めちゃ斬新な「1人乗り“木製四輪車”」実車展示! 免許不要な「特定原付」で“自作”も可能!? ICOMA「カヤッカー」どんな特徴を備えている?

2025年11月9日に幕を閉じた「ジャパンモビリティショー2025」。今回は、その会場で注目を集めた「ICOMA」の代表的なモデル「KAYACAR(カヤッカー)」について、近藤スパ太郎さんが解説します。

 こんにちは! 最先端の技術や工夫が投入された、先進モビリティにワクワクの近藤スパ太郎です。

「おもちゃのこころでミライをつくる」を掲げるICOMA(イコマ)が、Japan Mobility Show 2025「Tokyo Future Tour 2035」に出展しました。

“おもちゃ”が乗り物になったような車両がたくさんあって、まるでおもちゃ箱の様です。

木製の特定原付「KAYACAR(カヤッカー)」。自転車のようなゆっくりとした速度なので、景色や空気を感じられそうです
木製の特定原付「KAYACAR(カヤッカー)」。自転車のようなゆっくりとした速度なので、景色や空気を感じられそうです

 ICOMAといえば、スーツケースサイズに四角く折り畳みができる(トランスフォームする)原付の電動バイク「タタメルバイク」が知られています。

 代表の生駒崇光さんは、変形ロボット玩具 “トランスフォーマー”のプロダクトデザイナーの経歴を持つ方で、そんなICOMAには奇抜な発想と、ただならぬ製作熱意を持つエンジニア達が集まっています。また最近では、トヨタ「boost me」の開発に携わるなど、活躍の場を広げています。

 ICOMAのチーフエンジニアで、小型電動モビリティや航空宇宙機器の設計事務所、ライトモビリティ設計の代表を務める水嶋徹さんは、木製カートの特定原付「KAYACAR(カヤッカー)」を作ってしまいました。

 特定原付(特定小型原動機付自転車)とは、「電動機の定格出力が0.6kW以下、長さ1.9m、幅0.6m以下、最高速度20km/h以下」の一人乗りの電動モビリティで、16歳以上であれば免許が必要ありませんが、特定原付独自の交通ルールが定められています。

 カヤッカーは、全長1900mm 幅600mmと、特定原付規格ピッタリサイズで、木の板でフレームやシートが作られています。

「このカヤッカーは、みなさんが自分で作って欲しいんです」 と話す水嶋さん。ビックリなのは、車両の図面や必要なパーツはWeb上に無料で公開する予定で、スキルのある方なら材料を自分で調達して作ることも可能とのこと。

 また、キット販売も行う予定で、自分で作れない場合には講師としての報酬を頂く……という、これまた斬新なビジネススタイルを想定しています。

 実は、トヨタ東京自動車大学校や明星大学などで、モビリティの講師も行っている水嶋さん。これまでも高専、専門学校、大学等での実習教材用の「木製電動カート」を開発してきたそうです。木材はノコギリさえあれば切ることができ、大掛かりな工作機械がなくても作ることができるため、工作の初歩を学ぶのに最適なのだそう。

 水嶋さんにとって6世代目となるカヤッカーは、初の木製・特定原付車両です。最高時速20kmというゆっくりとした速度で、カヤックのように悠々と景色や空気を感じて欲しいとのこと。

 製図や3DCADを学んだり、実際に試作して走らせてみるなどの工作教材として、 他にも、地域の木材資源の活用や地域でワークショップの開催、完成した車両は地域での観光周遊など観光資源としての利用を提案していきたいそうです。

 また、ICOMAが取り入れる金型レス設計や、板金曲げとボルト締結を用いてフレーム強度を上げる構造などは、実は水嶋さんの木製カート作りのノウハウが注ぎ込まれているそうです。水嶋さんとの出会いが無ければ、しっかりした走行性能を持った現在のタタメルバイクのようにはならなかったと、ICOMA代表の生駒さんは話します。

 さて、カヤッカーをじっくり見てみましょう。フレームは全て合板の木材で構成されビス止めで強度を確保しています。サスペンションアーム周りや後部のバッテリー搭載部フレームには金属を使っていますが、これも特別なものではなく入手しやすい物を使って、板金曲げの手法を取り入れ組み合わせることで強度を増加させています。

 逆にウインカーやフェンダーなどの樹脂パーツ類は、ICOMAの3Dプリンターで形成すノウハウが投入されています。

 モーターは2個搭載して、チェーンで後輪の二輪を駆動させています。 ボディ内は現在空きスペースになっていて、将来シェアリングサービスで活用した場合などに、GPSやタッチ決済達末などの拡張デバイスの収納を想定しています。

「作る過程を楽しみ、完成した車両で走る楽しみを味わってもらいたい」という水嶋の想いと、ものづくりの楽しさを伝えるため、定期的にワークショップを開催するICOMAの理念が一致した車両なのです。

 展示されたカヤッカーは試作1号車で改良後に、キット販売と図面が公開されるそうです。

【画像】超カッコいい! これが斬新な特定原付「カヤッカー」です(15枚)

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Writer: 近藤スパ太郎

タレント/プロデューサー。 中型免許、大型二輪免許、小型船舶2級・特殊免許を持つ乗り物好き。ハーレーでアメリカのルート66を全走破し、ロシアンラリー二輪部門出場やチベットチョモランマツーリングなど芸能界きってのバイク好き。
堺正章氏の付き人時代には、ベントレー8やターボ、マセラティ・クアトロ・ポルテ、グランド・ワゴニアなどを仕事で運転していた経歴もある。芸名はクルマ・バイク好きとして知られていた故・伊丹十三監督に、映画「スーパーの女」に出演した時に命名された。
環境番組のパーソナリティを担当して以来、電動モビリティや、環境に配慮した次世代技術に興味津々。俳優・MC・リポーターのほかWebメディアSPANGSSの運営や、制作・芸能プロダクションSPANCHOOSの代表も務める。

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