クルマの「初心者マーク」どこに貼る? SNSで論争勃発!? 貼ったらNGな位置とは
先日SNS上で、クルマの「初心者マーク」の取り付け方について論争が巻き起こりました。実はクルマには初心者マークを設置してはいけない場所があるのですが、一体どのような点に気をつければ良いのでしょうか。
視界を遮るため、フロントガラスへの取り付けはNG!
先日、SNS上でのとある投稿をきっかけにクルマの「初心者マーク」の取り付け方について、論争が巻き起こりました。
「初心者マーク」は正しく設置しなければならない決まりがありますが、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

先日、X(旧Twitter)においてとあるユーザーが、免許を取得したばかりの息子が初めて運転するクルマに乗ったという趣旨の内容とともに、助手席から外を撮影した写真を投稿しました。
この投稿に対しては、「息子さん運転免許獲得おめでとうございます」「大丈夫。すぐ上達しますよ」「息子さんも(運転)すぐうまくなるので心配なさらず温かく見守りましょ!」といった声が多く寄せられています。
その一方で、投稿された写真に関しては「初心者マークつけるところ間違えてない?」「この位置に初心者マークがあると視界を遮られて運転するのが怖いかも」「初心者マークの位置が違反」などの指摘が上がりました。
投稿された写真には、助手席の撮影者から見て左側上部のフロントガラスに初心者マークが取り付けられている様子が写っており、この点が気になった人も多かったようです。
では、初心者マークはどのように取り付けるのが正解なのでしょうか。
そもそも初心者マークは、原則として「準中型自動車または普通自動車を運転することができる免許を受けた方で、免許取得後1年未満の方」がクルマに設置しなければならないものです。そのため、バイクや大型自動車などには初心者マークの表示義務はありません。
なお警視庁のウェブサイトでは、初心者マークの取り付け位置について次のように明記しています。
「車体の前面と後面の両方に、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置
(道路運送車両の保安基準の規定により、前面ガラスに取り付けることはできない)」
つまりクルマのルーフのような高くて見えにくい位置や、運転の視界を妨げるおそれのあるフロントガラスなどには取り付けできません。クルマのボンネット部分や、後方のトランクルームまたはハッチバックドアの見えやすい部分などに設置すると良いでしょう。
また、リアガラス(後部ガラス)に初心者マークを取り付けることは禁止されていませんが、運転手がルームミラーや目視で後方を確認する際に邪魔にならず、なおかつ後方車から初心者マークが見える位置に取り付けることが大切です。
さらに、ヘッドライトやブレーキライトなどの灯火がある位置に初心者マークを貼り付けると、法令によって定められた明るさの基準を満たせなくなったり、ライトの機能が十分に発揮できず事故につながったりするおそれがあります。
初心者マークを取り付ける際には、上記のような点に留意すべきといえるでしょう。
仮に運転免許の取得後1年未満の人がクルマに初心者マークを取り付けていなかった場合、「初心運転者標識表示義務違反」に該当し、検挙されれば違反点数1点が加算されるほか、普通車で反則金4000円が科されます。
そのほかバイクの初心運転者について、大型二輪免許や普通二輪免許を取得してから1年未満の場合は基本的に「バイクの二人乗り」が禁止されています。
特に高速道路の運転に関しては、20歳未満の人やバイクの運転免許取得期間が3年未満の人などの二人乗りが禁止されていることから、その点に気をつけて運転すべきといえます。
※ ※ ※
また、危険防止のためやむを得ない場合を除き、初心運転者のクルマに対して幅寄せをしたり、必要な車間距離が保てなくなるような進路変更をしたりする行為は「初心運転者等保護義務違反」に当たり、検挙されれば違反点数1点、普通車で反則金6000円が科されます。
初心者マークをつけているクルマに対しては、運転に慣れていないという事情を考慮し、周囲の車両も配慮することが重要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。


























