7年ぶりの全面刷新! トヨタ「新型RAV4」まもなく発売! 精悍スタイル×全長4.6mの「ちょうどいいサイズ」! 3つの顔とスゴい“頭脳”も得た「ベストセラーSUV」に注目

「ジャパンモビリティショー2025」で実車が披露されたトヨタの新型「RAV4」。全高を抑えた精悍なスタイルに加え、パワートレインはすべて電動化。新世代車載OSを初搭載するなど、全方位で進化を遂げています。

電動化+新OSで生まれ変わる新型「RAV4」が見せた「次世代SUV」の姿

 従来型よりワイドでスポーティなスタンスを得たボディに、新世代OS「Arene」を搭載したトヨタ新型「RAV4」。

 電動化時代にふさわしいスマートSUVへと生まれ変わった、その進化の全貌について紹介しましょう。

トヨタを代表するミドルクラスSUVが全面刷新で生まれ変わった!
トヨタを代表するミドルクラスSUVが全面刷新で生まれ変わった!

 2022年には、トヨタの全車種中で唯一100万台を超えるグローバル販売台数(101万6000台)を記録し、1994年発売の初代より30年間の累計販売は1500万台に達するなど、ミドルクラスSUVのRAV4は、いまやトヨタを代表するベストセラーモデルとなりました。

 2025年5月21日、そんな重要車種がおよそ7年ぶりの全面刷新(フルモデルチェンジ)を実施し、日本で2025年度内に発売すると明らかにされました。

 通算6世代目となる新型RAV4ですが、2025年10月29日から11月9日まで開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」で、初めて一般向けに披露されています。

 会場では、ベーシックな「コア」、力強いデザインの「アドベンチャー」、走りを重視した「GRスポーツ」の3タイプが並んで展示されました。

 全長4600-4645mm×全幅1855-1880mm×全高1680-1685mmと、従来モデルより全高は5~10mm低く、ワイドスタンス化されたことによる影響か意外に背が低く感じられ、それによって従来モデルよりも精悍でスポーティなSUVという印象を受けます。

 エクステリアは、3モデルがそれぞれの個性を明確に打ち出しながらも、RAV4らしさをしっかりと継承。

 ヘッドライトやボディラインにはトヨタ最新のデザインモチーフが取り入れられ、より洗練されたスタイルに仕上がっています。

 インテリアは上質でシンプルなデザインが特徴で、インパネ上部を従来モデルよりも約40mm下げたことで前方視界は大きく改善。広い視界と開放感を実現しています。

 中央に大型ディスプレイを配置し、運転席前方にも液晶メーターを採用。一方、よく使う機能は物理スイッチとして残されており、操作性も十分配慮されています。

 シフトレバーは、コアとGRスポーツがスイッチ式、アドベンチャーは従来型ノブ式を採用するなど、モデルごとの特性に合わせた設計がなされています。ラゲッジ容量も733Lから749Lへ拡大し、実用性もさらに向上しています。

 パワートレインはガソリン車を廃止し、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の電動モデルに統一。コアはHEVとPHEV両方を設定、アドベンチャーはHEV専用、GRスポーツはPHEV専用となります。

 いずれもE-Four(4WD)を採用し、空力やサスペンションなどは各モデル専用にチューニングされています。

 なかでもPHEVの進化は大きく、バッテリーの大容量化とユニット効率の向上により、EV走行距離は従来の95kmから150kmへ約1.6倍に拡大。モーター出力も12%向上し、加速性能も格段にアップしました。

 さらに水冷式バッテリーを採用し、DC急速充電にも対応。日常使いではEVとして、長距離ではハイブリッドとして走れる万能さが最大の魅力です。

 HEVも制御やモーター出力の見直しにより、より滑らかで静かな走りを実現したとしています。

 また、トヨタ独自開発の新世代車載OS「Arene(アリーン)」が初搭載されたことも、新型RAV4における大きなトピックです。

 近年、他社が採用を進める「Googleビルドイン」とは異なり、車両制御と情報系を統合したトヨタ独自のシステムで、ライセンス料不要な点から車両コストの抑制にも寄与するとみられます。

 原材料の高騰や人件費の上昇、先進運転支援システムの標準化など、さまざまなコスト上昇要因が重なるいま、「Arene(アリーン)」は車両価格の上昇を抑える有効な手段とされています。

 SDV(Software Defined Vehicle=ソフトウェア主導型開発)の流れが加速する中、コストを抑えながら付加価値を高めることができる重要な技術基盤といえるでしょう。

 トヨタは、開発費を注ぐべき分野を見極め無駄を省く戦略を取っており、その巧みな経営判断がAreneの採用にも表れています。

 このAreneは新型RAV4への搭載を皮切りに、ジャパンモビリティショー2025で発表された新型「ランドクルーザーFJ」や次期「カローラ」シリーズ、次期「ハイエース」シリーズ、さらにはレクサスの新型モデルへと順次展開されていく見込みです。

※ ※ ※

 新型RAV4の車両価格は未発表ですが、HEVが約400万円、PHEVが約500万円、アドベンチャーが約450万円、GRスポーツが約600万円前後と予想されます。

 洗練されたデザインと高い実用性を兼ね備えた新型RAV4、2025年度内の発売が待ち遠しいモデルです。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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