今後も安全・安心して暮らせる社会の実現を目指し、『重量守り、道路を守ろう』を合言葉に大型車両の通行適正化を推進してまいります」としています。

【画像】「えっ…!」これが実際に捕まった「規格外の重量オーバー車」です(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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