ディーラーのメンテナンスパックには入ったほうがいい? 車検や点検がセットで安くなる? メリットと注意した方が良いこととは
新車購入時、販売店から強くおすすめされることが多い「メンテナンスパック」。車検や点検などのメンテナンスをセットにした商品ですが、入ったほうがいいのでしょうか? 何が含まれており、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
「メンテナンスパック」は必要なの? 顧客側のメリットは?
新車ディーラーでは「メンテナンスパック」が用意されているケースが多く、販売店の営業スタッフにも強くおすすめされます。
車検や点検などのメンテナンスをセットにしたこの商品、果たして入ったほうがいいのでしょうか。その中身とメリット、注意点を解説します。

メンテナンスパックをおすすめされる理由は、これに入ってもらうことで、一度に数か月分の整備売上を確保できるメリットがディーラー側にあるからです。
また、その都度、車検や点検を依頼するよりもメンテナンスパックのほうが割安なため、営業スタッフはメリットをアピールしやすいのです。
どれくらい安くなるかはディーラーやプランによって異なりますが、トヨタモビリティ神奈川で「ヤリス」や「アクア」などの乗用車を購入してメンテナンスパックをつける場合、通常価格よりも2〜4万円程度お得になります。
なお、ディーラーのメンテナンスパックには、オイルやオイルフィルター、ワイパーゴムの交換なども含まれている場合があります。
このように、ディーラー側はメンテナンスパックに入ってもらい、一度に数か月分の売り上げを確保するのが狙いです。
しかし、メリットがあるのはディーラーだけではありません。顧客側も数万円単位でお得になるので、多少のお金をかけてでもしっかりと点検整備をしてもらいたい人には向いています。
最低限の点検整備のみで、車検も可能な限り安く抑えたい方は、自分で安い業者を探したほうがいいでしょう。
ディーラーは、メンテナンスパックに入ってもらうことで整備入庫を事前に確約して、新車やカー用品の販売に繋げたいという思いもあります。
また、メンテナンスパックは顧客と疎遠にならないためにも重要であり、整備入庫してもらうことで接触機会を確保できます。
顧客側のメリットをもう少し詳しく見ていきましょう。
まず挙げられるのは、メンテナンス忘れの防止です。メンテナンスパックに加入すると、ディーラーから定期的に点検のお知らせが届きます。そのため、メンテナンスを忘れずに、安心して適切な整備を受けられます。
メンテナンス費用の総額が、数万単位でお得になるのも大きなメリットです。ディーラーでメンテナンスする際は、以下のような費用がかかります。
・交換部品代
・交換工賃
・点検費用
・下回り洗浄費用 など
メンテナンスパックは、上記を別々で依頼するよりも数万円は安くなるように価格が設定されています。また、プランによっては、オイルやオイルフィルター、ワイパーゴムの交換のほか、無料の洗車やコーティング割引などを受けることも可能です。
一般的に、オイルは半年もしくは5000kmごとに交換するのが推奨されていますが、半年で1000km程度しか走行しないという方もいるでしょう。このような場合、オイル交換を実施せず、浮いた分を車検費用に充てられるプランを提供しているディーラーもあります。
そのため、「走行距離はそれほど多くないからメンテナンスパックは不要」と考えている方も、一度プラン内容を詳しく聞いてみるといいでしょう。走行距離が短い人でもお得になるような内容であれば、入っておくといいかもしれません。
メンテナンスパックは、メーカー保証の対象外になるリスクも避けられます。オイルやフィルター交換でメーカー指定以外の部品を使用して不具合が発生した場合、メーカー保証を受けられない可能性がありますが、ディーラーのメンテナンスパックであればそのような心配がありません。
このように、さまざまなメリットがあるメンテナンスパックですが、いくつかの点に注意しなければなりません。
まず、メンテナンスパックの契約期間内にクルマを買い替えた場合の条件を確認しておきましょう。販売店ごとにメンテナンスパックの仕様や価格を設定しているケースが多く、さまざまな条件設定があるので要注意です。
たとえば、以下のようなケースがあります。
・途中解約しても返金可能
・同じディーラーでクルマを買い替えれば引き継げる
・引き継ぎ不可 など
上記のように、複数のケースが考えられるため、メンテナンスパックに加入する際は、内容や条件をよく確認しておきましょう。
メンテナンスパックは、ディーラーによる点検整備をお得に受けられるメリットがあります。しかし、メンテナンスに関する知識があり、簡単な整備は自分でできる方は、入らないほうが費用を抑えられるかもしれません。
走行距離やライフスタイルを考慮したうえで、加入するかどうか決めるといいでしょう。
なお、メンテナンスパックに入らないからといって、リセールバリューが大幅に安くなるわけではありません。ただし、メンテナンスパックに加入していれば、ディーラーによって定期的なメンテナンスが行われていることが伝わるため、乗り換え時の査定にプラスに働く可能性はあります。
また、物価高騰の影響も考慮したほうがいいかもしれません。たとえば、スズキでは2024年12月に油脂類及び使用部品の価格高騰に伴い、「スズキ安心メンテナンスパック」の料金を値上げしています。
今後、さまざまなメーカーでも、同様の値上げが実施される可能性はゼロではないため、今のうちに長期のメンテナンスパックに加入したほうがお得になるかもしれません。
※ ※ ※
ここまで解説してきたように、ディーラーのメンテナンスパックは複数のメリットがあります。しかし、注意点もあるため、よく検討したうえで決めることが大切です。
なお、新車購入時にメンテナンスパックに入っていなくても、一定期間内であれば途中契約が可能なプランを提供しているディーラーもあるため、加入を考えている方は一度相談してみるといいでしょう。
Writer: マツ
2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。





















